テンペスト(漫画)のネタバレ!阿仁谷ユイジが描く百合の世界は?

今回は「阿仁谷ユイジ」先生の『テンペスト』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『テンペスト』はこんな漫画

西暦2012年、ヒト科の男性が地球上から消滅してしまいます。

社会の機能を動かすことと子孫を残すために重要な存在を失ってしまった女性たち。

しかし男性が消滅してから20年が経つと、新たな繁殖方法を実用化させ人類の滅亡は防ぎました。

新たな世界に残されたのは女性のみで、その数は12億人余りという少なさです。

そんな変わり果てた世界に安斎・イアント・姫(ヒメ)という人間が誕生するのですが、彼は生物学的に男性だったのでした。

地球上で唯一の存在となった彼の物語を描いていく『テンペスト』

今回はこの漫画の魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。

壮大なスケールで描かれるSFファンタジー漫画をお見逃しなく!

 

『テンペスト』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

西暦3992年、男性がいなくなり新世紀としては1980年に水中分娩室で1人の赤ん坊が産声を上げました。

嵐の夜に生まれたこの子は世界中でたった1人の男性だったのです。

安斎・イアント・姫と名付けられたこの赤ん坊は、男性であることを隠しながら中学に進学する目前まで成長していました。

ある日の授業中、飽食の時代だった21世紀の世界から消滅したものは何かという質問をされたヒメ。

ヒメ
「えとっえーと、おとこ・・・あっ、男性が絶滅しました」

前の席に座る皇(コウ)が答えを教えてくれたおかげで、ヒメはなんとか質問に答えることができました。

今度は先生がコウに男性が絶滅した理由を質問してきます。

コウ
「当時、太陽系が公転運動を行う軌道上にはフォトンベルトと呼ばれる磁気嵐群が存在していました」

スラスラと絶滅の理由を答えていくコウ。

さらに彼女は回答を続けます。

コウ
「その強力な磁力がヒトのY染色体を壊してしまって、DNAにY染色体を持つヒト、つまり男性が絶滅するに至りました!」

完璧な回答にクラス中から拍手が巻き起こります。

コウが説明したことが西暦2012年に起きた事件の詳細で、ここから新世紀が始まりました。

日本はこの新世紀から名前を新日本国と改め、国民には納税、勤労、そして出産の義務を課していたのです。

この事実と歴史を知るたびに、ヒメの胸は張り裂けそうな痛みに襲われていました。

女性だけしかいない世界で、唯一男性として生まれてきたヒメ。

このことは誰にも明かすことのできない重大な秘密だったのです。

そんなヒメやコウはもうすぐ中等部への進学を控えていました。

彼女たちの通う学校では進学式が終了すると舞踏会が開かれることになっています。

その舞踏会でパートナーになった2人は永遠に結ばれるというジンクスがありました。

人気者のコウは多くの人からパートナーになってほしいとお願いされています。

しかしコウには心に決めた相手がいました。

コウ
「もう!みんな勝手だわ!私の相手は決まってるのに!ヒメ!おまえが私の子供を産むの」

人前でも関係なく堂々と宣言をするコウ。

そんな彼女に対してヒメは顔を赤らめています。

しかしヒメは本心では悩み苦しんでいました。

家に帰りシャワーを浴びながら自分の身体を鏡で見るヒメ。

ヒメ
「産めないよね・・・」

男性であるという事実がヒメを苦しめているのでした。

 

 

特殊な設定なので理解するのに時間がかかりましたが、物語の意味が分かり始めるとこれほど面白い作品はないかもしれないと思ってしまいますね。

ヒト科の男性が絶滅し女性だけになった新世界では、新たな繁殖方法で人類が存続を続けていました。

そんな中で突然変異とも思える形で誕生したヒメ。

ここまで読んだだけでも奥の深いストーリーだと感じられる『テンペスト』

物語はここからヒメの複雑な心理面を描いていきます。

悩み苦しむヒメに感情移入しながら続きをご覧ください。

後編

自分が男性であることに苦しむヒメ。

するとコウが舞踏会の衣装を持って訪ねてきました。

コウ
「これに真っ白なヘッドドレスをつけるの」
ヒメ
「素敵!絶対似合うよコウー」
コウ
「でしょ、でしょ、そうだ!ヒメも白いドレスにしなさいよ、ふたりで白いドレスを着るの、まるで結婚式よ」

靴とアクセサリーも同じものにしようと提案してきます。

ヒメを自分のお姫様だと信じ切っているコウ。

そんな彼女の姿が、ますますヒメを苦しめていました。

ヒメ
「私なんか!コウにはふさわしくない!私にはコウみたいな華がないから、コウはもっと輝いてる人と子供作った方が良いと思う」
コウ
「不愉快なこと言わないで!いいことヒメ?おまえが言うようにいまの私に華があるのなら、その華はおまえが育ててくれているの!」

コウはこれまでヒメから多くの誉め言葉をもらってきました。

その言葉の数々がコウを美しい女性へと成長させる糧となっていたのです。

しかし対照的にコウがどれだけの誉め言葉を伝えても、ヒメが華を咲かせることはありませんでした。

ヒメ
「ごめんなさい、でも言われるたびに胸が苦しくなるんだ・・・」
コウ
「苦し気な顔をしたヒメもなかなかいいわ」

自らの意思でヒメをパートナーとして選んでいるコウ。

ヒメはその想いに応えたくても応えられません。

1人になるとその苦しみがますます大きくなってしまいます。

ヒメ
「私ではコウの子供は産めないのだ、ドレスなんてこんなもの!偽物の私には必要ないじゃないか!」

ドレスをハサミで切り刻み怒りをあらわにするヒメ。

しかし両親がヒメを優しく諭し始めます。

少し身体の形が違うからといって、そんなことにとらわれていると大切なものを見逃してしまいます。

両親は深い愛情を持ちながらヒメに接しながら、大好きだという気持ちを伝えていきました。

ヒメ
「じゃあコウは?コウも私のことだいすきかなあ?」

両親の愛情を受け取ったヒメは一大決心をすることにします。

髪の毛をばっさりと切り、男性用のスーツでコウの前に現れたヒメ。

ヒメ
「こんなふうに変わってもコウは私を選んでくれる?」
コウ
「・・・迷いなく!」
ヒメ
「じゃあいまから言うことをよく聞いて?コウ・・・私の身体では子供は産めない」
コウ
「それくらいなんてことないわ!私がおまえのぶんまで産むわよ」

ヒメはここで自分が男性であるという事実をコウに伝えます。

するとあんなにも自分を想ってくれたコウが、ヒメの前から立ち去ってしまいました。

誰を恨んでいいのかも分からず、女性でありたいと思う気持ちすら無くなってしまったヒメ。

涙すら枯れてしまったヒメはこの先どのように生きていくのでしょうか!?

この複雑に絡み合うヒューマンストーリーの続きは、実際に漫画を読んでお楽しみください。

 

『テンペスト』を読んだ感想

スケールの大きな物語にただただ圧倒されてしまいました。

何度も読み返してしまう奥の深さには感動すら覚えてしまいましたよ。

唯一の存在だからこそ苦しむヒメの姿も印象的でした。

SFファンタジー漫画の枠を超えた感動作となっている『テンペスト』

多くの人にこの感動を体験してもらいたいですね。

 

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