『そんな家族なら捨てちゃえば?』のネタバレ(漫画)!

今回は「村山渉」先生の『そんな家族なら捨てちゃえば?』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『そんな家族なら捨てちゃえば?』はこんな漫画(あらすじ)

結婚してから13年が経過した篠谷令太郎は、妻からおかしなルールを押し付けられています。

まず妻と娘に声をかけることが許されていなく、廊下に貼られたセロハンテープを超えることも許されていません。

少しだけ変わったルールだと思い込む令太郎だったのですが、駅で出会った沙耶子という女性にDVかもしれないと指摘されます。

この指摘によって令太郎の環境が変化していくことになるのでした。

家族の再生を目指す青年の奮闘記がテーマの『そんな家族なら捨てちゃえば?』

今回はDVという社会問題にメスを入れたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

村山渉先生のセンセーショナルな物語の世界観を存分にご堪能ください。

 

『そんな家族なら捨てちゃえば?』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

結婚する前の令太郎が未来の妻となる和美と夕日を眺めています。

すると和美がお腹を撫でながら嬉しい報告をしてくれました。

和美
「あのね今日、産婦人科行ってきたの、あのね・・・ここにわたしたちの赤ちゃんいるんだって」

和美は令太郎の子供を身籠っていたのです。

父親になることを伝えられた令太郎は優しく和美を抱き締めました。

令太郎
「あれから13年の月日が経つ、我が家には妻が決めたルールがある、透明なセロハンのテープ、廊下に張られたその線を越えてはいけない」

妻が決めたおかしなルールはこれだけで終わりません。

令太郎は妻と娘と食事を一緒にすることができず、ただいまや行ってきますの挨拶をすることも許されていないのです。

洗面所や風呂は使えるのですがトイレは使用できません。

このようなルールがあるため、令太郎は自宅の一室で孤独な生活を送るようになっていました。

不思議な生活にすっかり慣れてしまった令太郎がいつものように会社へ向かっています。

孤独な環境でも家族の為にお金を稼がなければいけません。

そんなことを考えながら通勤電車を待っていると、平衡感覚を失ってしまい線路に落ちかけてしまいます。

すると眼鏡をかけた女性が腕を引っ張ってくれました。

沙耶子
「危ないですよ」
令太郎
「す、すみません、ちょっと・・・動悸が・・・」

顔色が優れない令太郎のことを沙耶子という女性が待合室に連れて行きます。

しかし令太郎の体調はなかなか回復しません。

沙耶子
「顔色すごく悪いですよ、大丈夫ですか・・・?あの駅員さん呼んできます」
令太郎
「いや・・・あの・・・お構いなく・・・備前焼、美濃焼、信楽焼、点々つけるとなんでしょう」

令太郎が急にクイズを出したため沙耶子は戸惑ってしまいます。

何かを考えている時が落ち着くので、令太郎はクイズ作りが趣味になっていました。

沙耶子はすぐにクイズの答えが思い浮かびます。

沙耶子
「とうき?・・・に点々、動悸、大丈夫ですか?」
令太郎
「正解です・・・謎解きはお好きですか?妻から出された謎をずっと考えてるんですよ、どうしてもわからなくて」

令太郎は沙耶子と初めて会ったような気がしません。

どこか見覚えのある沙耶子に家庭のおかしなルールを話すことにしました。

理由は分かりませんが沙耶子なら話を聞いてくれると思ったのです。

沙耶子
「それDVじゃないですか」

DVと指摘された令太郎はルールについて話したことを後悔しました。

自分の置かれている環境をDVなどと思ったことはありません。

ただ少しだけ変わったルールが存在しているだけだと思っているのです。

体調が回復した令太郎は職場へ向かうことにしました。

翌日、学校へ行こうとしている娘の一花に声をかけます。

令太郎
「一花、お母さんが前好きだって言ってた女優さん知ってる?」

妻と会話するためのきっかけを作りたいのですが、一花は何も答えてくれません。

そのまま出かけようとするので慌てて呼び止めます。

すると立ち止まってくれました。

一花
「お母さんがお父さんとは話すなって」

信じられない事実を伝えると一花が家を出て行きます。

令太郎は娘の後ろ姿を見つめることしかできません。

令太郎
「まさかそんな・・・和美が・・・」

ショックを引きずりながら家の中に戻ります。

すると和美がリビングから出てきました。

長い期間、令太郎と和美は話をしていません。

この状況を改善したい令太郎なのですが、気付かずにセロハンテープを踏んでしまいます。

和美
「テープ踏んでる!話すことなんかないから、一花にも話しかけないで」

怒った和美にガラスのコップを投げつけられてしまいました。

残酷な状況に耐えられなくなった令太郎は家を飛び出します。

妻からコップを投げつけられた令太郎は再び動悸が激しくなっていました。

幸せな未来を誓い合った思い出の橋へ向かうことにした令太郎は、ここで再会した沙耶子に運命を変えてもらうことになるのです。

 

 

幸せな結婚生活が描かれると思った冒頭のシーンから、物語は衝撃的な展開になっていますね。

妻が決めたルールの理由が分からないところも恐怖感を増幅させていると思いました。

精神的に追い詰められた夫が、謎めいた女性と出会ったことで運命を変えていく『そんな家族なら捨てちゃえば?』

斬新なアイディアで家族の形を問いかける衝撃作品です。

令太郎に手を差し伸べる沙耶子の優しさにご注目ください。

後編

動悸が激しくなった胸を押さえながら令太郎が思い出の橋に辿り着きました。

橋の上で思いついたクイズをSNSに投稿していると気分が落ち着いてきます。

沙耶子
「大丈夫ですか?」
令太郎
「どうしてここに・・・」

雨が降りしきる中、沙耶子が橋の上に姿を現しました。

しかし令太郎には沙耶子がどうしてここにいるのか理解できません。

沙耶子
「SNSにクイズ投稿してましたよね、もしかしたらまた苦しんでるのかなって、クイズの答え、この橋の名前になってたでしょう、SOS出してたんでしょう、自分を傷つけるようなそんな家族必要ですか?捨てちゃったらどうですか?」

傘を差し出してくれた沙耶子は令太郎を家に連れて帰ります。

家に着くとずぶ濡れの令太郎をタオルで拭いてあげました。

令太郎
「申し訳ないんですが傘だけ借りてすぐ帰ります、後日返しに来ますので・・・っ」
沙耶子
「雨宿りしていけばいいじゃないですか、きっと通り雨ですよ」

近距離で見つめられた令太郎はドキドキしてしまいます。

しかし妻以外の女性にドキドキしている場合ではありません。

令太郎
「も、もう失礼します、それじゃあ、傘もやっぱりいいです、このまま帰ります」
沙耶子
「あっ待っ・・・死んじゃダメです!」
令太郎
「はっ・・・!?」
沙耶子
「死んだりしちゃダメです絶対!命を大切にしてください!生きていればここから先楽しいことがあるはずです、これまでだって辛いことばかりじゃなかったはず、周りは敵ばっかりですか!?」

沙耶子は自分が味方になれると言ってくれます。

ですが令太郎に死ぬつもりはありません。

令太郎
「僕は自殺しません、するつもりなんて全ッ然ありません」

橋の上から思いつめた顔で川を覗き込んでいたので誤解されてしまいました。

さらに令太郎がSNSに投稿したクイズも沙耶子は気になっているようです。

沙耶子
「さっきのこのクイズ、死思うって不吉すぎますよ、アナグラムですよね、おもいでのふれあいばし」

沙耶子は令太郎が投稿したクイズを解いたので橋に駆け付けてくれました。

無意識のうちに令太郎はSOSを発信していたのです。

令太郎
「解いてくれてありがとうございました、正解です、よくわかりましたね」

沙耶子が不安に感じている通り、令太郎は川に吸い込まれるような意識を感じていました。

無意識のうちに自殺を考えていたのかもしれません。

それでも現在は意識をしっかりと保っています。

自分が大丈夫なことを伝えたのですが、沙耶子は令太郎のことを放っておけません。

沙耶子
「とりあえず上がって待ってて下さい、替えのシャツ買ってきます」
令太郎
「いや・・・そこまでしてもらうわけには・・・」
沙耶子
「わたしが勝手にそうしたいだけです、すぐ帰ってきますから」

沙耶子が出かけてしまったため部屋の中で待たせてもらうことにします。

部屋の中には段ボール箱がたくさん置かれているので、沙耶子は引っ越してきたばかりなのかもしれません。

待っている間に雨が弱くなってきたため令太郎は黙って出て行くことを考え始めます。

しかし考えている間に沙耶子が帰ってきました。

沙耶子はシャツだけでなく肉まんとあんまんを買って来てくれていたので一緒に食べることにします。

令太郎
「これ・・・コンビニで売ってるあんまんですか?」
沙耶子
「え?ええ・・・」
令太郎
「いつも・・・ひとりで食べるコンビニの弁当は味が・・・しなくて・・・」

孤独の中で食べる弁当の味が感じられません。

そのことを知った沙耶子は令太郎が厳しい環境にいることを再認識します。

沙耶子
「好きな人と一緒に食べるとおいしいんですよ!誰にだってほっとできる場所が必要ですよ、わたしはレイタロウさんの味方です、わたしが・・・レイタロウさんのほっとできる場所になれませんか?」

沙耶子はいつの間にか令太郎を支えてあげたいと思うようになっていたのです。

彼女のサポートによって令太郎は普通の家庭環境を手に入れられるのでしょうか!?

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『そんな家族なら捨てちゃえば?』はこんな人にオススメ

家族の裏側に潜んだ闇を表現した斬新なヒューマンドラマになっています。

そのためシリアスなヒューマンドラマを読みたい人にオススメの作品ですよ。

孤独感に苦しむ青年と彼を助けようとする美女のやり取りを描いた『そんな家族なら捨てちゃえば?』

歪な家庭環境が人間の精神を崩壊させてしまうことが丁寧に表現されています。

令太郎の境遇に感情移入しながら物語の世界観に触れてみてください。

 

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