保険加入者に告ぐ。のネタバレ(漫画)！至高のサスペンスです！

今回は「渡辺悠　原案 田丸哲二」先生の『保険加入者に告ぐ。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『保険加入者に告ぐ。』はこんな漫画

法律やインフラなどの改善が日々繰り返され、高い安全性を手に入れた現代の日本。

ここに暮らす人々はその安全を当然のものと思い込み、危険に対する準備を怠っていました。

その影響を強く受けてしまったのが保険業界だったのです。

危機を感じたある保険会社は、事故を意図的に引き起こして保険への認識を改めさせるよう人々に警告していくのでした。

不思議な能力を使う主人公と、保険会社の危険な陰謀を描いていく『保険加入者に告ぐ。』！

今回はこのサスペンス漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

保険という身近な問題に共感しながら物語をお楽しみください。

『保険加入者に告ぐ。』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

急な雨が降ってきたため、伊藤瞬は愛妻と愛娘に会社まで傘を持ってきてもらいました。

妊娠中の妻の体を気遣いながらお礼を言う伊藤。

娘に早く帰ると約束してから仕事に戻っていきます。

そんな彼の背後から一人の青年が近付いてきました。

青年の存在に気付かず振り返った伊藤は彼とぶつかってしまいます。

「うわっ！？す、すいません・・・怪我とかないですか？」

「いえ・・・こちらこそすいませんでした」

青年は表情を変えずに立ち去って行きました。

その姿を不思議そうに見送る伊藤。

しかしそれ以上は何も起こらなかったため、約束していた保険会社に向かうことにします。

保険会社の担当女性に解約を申し出ました。

「生命保険の解約ですか？」

「いやぁ、お恥ずかしい話・・・マンションのローンやら娘の養育費やらで出費が増えまして・・・」

「そうでしたか、伊藤様くらいのご年齢になられますとライフイベントが重なりますからね」

「ええ・・・二人目もできまして色々大変で」

こうして伊藤は保険を解約することにしました。

解約に伴う返戻金は3700万円という金額になります。

その後、会社に戻った伊藤。

ふと右腕を見てみると内出血のような痕ができていました。

「あれ・・・なんだこの血・・・おかしいな・・・怪我なんかしてないのに・・・」

痛みがないためあまり気にしないようにします。

そのまま自宅に戻った伊藤は、妻に急な出張に行かなければならないことを報告していました。

妻は予定日が近いため、夫が不在になることに不安を抱いています。

「大丈夫、出張から帰ったらもう一人にしないよ、大事な家族なんだ、お前もチカもお腹の子も命がけで俺が守るから」

伊藤は妻を抱きしめながら優しい言葉をかけてあげます。

その言葉で妻の不安は解消されていきました。

こうして出張に出かけていく伊藤だったのですが、彼にはとんでもない秘密があったのです。

実は部下の女性社員と不倫関係を続けている伊藤。

彼は出張先にまで女性社員を連れて行き、肉体関係を楽しんでいたのです。

保険を解約したのも彼女と豪勢なホテルに宿泊したりするためで、妻との離婚も考えていました。

しかし彼の不真面目な生活はここで終わりを告げることになります。

翌朝になり、ホテルから仕事先へ向かう伊藤。

すると彼の前に先日、社内でぶつかった青年が現れました。

「君は・・・確か・・・」

次の瞬間、頭上の建設現場が大きな音を立てながら崩れ落ちてしまいます。

この事故で命を失った伊藤。

青年はその姿を無表情で眺めています。

果たしてこの青年は伊藤の死に対して、どのような関係があるのでしょうか！？

保険を巡って不審な死を遂げていく登場人物たち。

謎めいたストーリーがとてもスリリングでした。

信じがたい能力で人を死に追いやる青年と、彼の特殊能力を利用する保険会社の裏の顔を描いていく『保険加入者に告ぐ。』！

ここから青年の正体と保険会社の陰謀が少しずつ明らかになっていきます。

彼らの恐るべき計画の実態を知り、震えあがってみてください。

後編

青年と出会ったことで命を失ってしまった伊藤。

保険会社で彼を担当していた十景は、未亡人になった奥さんの元を弔問に訪れていました。

「この度はご愁傷様です、奥様・・・あまり落ち込まれますとお体にさわりますので・・・」

解約寸前だった生命保険を受けとるよう勧める十景。

しかし奥さんにとって保険金を受け取ることは、夫の死を受け入れることを意味していました。

そのため受け取りを拒否する奥さんを、十景は必死に説得していきます。

「この保険金は旦那様の家族を想う愛が形を変えて奥さまの元に届いたものです、どうかご家族のために受け取ってください」

こうして十景は奥さんの説得に何とか成功することができました。

無事に仕事を済ませた十景がマンションを出ると、そこには伊藤とぶつかった青年の姿があります。

「シッポ帰るわよ」

「今回はずいぶん長かったね」

実はシッポと呼ばれる青年は十景の部下だったのです。

十景が勤める外資系保険企業のフェニックスホールディングスは、世の中の安全性が向上したことにより大きな影響を受けていました。

そのため低迷する保険商品の需要を回復させるため、一定数の事故を意図的に作り出すことにしたのです。

この任務を秘密裏に請け負っているのが十景真矢でした。

彼女の部下として働くシッポの任務は指示された保険加入者に、不慮の事故を起こすというものです。

シッポが加入者を事故に巻き込む方法は、自分の血を付着させるという手段でした。

「僕の血が付着した者には必ず事故という形で災いが降りかかる」

理由は分かっていませんが、シッポの血が付着すると相手は必ず事故に巻き込まれてしまいます。

事故の大小は血の付着面積で変わり、新しい血の即効性と古い血の遅効性を利用しながら、シッポは事故を自在に操っていました。

「事故を目撃した人々は危機意識の低さを自覚し、保険の必要性を再認識する」

この能力を利用して伊藤を死に追いやったシッポ。

しかし十景が奥さんに伊藤の正体を明かさなかった対応には疑問を持っていました。

「十景さん、旦那がクズだって知らせなかったんだ・・・」

「口を慎みなさい、彼は死をもって色欲の罪から解放され保険の恩恵を授かったの、死者には敬意を払いなさい」

「・・・はい」

「我々の仕事は保険によって顧客を救済する事、あの奥さんが夫の美しい記憶と保険金を糧に生きていけるのはすべて保険のおかげなのよ」

こうして任務を遂行したシッポと十景。

しかしまだまだ二人には新たな任務が待っていました。

シッポは十景の命令により、次の保険加入者に不慮の事故を与えていきます。

そんなシッポですが、彼がこの計画に加担していることには過去のある出来事が関係していました。

幼い頃の約束に縛られながら生きているシッポ。

そこに潜む彼の悲し過ぎる事実とは！？

彼の過去に何があったのかは、実際に漫画を読んで確かめてみてくださいね。

『保険加入者に告ぐ。』はこんな人にオススメ

スリリングでミステリアスなサスペンス漫画を読みたい人にオススメの作品です。

本格的なサスペンス漫画でありながら、恐るべき愛憎劇や感動的な人情劇も描いていく物語になっていますよ。

たくさんの見所がギッシリ詰まった『保険加入者に告ぐ。』！

読まないと損をしてしまうほどの傑作になっています。

保険を題材にした戦慄が走る物語を見逃さないでくださいね。

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