少年Yのネタバレ！究極の選択をテーマにした漫画の魅力は？

今回は「原作 ハジメ　作画 とうじたつや」先生の『少年Y』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『少年Y』はこんな漫画(あらすじ)

中学2年生の栗原ユズルは転校先の学校で友達ができるかどうか不安を感じていました。

自分には特別な才能がないため、友だちができない人だと思われることを恐れているのです。

そんな彼が不安を抱えたまま転校先のクラスに顔を出すと、生徒全員が亡くなっていました。

状況が理解できないユズルの前に神様の見習いだと名乗るワビコという女の子が現れます。

ワビコから究極の選択を迫られることになったユズルの運命とは・・・！？

平等な命など無いことを表現していく『少年Y』！

今回はミステリアスなサスペンス漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

人間の命について斬新な切り口で迫る物語を手に汗握りながらご堪能ください。

『少年Y』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

子供の頃、ユズルは蟻の身体をオモチャのように扱っていました。

足をむしり取ることに楽しさを感じていたのですが、誤って胴体をちぎってしまうユズル。

この時の彼は蟻の身体が頑丈にできていないことを不満だと感じていました。

「神様の設計ミスじゃないかな、おっちょこちょいなんだよ神様は、トンボの頭も取れやすい、そうは思わない？」

中学2年生になったユズルが幼かった頃の夢を見ていると、携帯に電話がかかってきます。

着信音で目を覚ましたのですが、電話はすぐに切れてしまいました。

「ケータイって言ってもネットやるくらいしか使ってないなあ」

目を覚ましたユズルは学生服に着替えてから転校先の学校へ向かうことにします。

両親には友達ができるから大丈夫だと伝えたユズルだったのですが、通学路を歩きながらどうしようもない不安に襲われていました。

「怖いのは友達ができないことじゃない、友だちができない人だと思われることだ」

友達を作ることができないと思われてしまった場合、教室内のカーストで最下層のポジションに追いやられてしまいます。

細かいことを考える性格のユズルは最下層に追いやられることを恐れていました。

「才能がある奴はいい、ずば抜けて勉強ができるとかスポーツができるとか、1人でいても孤高の一言で周囲を納得させられる」

しかしユズルには特別な才能はありません。

普通の中学生が孤高を気取ることの滑稽さを知っているユズルは、自分から新たなクラスメイト達に馴染んでいくしかないのです。

そんなユズルが学校へ到着すると、校舎の中から1人の女子がこちらを見ていることに気がつきました。

思わず目を合わせてしまうのですが、女子はすぐにどこかへ行ってしまいました。

「ヤベ！ついじっと見てしまった・・・気味悪がられたか？」

女子と視線が合ったため胸のドキドキが止まらなくなってしまいます。

ですがこのドキドキは一目惚れなどではなく、転校初日の緊張感からくるものだと思うことにしたユズル。

まずは職員室へ挨拶に行くことにしました。

先生からは活気あるクラスだからすぐに馴染めるだろうと言われます。

「活気あるクラスは鬼門だ、すでにそれぞれのポジションや全体の雰囲気が出来上がっていて入り込みづらい」

教室に案内してもらう途中、先生が出席簿を職員室へ取りに戻りました。

先生を待っている間、ユズルは教室の近くで中の様子を伺うことにします。

教室からは先生が言っていた通り活気ある声が聞こえてきました。

「クラスで上手くやるにはこのノリを許容し続けなくてはいけない・・・」

果たしてユズルは教室の雰囲気に馴染むことができるのでしょうか！？

細かなことを考えすぎる性格の主人公が印象的でした。

表面的には普通を装おうとしているのですが、内心ではドキドキしている小心者な姿には好感が持てますね。

主人公の心理状態を丁寧に描写している『少年Y』！

ここから考えすぎな主人公が究極の選択を迫られることになります。

彼に命のランク付けを求めるワビコの姿に注目しながら続きをご覧ください。

後編

ユズルは教室の外からクラスの様子を探っているうちに、馴染もうとする努力すら面倒くさいと感じるようになっていました。

「一瞬どうでもよくなってしまった」

そんな彼のことを職員室から戻ってきた先生がクラスメイトに紹介しようとします。

ドキドキしながら教室へ入るユズルだったのですが、彼が入った教室には信じられない光景が広がっていました。

「え・・・？ドッキリ？いや・・・これはどう見ても・・・」

先生と生徒たちが全員死んでいたのです。

驚きのあまり絶叫しているとユズルの携帯に電話がかかってきました。

画面を見てみると朝に着信があった番号だったため出てみることにします。

「四方から壁が迫ってくる部屋って物理的に可能だと思うか？」

ユズルには質問の意味が理解できません。

「女の子の声・・・？ただのイタズラか・・・電話に出てる場合じゃない！」

電話を切って助けを呼ぼうとするのですが、すぐに同じ番号から電話がかかってきます。

「なぜ切る？四方から壁が迫ってくる部屋って、壁の側面が隣の壁とぶつかり合って引っかかってしまうと思うのだが・・・」

「誰だ？近くにいるのか？」

ユズルは質問をしながら周囲の状況を確認しようとするのですが、死体が多すぎて足の踏み場がありません。

「全員死んでいるぞ」

「お前何者だ！？何か知ってるのか！？」

「えーと・・・私は神さまです、ちょっと天井を見てみよ」

指示された通り天井を見てみると、クラスメイト達の魂が浮かび上がっていました。

怯えるユズルが外に出ようとするのですが教室の扉は開きません。

「どーなってんだ！？何だよ神さまって、お前の目的は何なんだ！？何でオレがこんな目に・・・」

「神さまの目的・・・？決まってるだろう、願い事を叶える・・・これはその結果だ」

「願い事？願い事だと？どんな願い事だよ！こんな願い事・・・あるわけ・・・」

ユズルが教室の後ろ側を見てみると、登校してきた時に目が合った女の子の姿がありました。

「あるのだ、私には理解できんがな」

「あ・・・お前・・・さっきの・・・」

「私の名前はワビコ、正確に言えば神さまではなく神さま見習い・・・上の神さまからある指示を受けてここへ来た」

余裕たっぷりのワビコなのですが、ユズルには彼女の言っている意味が良く分かりません。

「願い事とか神さまの指示とか・・・いきなり言われて信じられるわけないだろ、じゃあオレは何なんだ？巻き込まれただけか？」

「栗原ユズル、お前は何もわかっていないのだな、これはお前の願い事だ、教室に入る前、座り込んでいた時願っただろう、クラス全員死ねばいいのに・・・と」

人間関係の構築を面倒だと感じたユズルは、ワビコの言う通りクラスメイト達がいなくなればいいと願っていました。

「なんだよそれ、知らない、オレはそんなこと思ってない」

「思ったのだ、思ったからこうなった、お前の他人に対する恐怖心がこの状況を作り出したのだ」

「いいがかりだ！そ・・・そりゃ不安でチラッと考えたかもしれないけど、願い事なんて・・・」

ワビコはクラスメイト達の身体を踏みつけながらユズルに近づいてきます。

「ところで四方から壁が迫ってくる部屋の謎は解けたか？」

謎を解くことができたらユズルの疑問を1つ解決すると提案してきました。

ユズルは冷静さを取り戻しながらワビコの提案を受け入れることにします。

「壁を互い違いに組ませればいいだけだろ、スライドしながら四方の壁が迫るようにできる」

「嗚呼・・・くだらぬ、答えのある問題とは正解がわかるとガッカリするものだな、入口に蟻の死骸があっただろう、拾ってこい」

「これをどうするつも・・・！？」

ユズルが蟻の死骸を渡すとワビコが蟻を生き返らせました。

この行動で自分の能力を示したワビコは、机の上にタイマーが付いたサボテンを置いていきます。

「5分間時間をやる、あなたはこの教室内でスクールカーストの頂点に立っています、時間内に生き返らすべき価値のある人間を1人だけ選んでください、その人間を生き返らせてあげます」

「は？何だよそれ・・・1人だけって・・・生き返せるんならその能力で全員生き返せよ！全員顔も名前も知らねえんだぞ！選べるわけねえだろ！そんな見ず知らずの人間の命に順番を付けるようなマネ・・・」

「付けるようなマネじゃない、順番を付けろと言ってるのだ、これからの正義の話をするつもりはない、個人の主観でなら人の命に順番は付けられる」

こうしてユズルはワビコの命令によって、顔も名前も知らない人たちの命について順番を付けることになったのです。

サボテンに付けられたタイマーがカウントダウンを終えると全員の命が失われてしまうこの状況に対して、ユズルはどのような判断を下すのでしょうか！？

緊張感がマックスになっていくここから先の展開は、実際に漫画を読んでお確かめください。

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2019.04.30

『少年Y』はこんな人にオススメ

スリリングなサスペンス漫画を探している人にオススメの物語です。

現実世界で悩みを抱えている主人公が突然無理難題を突き付けられる姿に注目してみてください。

究極の選択を迫られた主人公の姿をインパクト抜群に描いていく『少年Y』！

神さまの見習いとして主人公を振り回すワビコも印象的なキャラになっています。

2人の哲学的なやり取りに注目しながら物語を楽しんでみてください。

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