屍活師 女王の法医学のネタバレ(漫画)！ドラマにもなりました！

今回は「杜野亜希」先生の『屍活師 女王の法医学』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『屍活師 女王の法医学』はこんな漫画

国立H大学の医学部に通っている犬飼一（いぬかいはじめ）は、生きている患者を診察する臨床医を志望しています。

しかし彼の願いは叶うことなく、研修生として配属された先は死体を相手にする法医学教室でした。

法医学に興味が無い犬飼だったのですが、准教授の桐山ユキという女性と出会ったことにより運命が大きく変わり始めます。

女王様のような態度の桐山ユキが、遺体に残された声を聞きながら死因を解明していく『屍活師 女王の法医学』！

今回は法医学教室を舞台にしたサスペンス漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

テレビドラマにもなった名作を是非この機会にお楽しみください。

『屍活師 女王の法医学』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

法医学とは死体を解剖していき、犯罪捜査や裁判などで重要な証拠となる事実を解明していく医学です。

国立H大学の法医学教室は、医学部の片隅に研究室を構えていました。

その研究室を一人の医学生が訪ねてきます。

彼の名前は犬飼一といい、本日からこの研究室に配属されることが決定していました。

「あのー」

彼が緊張しながら研究室の扉を開けると、本に囲まれるようにして女性が倒れています。

「死体・・・？いやまさか、でも・・・生気のない美しさ、なんてきれい、白雪姫のようにキスしたら目覚めそうな・・・」

女性の儚げな美しさに見惚れていました。

すると女性が急に目を見開いてきます。

「ぎゃあああ」

犬飼が悲鳴を上げたことにより、研究室の教授である丹羽が駆け付けてきました。

丹羽から倒れていた女性を紹介された犬飼。

この女性は研究室の実務を任されている准教授の桐山ユキでした。

彼女が准教授だということに驚きながら、犬飼は配属早々ですが異動を申し出ることにします。

「僕、将来は患者さんを相手にする立派な臨床医になりたくて・・・基礎系の法医学になったのはちょっとした間違いなんです」

目に涙を浮かべながら異動を希望しています。

「そんな目で見られてもうつむいたとき、顔の咬筋が緊張してるの見えたもん、こっそりあくびしたらこんなふうに涙も出るよねー」

泣いたフリをしていたことを見透かされていました。

こうして希望が叶わなかった犬飼は、仕方なくアルバイトに向かうことにします。

「なんなんだあの女、一瞬でも美人かと思った俺がバカだった」

成績が良くないため本命の臨床医学に配属されなかった犬飼。

彼の成績が良くない理由は、学費を稼ぐためにバイトをかけもちしているせいでした。

この日も塗料工場で夕方から働き始めています。

仕事がひと段落したため、犬飼が他のパート社員と休憩していると女性社員の林さんが重たい塗料を一人で運んでいました。

彼女の様子が気になった犬飼は、塗料を運ぶお手伝いをしに行きます。

「ここでいいですか？」

「私が悪かったの、今日はこの溶剤の補充を忘れて仕事が滞ってしまって、本当にありがとう」

「い、いえっ」

その後、工場長に呼ばれた犬飼が戻ろうとすると、林さんが思いつめたような表情で見つめてきました。

「あ、犬飼くん」

「え？」

「・・・ううん、ありがとう、明日・・・ね」

彼女の表情がなぜか犬飼の心に深く印象付けられます。

翌日になるとその理由がはっきりしました。

警察から桐山の元へ死体検案の要請が入ります。

「キミも来て」

「い、いえ僕はまだそんな・・・っ」

検死を嫌がる犬飼だったのですが、桐山が彼を連れて行こうとした理由は手伝いをしてほしい訳ではありませんでした。

「案内してって言ってんの、現場は塗料工場、たぶんキミのバイト先だと思う」

警察から検案の要請が入った場所は、犬飼が勤めている塗料工場だったのです。

現場に行ってみると、二人を待っていた死体は林さんでした。

工場の中で首を吊った状態で発見された林さん。

果たして彼女の死は自殺と他殺のどちらなのでしょうか！？

法医学に興味が無い犬飼と、優秀なのですが変人のような桐山の個性的なコンビが印象的ですね。

そんな二人が女性の不審死の謎に迫っていきます。

専門用語も分かりやすく解説してくれているので、とても読みやすい『屍活師 女王の法医学』！

ここから物語はタイトルの“屍活師”という言葉通りの展開を見せ始めます。

言葉の意味に注目しながら続きをご覧になってください。

後編

警察が詳しく捜査してみると、亡くなった林さんの荷物の中には会社のお金を横領していた証拠となる通帳がありました。

そのため警察は罪の意識に苦しんだ挙句の自殺だと考えています。

しかし遺体の検死を始めた桐山は違う見解を持ち始めていました。

「あれ、マニキュアはげてる」

「なんだろ、なにかヘンな気がする、いままで彼女がマニキュアつけたのなんて見たことない、昨日会ったときも」

「だろうね、塗料工場で溶剤に使う酢酸エチルはマニキュアの除光液の成分だから」

マニキュアを塗っていたことと、遺体の死後硬直が通常よりも進んでいないことを不審に思う桐山。

そのため彼女は遺体を解剖することを提案します。

しかし自殺という見方の警察はすぐには許可してくれません。

すると桐山が強引に警察を説得し始め、なんとか解剖の許可が下りました。

遺体をすぐに法医学教室に運んだ桐山だったのですが、犬飼は解剖に乗り気ではありません。

「あ、あの俺・・・立ち会えません、昨日まで話してた林さんを解剖なんて・・・」

「ふーん、怖がって逃げるんだぁ、彼女の話を昨日ちゃんと聞いていればと後悔しているクセに」

「で、でも・・・彼女は死んだんですよ！いまさら話なんて聞けない！！」

「ううん、彼女にここに来てもらったのは、まだ彼女が私たちに言いたいことがある気がしたからだよ」

彼女の言葉を聞くと言う桐山に対して、犬飼は仕方なく解剖に立ち会う事にしました。

解剖を始めていくと凝固していない血液や頸部の骨折など、どれも自殺の所見に現れる反応が確認されていきます。

しかし桐山だけは自殺だと考えていませんでした。

「真実を語れるのはあなただけよ、ただ一つ残されているこの体で」

遺体に話しかけるように解剖を進めていく桐山。

その姿を犬飼は不気味なものに感じていました。

「右心室の血液・・・空気に触れた所からすこし凝固し始めてる、急性死では凝固しないはずなのに、これはまさか・・・」

何かに気づいた桐山は肺動脈と大動脈から採血を始めていきます。

すると右心室からは暗い赤色の血が出て、左心室からは鮮やかな赤色の血が出てきました。

「同じ心臓の血、なのになんでこんな色の差が・・・！？」

犬飼が血の色に疑問を抱いた次の瞬間、遺体から林さんが浮かび上がってくるような気がします。

そのイメージは桐山も共有していました。

「そうか、屍は活ける師なり、この血が彼女の最後の言葉なんだ」

こうして遺体を解剖した桐山は、林さんが残した最後の言葉を聞くことができたのです。

警察と関係者を集めて解剖の結果を報告する桐山。

「様々な所見が裏づけるとおり死因は確かに縊死と思われます、しかしそのまえに彼女の体は凍てついて仮死状態になっていた」

右心室と左心室に残されていた血液の色の違いは、凍死した場合に現れる所見だったのです。

桐山はこの事実から、林さんは自殺ではなく他殺だということを見抜いたのでした。

ここから警察と共に林さんを殺害した犯人探しが始まっていきます。

彼女を自殺に見せかけた卑劣な犯人の正体とは・・・！？

ネタバレは以上となりますので、この事件の顛末は実際にご自身の目で確かめてくださいね。

『屍活師 女王の法医学』はテレビドラマにもなりました！

専門的な医学知識と本格的な犯罪捜査が見所の『屍活師 女王の法医学』！

大人気となったこの漫画は、2013年9月27日にフジテレビ系列の金曜プレステージ枠でドラマ化されました。

漫画を読んだ後はドラマも視聴してみると、さらに物語の奥深さを感じられると思いますよ。

ちなみにドラマのキャストは桐山ユキ役を松下奈緒さん、犬飼一役を関ジャニ∞の横山裕さんが演じて話題を集めました。

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