今回は「笠原真樹」先生の『群青戦記』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『群青戦記』はこんな漫画
滋賀県のスポーツ強豪校・星徳高校の弓道部に所属する2年生の西野蒼。
彼を含む在校生がいつも通り部活で汗を流していると、急に校舎を赤い雨と深い霧が包み込み始めます。
蒼たちがこの異常気象に戸惑っていると、目の前に甲冑をまとった足軽が現れ襲い掛かってきました。
状況が分からず戸惑う蒼たちだったのですが、校舎の外には安土城がそびえ立っています。
学校ごと戦国時代にタイムスリップしてしまった高校生の運命を描く『群青戦記』！
今回はこのファンタジー時代劇の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
命を賭けた壮絶なサバイバルに熱狂してみてください。
『群青戦記』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
“板坂卜斎覚書”は徳川家康の主治医だった板坂卜斎が書き記した歴史文献です。
平成の時代になり発見されたこの文献には関ヶ原の戦の様子が記述されていたのですが、そこには現代人のような人物が描かれていました。
その人物たちの数は40名に上り、歴史学者の研究でも未だにその素性は明らかになっていません。
板坂卜斎が記した文献の謎は、滋賀県の私立学校に関係していました。
その学校は星徳高校といい、スポーツの強豪校として県下にその名を轟かせています。
いつものように歴史の授業が行われていた2年生の教室に、熱心な表情で勉強をしている西野蒼の姿がありました。
歴史が大好きな蒼は、つい校舎の外にある安土城が建っていた山を眺めてしまいます。
するとその態度を先生に注意されてしまいました。
そんな彼を歴史オタクだと馬鹿にするクラスメイトたち。
一番イケてるグループが”1軍”、そこそこが”2軍”、平均くらいが”3軍”、そしてダサい人が”4軍”という風にランク分けされています。
蒼は自分のことを3軍だと認識していました。
そんな彼はオタク扱いしてくるクラスメイトを敵視しています。
蒼がおかしな想像をしていると、窓の外に火の玉が浮かんでいました。
部活の時間になると、蒼は同じ弓道部の瀬野遥という女の子にこのことを相談することにします。
蒼の不思議な発言が気になってしまい、遥が的を外してしまいました。
彼女に謝る代わりに見本を見せることにした蒼。
すると彼の弓矢は見事に的の中心をとらえます。
自分の境遇に納得していない蒼は、いつもこのようにして戦国時代に憧れを抱いていました。
練習が終わると二人はジュースを飲みながら会話を始めます。
コウタとは蒼の幼なじみで、生徒会長と剣道部の主将を務める松本考太のことです。
二人がコウタを待っていると、校内で問題児扱いされているイジメ集団が現れました。
実はこの学校では、彼らのイジメが原因とみられる生徒の自殺が相次いでいたのです。
それでも彼らは横暴な態度を改めることはありませんでした。
この日も大きな態度で廊下を歩く彼らの前に、ようやくコウタが姿を現します。
いつもこうして自分の思ったことを言えるコウタに憧れている蒼。
コウタは蒼が欲しいものを全て持っている存在だったのです。
そんな三人が一緒に帰ろうとしていると、外が急に土砂降りになってしまいます。
突然の異常気象に戸惑う三人。
実はこの赤い雨が三人の運命を大きく変えることになるのでした。
現状の環境に不満を持っているため、大好きな戦国時代での暮らしを妄想している蒼。
このような妄想は誰もが多かれ少なかれしたことがあると思います。
登場人物の感情表現にリアリティーが感じられる『群青戦記』！
ここから物語は異常気象がとんでもない事態を巻き起こしていきます。
引き続きスリル満点な展開にご注目ください。
後編
突然降り出した大雨に三人が戸惑っていると、グラウンドの地面からセミが大量発生してきました。
セミは次々と脱皮を繰り返していきます。
その後、校舎は深い霧に包まれていきました。
するとここで蒼が再び火の玉を目撃します。
火の玉を追う蒼を追いかけるコウタと遥。
教室の中に入っていった火の玉を追うと、そこにはタイマツを持った足軽の格好をした人間が立っていました。
蒼が悲鳴を上げると、その声を聞きつけた先生が教室にやって来ます。
足軽の姿をした人間を見て、先生は文化祭のイベントだと勘違いしてしまいました。
しかし次の瞬間、足軽が持っていた槍で先生の首を突き刺します。
状況が理解できない蒼。
するとここでコウタが冷静にこの場を切り抜ける方法を提案してきました。
こうしてコウタの作戦によって三人は何とか危機を脱します。
しかしまだ三人には何が起きているのか分かっていません。
コウタと蒼は遥を安全な場所に移動させてから、足軽を迎え撃つことにしました。
コウタは得意の剣道、そして蒼は弓道で戦う準備を始めます。
しかし命を賭けた戦いなど二人は経験したことがありません。
精神的に弱い蒼はもちろん、コウタもそのプレッシャーに心が折れそうになってしまいます。
必死な表情で敵と対峙していくコウタと蒼。
二人が何とか足軽をくい止めていると、そこに警察官がやってきてくれました。
襲い掛かる足軽に対して警察官が拳銃を発砲すると、流れ弾が窓ガラスを割ってしまいます。
すると校舎の中に深い霧が立ち込めてきました。
何かが爆発したかと思うコウタ。
しかしここで蒼があることに気がつきました。
校舎の外にはあるはずのない安土城がそびえ立っていたのです。
こうして蒼たちは校舎ごと戦国時代にタイムスリップしてしまいました。
校舎の外を見てみると無数の足軽がこちらを見ています。
謎の超常現象によって戦場のど真ん中に降り立ってしまった蒼たち。
果たして彼らはこの窮地をどのように乗り切っていくのでしょうか！？
この続きは実際に漫画を読んでご自身の目でお確かめください。
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『群青戦記』を読んだ感想
スリリングな展開に手汗が止まりませんでした。
何を考えているのか全く分からない足軽の姿が恐怖を倍増させていますね。
極限状態に立たされた人間のリアルな姿を描く『群青戦記』！
とんでもない緊迫感が読者を魅了する物語になっています。
必死に戦国時代を生き延びる高校生の様子に大満足しながら読むことができました。
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