最後の医者は雨上がりの空に君を願うのネタバレ(漫画)!

今回は「原作 二宮敦人 漫画 すがはら竜」先生の『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』はこんな漫画(あらすじ)

医師の桐子修司は難病の患者に死を受け入れて、残りの日々を大切に生きることを説いてきました。

一方の福原雅和は患者の命を諦めるようなことはしません。

対立していた2人はある手術をきっかけに別々の道を歩み始めました。

しかし桐子と福原は再会する宿命を背負っていたのです。

正反対の医師が織り成す人間ドラマとは・・・!?

大人気シリーズの完結編となる『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』

今回は感動的な医療ドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

異なる考え方の医師が病気と向き合う様子から命の重みを感じ取ってください。

 

『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

看護師の神宮司千香が新しく勤務する診療所を訪ねてきました。

ドアをノックした神宮司を医師の桐子が出迎えます。

神宮司千香
「桐子先生・・・まさかここが私たちの診療所なんですか?」

中に入ってみると診療所なのに電子カルテもパソコンもありません。

さらに複合機も用意されていないので、仕事ができるのか不安を感じます。

桐子修司
「事務は全部紙でやる、処置に必要な最低限のものは筆箱に入ってるし、減菌はコンロと圧力鍋でやろう、病院を追い出された身だからね、自由診療から始めるよ」

桐子と神宮司、そして福原は勝手な手術をした結果、院長を敵に回してしまいました。

院長を敵に回した桐子と神宮司は病院を追い出されてしまったのです。

しかし桐子はクビになったことをあまり気にしていません。

神宮司千香
「だけど待合室や処置室はどうするんですか?」
桐子修司
「この辺に模造紙でもぶら下げて仕切ればいいじゃないか」
神宮司千香
「そ・・・そんな」
桐子修司
「この街で僕たちの存在が必要とされるならやがて設備は整っていくさ、僕はそういう土台のもとで医者をやりたい」

そんな桐子と神宮司はあるチャラ男の死と向き合う運命を背負っていました。

チャラ男の名前は溝口駿太といい、彼女の原美穂と同棲してから5年が経っています。

駿太は美穂が自分にベタ惚れだと思っているのですが、勘違いだということを思い知らされることになりました。

原美穂
「おかえり駿太、まだ具合悪いの?最近ずっとだね、病院行った?」
溝口駿太
「うるせぇな、俺は医者が嫌いなんだよ」

夜遊びして帰ってきた駿太がいつものように強気な態度で接します。

いつもはすぐに引き下がる美穂なのですがこの日は様子が違っていました。

原美穂
「駿太、私大事な話があるの、あのね駿太!ねぇ駿太ったら」

結婚の話だと思った駿太は美穂を無視します。

すると美穂が机の上に薬を置きました。

溝口駿太
「・・・何それ」
原美穂
「ジスロマック、クラミジア、性病の薬だよ」

バイト先の先輩と散々夜遊びしていた駿太は、別の女性から性病を移されていたのです。

美穂は他の男性と関係を持ったことがないので、美穂から移したとは考えられません。

溝口駿太
「俺じゃねぇよ!それにほら!エッチ以外にも移る可能性ってあるだろ!?」

他の原因もゼロではありませんが、クラミジアはほとんどが粘膜接触で感染する病気です。

性病を移された美穂は自分の分だけしか薬を貰ってきていません。

原美穂
「あとね、そこでひととおり性病検査してもらったんだけど私HIV陽性だった、間違いなく駿太も感染してるよ」

美穂の衝撃的な告白を受けた駿太は膝から崩れ落ちてしまいます。

ショックを受けながらようやく事態を重く受け止め始めました。

溝口駿太
「HIV・・・HIV陽性ってエイズってやつか、美穂がエイズ?いや俺も!?俺エイズで死ぬのか!?」

混乱していると美穂が荷物をまとめていきます。

ベタ惚れしていると思っているのは駿太の思い上がりでした。

原美穂
「どうせ駿太は病院行かないんだろうからこれは餞別ね、HIV検査キット、ごめんね、私ができるのはもうここまで」
溝口駿太
「ちょ、ちょっと待てよ美穂、オイ」

駿太と別れた美穂は行くあてがなくフラフラと街を彷徨い歩きます。

気付くと実家の前に立っていました。

しかし親の反対を振り切って同棲を始めたので今更帰ることはできません。

すると偶然母親が買い物から帰ってきました。

美穂はHIV陽性だったことを母親に打ち明けます。

母親は昔のように優しく美穂の頭を撫でてあげました。

原美穂
「ママ・・・ごめんなさい私・・・私ママみたいにお母さんになれない、子どもも産めない!私彼となら幸せになれると思ってたのに、エイズだよ!?死んじゃうんだよ!孫を見せてあげることもできない、なのに・・・」

自分を叱らない母親の優しさに触れた美穂は涙が止まりません。

このまま美穂はエイズを発症してしまうのでしょうか!?

 

 

自分の信念を曲げない桐子には相変わらずのカリスマ性を感じますね。

そんな桐子や正反対の福原が今回向き合う病はHIV感染症です。

全く異なる診察方法で患者を導いていく『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』

感動できるだけでなく病気についての詳しい知識も学べる物語になっています。

まずは福原がどのように患者と接するのかご注目ください。

後編

ある手術をきっかけに院長の父親に逆らった福原は、ほとんどの仕事から外されている状態です。

しかし福原は全く後悔していません。

もっと力をつけてこの病院を手に入れると意気込んでいました。

そんな福原のところに感染症科の医師が相談にやって来ます。

内容はHIV陽性の患者が福原を指名しているというものでした。

ですが福原は元々外科を担当していたので感染症は専門外です。

それでも感染症科の医師が身内のいがみ合いを心配してくれたお礼に患者を診察することにしました。

原美穂
「原美穂です、あなたが福原先生でまちがいありませんよね」
福原雅和
「そうですが」
原美穂
「先生は最後まで誤魔化さず一緒に病気と闘ってくれるお医者さんと聞いてどうしても診てもらいたかったんです、私はあとどれくらい生きられるんでしょうか」

美穂は母親になりたいという夢を語り始めます。

HIV陽性だと知った時は死にたくなりました。

しかし母親が美穂を許してくれたことによって気が変わったのです。

許されるのならば残された時間を自分の夢を叶えるために使うと決めました。

ですが調べてみるとエイズ患者は余命が2年ほどしかありません。

死亡率も90%以上という高い数字です。

そこで美穂は福原に残りの時間を少しでも作ってほしいとお願いしました。

福原雅和
「どうしてそこまでお母さんになりたいのですか?」

自分の母親みたいになりたいと思ったことが最初のきっかけです。

しかし今はそれだけではありません。

原美穂
「生きたいって思うことが産みたいに繋がっているような」

美穂は子宮の奥から湧き上がってくるような感情に突き動かされたのです。

その気持ちを知った福原は美穂の質問に答えることにしました。

福原雅和
「あとどれくらい生きられるか・・・でしたね、そしたら生きましょう、50年でも100年でも、家族を作って子どもも産んでお母さんになりましょう」
原美穂
「えっ!?」
福原雅和
「HIVについてどこまで説明を受けましたか?」
原美穂
「いえまだほとんど何も」

まず福原はHIVについて正しい知識を身に付けさせることにします。

現在の美穂はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した状態で、彼女はこの状態がエイズだと思い込んでいました。

HIVというウイルスは放っておくとどんどん増えていき、身体の防衛機能を破壊していきます。

次々と防衛機能を破壊されると普通なら平気なカビや微生物にも感染してしまうのです。

福原雅和
「その結果23種類のエイズ指標疾患という病気にかかって初めてAIDS、後天性免疫不全症候群と呼ぶようになります」
原美穂
「じゃあ私はまだ」
福原雅和
「危険な状態ではありません、それをふまえてこの血液検査結果を見てください、HIV・RNA量という項目がありますね」

少しずつHIVの基礎知識が分かってきたところで血液検査の結果を見せました。

ただし結果は良好なものではありません。

原美穂
「あのぅ・・・随分たくさんいませんか?」
福原雅和
「大丈夫、抗ウイルス薬でやっつけますから」

ウイルスさえいなくなれば普通の生活を送ることができます。

美穂が望むように出産も可能ですが、少し危険があるので母乳はあげられません。

原美穂
「よ・・・よかった・・・もっと恐ろしい病気だと思ってました」
福原雅和
「噂やデマはもちろん医学の進歩で古くなった情報も多いんです、正しい知識をつけて冷静に対処していけば闘えます、一緒にがんばっていきましょう」

丁寧な説明をしてくれた福原の下で美穂は治療をスタートさせることにしました。

ここから桐子と福原、そして美穂と駿太の運命が少しずつ変わっていくことになるのです。

難病は彼らにどのような変化をもたらすのでしょうか!?

前作『最後の医者は桜を見上げて君を想う』に関する記事はこちらです↓↓↓

『最後の医者は桜を見上げて君を想う』のネタバレ(漫画)!

2021.04.08

 

『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』を読んだ感想

多くの患者が福原のような医者と出会いたいと願っているのではないでしょうか。

しかし冷静で冷たく思える桐子も決して悪い医者ではありません。

強い信念を持っているからこそぶつかり合う2人の運命を描写した『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』

病気だけでなく複雑な人間関係も題材にしている読み応えのある物語です。

自分なら最期はどんな形で終わりたいか考えながら読んでみてください。

 

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