今回は「Cuvie」先生の『エルジェーベト』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『エルジェーベト』はこんな漫画(あらすじ)
19世紀の欧州では動乱の足音がすぐそこまで迫っていました。
そんな中、エリザベートはオーストリア帝国を統べる皇帝であるフランツ・ヨーゼフからプロポーズを受けます。
しかしフランツと結婚したことによってエリザベートは地獄の日々を送ることになりました。
仰々しい儀式や義母の叱責、そして生意気な女官たちに苦しめられるエリザベート。
すると宮廷内の不協和音を嗅ぎつけたハンガリー独立派がエリザベートとの接触を試みてきます。
独立派が宮廷に侍女として送り込んだイーダとエリザベートの運命とは！？
史実に基づきながらヨーロッパの動乱を描いていく『エルジェーベト』！
今回は壮大なスケールの歴史時代劇についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。
世界史の華やかな表舞台と裏側に潜む陰謀の数々を目に焼きつけてください。
『エルジェーベト』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
1864年、ミュンヘン近郊にあるボッセンホーフェン城で暮らすエリザベートの元に客人がお土産を持ってきました。
お土産が大好きなスミレの砂糖漬けだったためエリザベートは感激しています。
しかしすぐに食べようとはしません。
その様子を侍女のイーダが不思議そうに眺めています。
次と瞬間、お土産を持ってきた客人が銃口をエリザベートに向けました。
エリザベートは日傘に仕込んでいた剣で客人の腕を斬り落とします。
このようにエリザベートが命を狙われるようになった理由を説明するためには時間を遡らなければいけません。
1853年6月、エリザベートはハプスブルク家の当主であるフランツ・ヨーゼフから求婚されました。
ハプスブルク家はハンガリーやチェコなどを含む広大なオーストリア帝国を統べる皇帝陛下です。
フランツ・ヨーゼフのプロポーズを承諾したことでエリザベートは皇后陛下に即位することが決定しました。
結婚から7年後、ウィーンの王宮でエリザベートが身体を鍛えています。
すると侍女が着替えの時間になったことを伝えに来ました。
エリザベートは侍女に乗馬服を用意するよう命じるのですが拒否されてしまいます。
その理由は正午からイタリア戦で亡くなった戦没者の追悼ミサに参加しなければいけないためでした。
しかしこの申し出も断られてしまいます。
侍女によると義母である大公妃が皇帝家族全員での参加を求めているということでした。
エリザベートは仕方なく追悼ミサへ参加することにしたのですが、侍女の態度が気に入りません。
侍女が自分を馬鹿にするような態度もエリザベートを苦しめているのです。
エリザベートが着替えをしている頃、追悼ミサが行われる教会では参加者が彼女の噂話をしていました。
実は最近までエリザベートは咳の発作を治すためウィーンを離れ療養していたので、公務に参加していなかったのです。
しかし療養地では乗馬などをしていたため、公務を疎かにしていると思われていました。
参加者がエリザベートの噂をしていると、皇帝陛下の一家が教会に姿を見せます。
今回の追悼ミサに参加したのは皇帝陛下と皇后陛下、そして皇帝の母であるゾフィーを含めた7人でした。
皇帝陛下の一家を見た参加者はエリザベートの美しさに見惚れています。
ですがその反面でバイエルンの薔薇と称された美しさが失われたと語る参加者もいました。
このような視線を感じているうちにエリザベートは咳の発作を起こしてしまいます。
夫である皇帝陛下は心配してくれるのですが、義母のゾフィーからは仮病を使っていると侮辱されました。
周囲からの蔑む視線を受けながら会場を出ようとするのですが、エリザベートは意識を失ってしまいます。
結婚してから7年間、エリザベートはどのような災難に巻き込まれているのでしょうか！？
皇后陛下に即位したことでがんじがらめの生活を送ることになったエリザベートの苦悩がとても伝わってくる内容ですね。
また皇帝陛下の妻であるにもかかわらず義母に生活を支配されている点が気の毒でした。
華やかな歴史の裏側にスポットを当てていく『エルジェーベト』！
ここから物語はエリザベートを政治利用する謀略が描かれていきます。
エリザベートのことをエルジェーベトと呼ぶハンガリー人の思惑に注目しながら続きをご覧ください。
後編
追悼ミサの最中に意識を失ったエリザベートは自分のベッドで婚礼した時のことを思い返しています。
エリザベートはその美しさからバイエルンの薔薇と讃えられ、誰もが皇帝陛下と皇后陛下を美男美女のカップルだと称賛しました。
このように理想的な男女が率いるオーストリア帝国の未来は安泰だと言われたほどです。
セレモニーは非常に堅苦しく、またエリザベートには理解不能な儀礼が次々と執り行われました。
さらに長々と続く大司教の説教や晩餐会やパレードの回数は数え切ることができません。
そして当時15歳だったエリザベートを最も苦しめたのが大勢の宮廷人から向けられる容赦のない視線でした。
悪夢の中にいると思うエリザベートが目を覚ますとフランツ・ヨーゼフが心配そうにこちらを見つめています。
これまで我慢していた鬱憤を思わず爆発させてしまいました。
田舎で生まれ育ったエリザベートには宮廷での生活が耐えられないのです。
フランツは妻の容体を心配しながら離婚は考えていません。
また医者と話し合った結果、エリザベートに再び療養させることを決めていました。
療養地についてマディラ島を勧めるのですがエリザベートは別の場所を希望してきます。
エリザベートは本能からハンガリーに惹かれていました。
しかしフランツは納得してくれません。
ハンガリーならエリザベートはオーストリアとの橋渡しに尽力することができます。
その点を説明するのですがフランツは猛反対してきました。
こうしてエリザベートは侍女を交代させることにします。
侍女にはハンガリー人という条件を付けました。
エリザベートがハンガリー人の侍女を探していることは、ハンガリー独立派の耳にも入ることになります。
独立派はその美貌とカリスマ性を持つエリザベートを引き込めば、自分たちの計画を進めやすいと判断しました。
そのために侍女としてエリザベートに仕えることになったのがイーダなのです。
こうしてエリザベートとイーダは仮の主従関係を結ぶことになりました。
果たしてハンガリー独立派の計画は成功するのでしょうか！？
『エルジェーベト』はこんな人にオススメ
歴史時代劇が好きな人にオススメの作品になっています。
世界史に興味がある人ならより一層魅力を味わえると思いますよ。
陰謀が渦巻く世の中を必死に生き抜いた女性たちの人間ドラマとなっている『エルジェーベト』！
現代ではあり得ない設定だからこそ楽しめるはずです。
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