十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる(第3話)!

今回は「原作 氷純 漫画 しゅーかま」先生の『十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる』はこんな漫画(あらすじ)

異世界に転移してから10年目で地球への帰還を諦めたトールは、冒険者ギルドのウルベンから軟禁されている双子のユーフィメーリィの救出を依頼されました。

無事に双子を出会えたのですが、ユーフィとメーリィからウバズ商会と魔百足が関わっているであろう金密輸の手口を暴いてほしいとお願いされます。

双子の強い覚悟を知ったトールは罪を暴くため動き出しました。

トールの聞き込みと双子の豊富な知識によって金密輸の手口を突き止めることができましたが、魔百足のリーダーであるウェンズが激しく抵抗してきます。

ウェンズが圧倒的な戦闘力を見せる中、トールが魔百足のメンバーを一瞬で撃破しました。

赤雷と呼ばれるトールの実力とは・・・!?

一人ぼっちだから強くなれたトールの実力が明らかになる『十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる』

今回は金密輸が解決する第3話と新たな旅立ちを描く第4話の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

トールの圧倒的な戦闘力の秘密に驚いてみてください。

 

『十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第3話

トールが転移した異世界には冒険者の評価について、ランクと序列という二種類が存在しています。

ランクは昇格条件によって区分されていて、ギルドが依頼の割り振りを最適化するために作られました。

AランクはBランク以上かつ五人以上のパーティで相応の実績を上げた者達、Bランクは武装にエンチャントが可能である者が条件になっています。

対して序列は純粋な実力や実績のみで番付されていました。

序列には個人やパーティを問わず五十位までが格付けされています。

ランク制度では埋もれてしまう能力の冒険者を明確にするためできた序列制度でしたが、そのほとんどを圧倒的な実力者たちのAランクが独占するようになっていました。

しかしその中でAランク昇格条件であるパーティを組まないがために、ソロBランクのまま序列している者が三名だけ存在しているのです。

個人最強戦力と謳われる序列三十二位“俯瞰”、序列十九位“百里通し”、そして序列十七位・・・“赤雷”という二つ名で呼ばれるようになっていました。

ウェンズ
「な・・・何故こんなところにお前が!それに・・・なんだその得体の知れない武器は!」
トール
「ああ、これは鎖戦輪って名付けた俺の特注武器だ、見せれば馬鹿にされ振るえば変人扱いされるがな、それでも冒険者として死に物狂いで活動した俺の九年間の集大成だ」

赤雷が目の前に現れたことでウェンズは戸惑っています。

二つ名からしても電撃を使うことは予想できますが、トールが持っている不思議な形状の武器をどのように扱うのかが分かりません。

ウェンズ
「全く得体が知れん・・・が!引き下がるつもりは毛頭ない!例え序列持ち相手だろうが・・・連携を組めば後れは取らんぞ!」

拘束を解かれた魔百足の幹部たちがウェンズの元に集合しました。

ウェンズの実力は頭一つ抜けて脅威ですが、魔百足は連携力を本領としていて緻密に連携した様子はまるで一体の生物のようです。

ですが赤雷のトールには通用しません。

またしても一瞬で幹部たちを吹き飛ばしました。

そして電撃で幹部たちを焼き払います。

ウェンズ
「終わる・・・のか?今度こそ・・・俺は・・・ここで・・・」

ウェンズはこれまで冒険者として生きてきたため、それ以外の生き方を知りません。

ですが魔物に左腕を奪われ冒険者として生きられなくなってしまいました。

そこに現れたのがハッランで、高価な魔機手と魔機足を賄う代わりに金密輸に手を貸せと持ち掛けてきたのです。

ハッランという悪魔に利用されているだけだとウェンズは気づいていましたが、冒険者として再び戦えるのなら罪を犯しても構いません。

ウェンズ
「俺達はただ・・・ただ感謝しているのだ、この恩義のためになんとしても一矢報いる!」
トール
「おいおい、まだそんな奴のためにやる気なのかよ」
ウェンズ
「腐ってるには腐ってるなりの仁義があるんだ」

トールの攻撃速度が異次元なので、まずは風魔法を使って動きを止めにかかります。

そして鎖戦輪を弾きますが、鎖戦輪はトールが振ってもいないのにウェンズに絡みついてきました。

ウェンズはここでようやくトールが磁力を操っていることに気付きます。

トールは鎖戦輪に施されたエンチャントで磁力を発生させていました。

鎖と戦輪それぞれの磁場を操ることで反発力吸引力を調整し、腕を動かすことなく鎖戦輪を複雑に操っているのです。

本来ならあり得ないような微細な魔力コントロールを実現させたのは、帰還する方法を死に物狂いで探し回った九年間の濃密な経験でした。

トール
「だから言ったろ、集大成だって」
ウェンズ
「くそっ・・・誰だよ・・・こんな化け物と俺達が同列なんて嘯いた奴は・・・」

格の違いを見せつけられたウェンズにもう戦う力は残されていません。

最後に残ったのはハッランだけです。

ハッラン
「おいウェンズ!一体何してるんだこの無能!魔機手を与えてやった恩を忘れたのか!本当にどいつもこいつも無能ばかりだ!俺は蓄えた金を元手に新しい商会を始めたかっただけなのに!」

ハッランは双子と結婚してお金をさらに稼ぎ、無能を排除した新しい商会を作るつもりでした。

自分の役に立たない人間はハッランにとって全て無能なのです。

しかし悪事を働いたハッランの望みが叶うことはありません。

トール
「そういうお前みたいな奴を無能っていうんだよ」

電撃でハッランを成敗しました。

こうしてダランディを不景気にさせた金密輸は解決したのです。

ユーフィ
「それにしても驚きました、まさかトールさんが赤雷だったなんて」
トール
「訊かれなかったしな、それに二つ名とか恥ずかしいし、戦闘スタイルバレバレの名前だからできれば言いたくなかったんだ」

決着がついて一安心したトールは、二日連続で徹夜したため眠くなってきました。

最強の赤雷でも睡魔には勝てないようです。

ユーフィ
「改めて・・・トールさんのおかげです」
メーリィ
「本当に・・・ありがとうございました」

トールが帰ると座っていた場所に手帳が落ちていました。

翌朝、手帳の中身を見た双子がトールが宿泊している宿に向かいます。

そして起きたばかりのトールに突進しました。

ユーフィ
「トールさん!」
メーリィ
「私達に投資しませんか?」

いい感じでお別れしたはずの双子はトールに何を投資してもらいたいのでしょうか!?

 

 

九年間も諦めずに冒険したことによって、個人最強戦力まで上り詰めたトールの努力に感動しました。

噂通りの戦闘力で見事に金密輸を解決して双子を喜ばせることもできましたね。

大迫力のバトルシーンとヒューマンドラマが楽しめる『十年目、帰還を諦めた転移者はいまさら主人公になる』

第4話から新たな物語の幕が上がります。

双子の存在によってトールの十年目に光が照らされますよ。

第4話

トールは食事をしながら双子の話を聞くことにしました。

トール
「なぁ・・・本当に投資なんて胡散臭い話をするために突撃してきたのか?わざわざ泊まってる宿まで割り出して・・・」
ユーフィ
「胡散臭いとは失礼ですね!私達は完全にクリーンで安全!ホワイトです!」
メーリィ
「ですがそうですね、先に報告の方を済ませてしまいましょう、ウバズ商会に沙汰が下りました」

事態が事態だったこともあり早急に沙汰が下されたそうです。

まずハッランやウェンズ達魔百足と現ウバズ商会従業員など金密輸に関わった者は禁固刑、そしてウバズ商会には賠償金が課せられました。

賠償金はクッズム金貨二千七百枚で、これは日本円に換算するとおよそ十六億二千万円になります。

双子はひとまず手持ちの資産や落ち物を賠償金に充てましたが全額は支払えません。

そこでウバズの土地や建物を競売にかけて賠償金を払い切る予定です。

ユーフィ
「ウバズはもう潰すしかありません、どちらにせよ信用も従業員も資金もないですから・・・」
トール
「それでお前達はどうするつもりなんだ?行く当てもないだろ?あ、いや支部長がいるか」
ユーフィ
「ええ、確かに養子にならないかと誘われてはいますが・・・」
メーリィ
「私達は旅に出ようと考えています」

以前からユーフィとメーリィは様々な地を自由に巡って見識を広げたいと考えていました。

特に落ち物関係を学びたいのです。

ユーフィ
「しかし・・・年ごろの見目麗しい少女二人だけでは旅は危険・・・」
メーリィ
「だというのに今の私達に護衛の冒険者を雇うお金もありません」
ユーフィ
「そこで先ほどの投資のお話です!私達の護衛という投資をしていただければトールさんが抱えている問題を解決してみせましょう!」

見目麗しいと自分で言うところに呆れていると、投資の内容が護衛だと説明されました。

ですが投資の見返りには見当がつきません。

トール
「俺が抱えてる問題・・・?・・・の解決??一体何言って・・・」
ユーフィ
「・・・とその前に、落とし物ですよトールさん、昨日ウバズに忘れていったでしょう」
トール
「なんだよ、脈絡もなく急に・・・しかし俺何か落とし・・・これ・・・俺の日誌・・・」

トールは地球への帰還方法記録して整理するため日誌を書いていました。

帰還を諦めた今となっては重要なものではありません。

しかし落ち物が好きな双子は目を輝かせています。

ユーフィ
「まさかトールさん自身が落ち物だったなんて!なんで言ってくれなかったのですか!」
メーリィ
「いえ、それよりも自動車なるものの乗り心地は一体どんな感じなんですか!?テレビゲームというものについて詳しく!」

好奇心の塊のような双子に日誌を見られたことは大問題でした。

トールは矢継ぎ早に質問されることが面倒なので、投資について詳しく説明して欲しいとお願いします。

ユーフィ
「・・・とまぁトールさんへの興味は尽きないわけですが・・・何より興味深いのは再び突然転移してしまうかもしれない不安です」

日誌には不安のせいで異世界に馴染めなかったと書かれていました。

また九年もの間、帰還する方法を探し続けていたことも日誌を読んで分かったことです。

トール
「ああ、おかげでぼっち極めてソロBランクで序列持ちにまでなっちまったよ、だけどそれももう終わりだ、実際九年間も転移がなかったんだ、もうあんなことは起こらない、そういう前提でこの世界に生きると決めたんだからな」
ユーフィ
「しかしそれでもまだ不安は解消されていない、前振りが長くなってしまいましたが」
メーリィ
「そこで提案したいのが今回の投資です、トールさんが護衛という投資をしていただけるのなら、地球を知りかつその不安を理解している私達がその難問を必ず解決してみせましょう」
ユーフィ
「旅の中でトールさんがこの世界にいたいと思える場所を、不安を忘れるくらいの居場所を私達と一緒に見つけましょう、もし見つからないなら一緒に作りましょう」

ユーフィとメーリィは建物の屋上へ行くため階段を上り始めました。

階段を上りながら夢を熱く語り続けます。

メーリィ
「私達の知識はその役に立つはずです、そしてお約束します」
ユーフィ
「私達との旅はまた転移するかもしれないなんて不安も、その不安に苛まれ続けた九年間もすべて吹き飛ばすくらい最高に刺激的な十年目になることを!」

屋上に着くと双子が両手を広げました。

両手の先には美しい風景が輝いています。

トール
「ぷっ、ははははは!最高に刺激的な十年目ね!とんでもない投資話もあったもんだ!九年間の悩みをなんとかしてやるから一緒に旅しようなんてやっぱり胡散臭いにもほどがあるだろ」

大笑いしましたが双子となら悩みを解決できると心の底から思えていました。

トールは帰還を求めて苦しんだこの異世界を、今度は独りではなく三人で楽しむことにします。

最初の行先はダンジョン街フラーレタリアに決定しました。

ユーフィ
「数日もお待たせして申し訳ありません、トールさん」
メーリィ
「無事ウバズ関係の諸々の手続きも終わって準備できました」

フラーレタリアはダンジョンを経済基盤とした唯一の街です。

ダンジョンに向かう目的はトールの心許ない手持ちを充実させるためでした。

心配するあまり号泣してしまったウルベンに見送られながら三人が旅立ちます。

トール
「しかしこの時は思ってもみなかった、このフラーレタリアで金密輸以上の出来事に見舞われることを、そしてこのダンジョン街を俺達の手で滅ぼすことになろうとは」

三人を待ち受ける衝撃的な出来事とは・・・!?

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