『被愛妄想』のネタバレ!漫画を無料で試し読みしてみませんか?

今回は「中村卯月」先生の『被愛妄想』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『被愛妄想』はこんな漫画(あらすじ)

高校の教師をしている門前一真(かどまえかずま)は、新年度になり新しいクラスを担任ることになりました。

緊張した面持ちで生徒たちと対面した一真。

その中には学園長の娘である野枝奏(のえだかなで)の姿がありました。

大人しい雰囲気の彼女がクラスに溶け込めるか心配する一真だったのですが、奏は誰にも言えない恐るべき秘密を抱えていたのです。

彼女の常軌を逸した行動によって日常を破壊されていく教師の姿を描いた『被愛妄想』

今回はこちらのホラー漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

戦慄が走る圧倒的な恐怖をじっくりと体感していってください。

 

『被愛妄想』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

夕暮れの病室の中に、包帯を頭に巻いた門前一真の姿がありました。

門前一真
「この夕刻の光に包まれると思い出す、彼女に初めて出会った日の事を・・・あの圧倒的な愛、そして狂気」

一真が思い出しているのは野枝奏という女子高生です。

彼女と一真が出会ったのは新年度になった春の日のことでした。

門前一真
「行ってきまーす」

娘の歩未を連れて出勤しようとしている一真。

そんな彼のことを奥さんが引き留め、ネクタイを直してくれました。

愛する奥さんに見送られた一真は、娘を幼稚園に送り届けてから学校へ向かいます。

この日から新たなクラスを受け持つことになっていたため、気を引き締めながら教室に到着しました。

門前一真
「皆さん初めまして、今日からこの2-Cを担任します、門前一真です、一年間どうぞよろしく」

少し緊張しながら自己紹介をしていきます。

しかし初日ということもあり、生徒からは何の反応も起きません。

門前一真
「まっ反応はないよな、まぁ携帯見てないだけマシか・・・」

今時の生徒の様子を仕方ないものだと思っています。

それでも笑顔を絶やさずに生徒と接していく一真。

門前一真
「では出欠を兼ねて皆さんの顔を覚えていきますので、名前を呼ばれた人は起立してください」

一人一人の顔と名前を覚えながら出欠を取り始めます。

最初は反応のなかった生徒たちなのですが、一真の呼びかけにはしっかりと答えてくれていました。

門前一真
「はい、じゃあ次、野枝さん」

名前を呼ばれ黙って立ち上がる野枝奏。

門前一真
「あっ、一応返事してね」
野枝奏
「・・・はい」

彼女は学園長の娘なので、あらかじめ一真の頭の中には情報が入っていました。

そんな奏の第一印象を、一真は黒く切り取られた影のように重く籠もった雰囲気だと感じています。

門前一真
「ナイーブそうな娘だ、周りから特別視されてきたのか、とにかくなるべく普通に接しよう」

彼女だけ特別扱いする訳にはいかないのですが、どうしても学園長の娘ということが気にかかっていました。

こうして一真は無事に出欠の確認を済ませていきます。

門前一真
「えー、まだ初めてで皆さんの顔と名前が一致していませんが、なるべく早く覚えますのでよろしくお願いします」

出欠が終わるとこの後の集会までの時間を自由時間にする事にしました。

携帯を見たり談笑する生徒たちの様子を見ながら、一真は教室内を歩いて回ることにします。

すると本を読む奏の姿が目に留まりました。

門前一真
「何読んでるの?」

声をかけられた奏が慌てて本を隠してしまいます。

門前一真
「あっ!別に隠さなくていいのにっ」

笑顔を向けるのですが奏は視線を合わせてくれません。

少し困ってしまうのですが、一真には彼女が読んでいた本に見覚えがありました。

門前一真
「ギョーム・アポリネール、あぁ・・・詩集かぁ」
野枝奏
「えっ・・・」

ここでようやく奏がこちらに目を向けてくれます。

門前一真
「アポリエーヌってフランスの詩人でしょ?先生はそれ大学の第二外国語で少しやった程度だけど、おっとごめんね、読んでる邪魔しちゃって」

これが一真と奏が初めて会話をしたシーンだったのです。

彼女から大人しく繊細な印象を受ける一真だったのですが、この出会いが彼の人生を破綻させていくことになるのでした。

 

 

ホラー漫画とは思えないほど穏やかな展開で物語がスタートしていきました。

その中で、生徒のことをしっかりと考えている一真の姿が印象的ですね。

しかしここから真面目な彼の日常が音を立てて崩れ始めていきます。

天使のような表情をした奏が、悪魔のような一面を見せていく『被愛妄想』

誰も予測不能なストーリーを引き続きお楽しみください。

後編

一真が新しいクラスを担任することになってから一ヵ月が経過していました。

生徒たちもクラスの雰囲気に慣れてきたようです。

門前一真
「みんなもうすぐ中間試験だけど大丈夫か?長い連休でダラけてたらいくら範囲が狭いからってマズイからな!じゃあ今日は終わり」

一真も生徒たちとかなり打ち解けていました。

しかしそんな中、奏のことが気になっている一真。

彼女がクラスに打ち解けているのかどうかを計り知れずにいたのです。

本人に直接確認する訳にもいかず、ひとまずこのまま様子を見ていくことにしました。

授業が終わると、一真は図書室に向かいます。

門前一真
「へぇ・・・私立だけあっていい本がそろってるなぁ」

本を手に取っていると自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきました。。

野枝奏
「あっ、先生」
門前一真
「あれ野枝・・・さん?野枝さんも調べもの?」
野枝奏
「わっ私っ、図書委員だから・・・」

一真は生徒の委員会活動を確認していませんでした。

うっかりしていたことを反省しながら、奏との会話を続けていきます。

門前一真
「いやぁ前に野枝さんがアポリエーヌの詩集を読んでたでしょ?あれからずっと気になってて、いくら思い出そうとしても曖昧なんだよね」

そのため詩集を読み返そうと思い図書室に来ていました。

ここで一真の言葉を聞いていた奏が笑い出してしまいます。

門前一真
「なっ、何か変な事言ったかな?」
野枝奏
「先生、アポリエーヌじゃなくてアポリネールです」
門前一真
「えっ・・・まいったな、勉強不足が露呈しちゃったね、そうだ、図書委員ならどの棚にあるか分かる?」
野枝奏
「すみません・・・あれ私の本なんです」

この図書室には詩集が置いてない事が分かります。

奏が自分の本を貸すと言ってくれるのですが、面倒をかけるのは申し訳ないため遠慮する一真。

門前一真
「でも・・・似たような本は置いてある?」
野枝奏
「あっ、それでしたら・・・」
門前一真
「ところで学校の本って教師でも借りていいのかな?」
野枝奏
「大丈夫ですっ、図書委員の権限で図書カード作っちゃいますっ」

こうして本をきっかけに打ち解けることができた一真と奏。

教室の中では少し浮いた存在だと感じていたのですが、話してみるといたって普通の女の子でした。

門前一真
「やっぱり学園長の娘っていうレッテルが敬遠されるんだろうな」

奏の境遇を少しだけ気の毒だと思っています。

そんな中で奏が図書カードを作り始めてくれました。

野枝奏
「一応貸し出し期間は一週間です、先生・・・あの下のお名前の漢字は・・・?」
門前一真
「ああっ”一”と真実の”真”で一真」
野枝奏
「門前・・・一真さん、はい、どうぞ先生、あの・・・その本返す時、私に一言教えてもらえますか?ちゃんと図書室にいるようにしますので」

こうして奏に図書カードを作ってもらい、本を借りることができました。

しかし雑務に追われた一真は、詩集を半分ほども読むことができません。

そのまま貸出期間が来てしまったので、本を返しに図書室へ向かいます。

夕方の5時に返しに行くと奏に伝えてあったため、約束の時間に図書室を訪れました。

ですがドアには鍵がかかっています。

仕方なく帰ろうとするのですが、中を覗いてみると奏がいることに気がつきました。

門前一真
「なんだやっぱりいるじゃないか」

安心した次の瞬間、見てはいけないものを見てしまった一真。

そこには本を片手に持ちながら、官能的に乱れる奏の姿があったのです。

門前一真
「野枝さん・・・何を・・・!?」

彼女の秘密を知ってしまった一真は、ここから奏の狂ったような歪んだ愛情に振り回されていくことになるのでした。

 

『被愛妄想』はこんな人にオススメ

人間の狂気が巻き起こす愛憎劇に興味がある人にオススメの作品です。

深くて歪んだ一方的な愛情によって、門前一真が壊されていく姿がインパクト抜群となっていますよ。

絵も上手なのでとても読みやすい『被愛妄想』

ホラー漫画ファンだけでなく、ミステリー漫画ファンも楽しめる作品だと思います。

スリル満点で官能的な物語をじっくりとご堪能ください。

 

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