今回は「TETSUO」先生の『鬼になる』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『鬼になる』はこんな漫画(あらすじ)
平凡なサラリーマンの三船は3人の子宝に恵まれたのですが、忙しい仕事に追われ家族を大切にしていません。
古い考え方の三船は子供と向き合うのは母親の仕事だと思っています。
しかし妻から子供たちに家族と一緒に過ごした時間を残すべきだと注意されました。
妻の言葉で考え直した三船は家族と向き合うことにします。
子供たちも三船の変化に喜んでくれるのですが、平凡な家族に待ち受けていたのは残酷な運命でした。
凄惨な体験から復讐の鬼と化した一般市民を主人公に設定した『鬼になる』！
今回はバイオレンスなサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
TETSUO先生が描くサイコホラーを見逃さないでください。
『鬼になる』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
1992年、自宅で手足を拘束された三船が頭から血を流しています。
目の前には同じような状況に陥った妻の姿がありました。
痛々しい姿になった妻の頭に覆面を被った人物が金属バットを押し付けます。
必死に叫ぼうとする三船なのですが、猿ぐつわをされているので上手く喋れません。
そんな三船に妻は子供たちを守ってほしいと懇願します。
次の瞬間、覆面を被った人物が金属バットを振り下ろしました。
妻を助けようとした三船なのですが頭部を蹴られて倒れ込んでしまいます。
倒れた三船の前には幼い我が子の遺体が2つ転がっていました。
娘のサチだけには助かってほしいと願います。
しかし別の覆面を被った人物が娘を始末したと報告してきました。
数時間前まで家族一緒に幸せな時間を過ごしていたのに、どうして自分たちがこんな目に遭うのか理解できません。
疑問を解き明かせないまま三船の頭部にも金属バットが振り下ろされます。
この事件が起こる前日の三船家はどこにでもいる一般的な家庭でした。
ですが子供たちは三船のことを良い父親だとは思っていません。
その理由は仕事で忙しい三船が子供たちとまともに向き合っていないためでした。
三船はこの日も約束していたサチの運動会へ参加することを仕事の都合でキャンセルしてしまいます。
親子リレーを楽しみにしていたサチは納得することができません。
それでも仕事を優先する三船は、サチから嫌いと言われてしまいました。
サチの機嫌が悪いまま仕事へ向かいます。
すると玄関で妻が運動会への参加をもう一度お願いしてきました。
このように三船は仕事を最優先にしているので家庭を大切にしていません。
本人はお金を稼いで家族を守ることが重要だと考えています。
それでも仕事を終えると妻とサチの悲しそうな顔が思い出されました。
しかしこの時点で三船は自分の考えを変化させるつもりはありません。
あくまでも古い考え方の三船は、男性が外でお金を稼ぎ女性は家族と向き合うことが仕事だと考えているのです。
ですが子供たちのことを母親1人で守れるほど家事は生易しいものではありません。
この日も忙しい仕事をこなした三船は、家族と向き合うことの大切さを妻から教えられることになるのでした。
家族と向き合うことにした三船はどうして残酷な運命に巻き込まれたのでしょうか！？
序盤は家族と向き合わない三船の現状を丁寧に描写していますね。
仕事を大事にすることはとても大切なのですが、家族と向き合うことの大切さも父親の役目であることを教えられました。
訳も分からず大切な家族を奪われたサラリーマンの復讐劇を描いた『鬼になる』！
人間は誰にでも鬼になってしまう可能性があることを訴えかけてくるメッセージが込められています。
もしも自分の大切な人を奪われたらどうするのか想像しながら読んでみてください。
後編
三船が仕事から帰ってくると妻が居間で寝ていました。
赤ん坊の裕太はミルクを飲んだら落ち着いたそうです。
事情を聞いた三船が着替えていると、サチの運動会のスケジュールが目に留まりました。
いつものように三船は子供たちと向き合おうとしません。
するとここで妻が怒りを爆発させます。
家族のため毎日遅くまで仕事をしているので、子供たちの面倒は母親の仕事だと主張しました。
しかし妻は納得してくれません。
父親の代わりは三船にしかできないと言われました。
翌日、小学校で運動会が始まったのですが三船は姿を現しません。
そのまま親子リレーがスタートする時間を迎えてしまいます。
父親が不在のサチは先生おんぶしてもらうことになりました。
しかし父親と参加したかったサチは、なかなか先生の背中に乗ろうとしません。
仕事を抜けてきた三船が親子リレーに参加してくれました。
サチは嬉しそうに父親の背中におんぶしてもらいます。
そのまま娘を背負った三船は全力で駆け抜けて、見事に一等賞を獲得しました。
しかし妻に注意されたことで家族を守れても幸せにはできないと気付いたのです。
大切なことに気が付いた三船は家族と一緒に過ごす時間を増やすことにしました。
子供たちが大きくなった時に父親と笑って過ごした思い出を残したくなったのです。
こうして幸せな気分に浸りながら家族そろって家に帰りました。
しかしこの幸せは長続きしなかったのです。
ゆっくり休もうとしていると覆面を被った人物に襲撃されました。
ここから物語は冒頭の凄惨なシーンへ移っていきます。
まず妻が金属バットで殴打され、続いて子供たちが襲われました。
そして三船にも金属バットが振り下ろされます。
1992年10月、このように三船家は何者かに襲撃されました。
ここから30年が経過した2022年6月、病院に収容されていた三船が意識を取り戻します。
鏡に映った自分の姿は30年前と別人のように変わっていました。
このような残酷な運命に三船を巻き込んだ襲撃者の目的と正体はまだ分かっていません。
しかし家族を奪われ鬼と化した三船の復讐劇がここから幕を開けるのです。
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『鬼になる』はこんな人にオススメ
サイコパスが登場するスリリングなサスペンス漫画を読みたい人にオススメの作品です。
三船を地獄に突き落とした犯罪者たちと、彼らに復讐する鬼と化した三船の姿はどちらも常軌を逸していますよ。
大切な家族を奪われたサラリーマンの悲しみを表現した『鬼になる』！
“髑髏は闇夜に動き出す”を世に送り出したTETSUO先生の衝撃作です。
全てを失った人間の狂気にゾクゾクしてみてください。
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