今回は「安島薮太」先生の『クマ撃ちの女』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『クマ撃ちの女』はこんな漫画(あらすじ)
ライターの伊藤カズキはクマ撃ちの実態を調査して本を出版することにしました。
彼が密着取材する対象に選んだのは女性猟師の小坂チアキです。
打合せを始めると会話の流れから、チアキの狩猟へ同行することになりました。
しかし山中で行われるクマ撃ちは素人が容易に同行できるほど生易しいものではありません。
果たしてチアキのクマ撃ちではどんなハプニングが巻き起こるのでしょうか!?
狩猟の本質に迫っていく『クマ撃ちの女』!
今回は人間と野生動物の戦いをテーマにした物語の第3話と第4話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。
クマ撃ちの過酷さを体感してみてください。
『クマ撃ちの女』の魅力紹介(ネタバレ含む)
第3話
伊藤カズキが出版社を辞めてライターになってから約1年が経過しています。
しかし企画が地味だと言われ続け、まだヒットするような出版物を書けていません。
そこで目をつけたのがブームになっている狩猟という題材だったのです。
クマ撃ちの同行取材することになった伊藤カズキがチアキの車に乗り込みました。
朝が早いためまだ周辺は真っ暗闇です。
熊や鹿が獲物なので車には大きな荷台が欠かせません。
長期ローンで車を購入したチアキは取材のギャラが気になってきました。
しかし現在はギャラが発生する状況ではありません。
もしも100万部売れたらチアキには1000万円が入ることになります。
俄然やる気が出てきたチアキなのですが、本当は出版の可能性すら怪しい状況でした。
どうしても取材したいため伊藤カズキは出版の可能性が低いことを隠しているのです。
狩猟だけで生計を立てるのは簡単なことではありません。
そのためチアキは猟期以外の時期にアルバイトをしています。
シカ撃ちならば厳しいですが生計を立てられるかもしれません。
しかしクマ撃ちは思っているほどお金にならないのです。
私生活について話しているうちに目的の山へ到着しました。
年季の入ったライフルを担いだチアキが山の中に入っていきます。
こうして同行取材の初日が始まりました。
伊藤カズキは知りませんでしたが、寒さに弱いイノシシは北海道に生息していません。
北海道と本州をブラキストン線によって動物の分布境界は分かれているのです。
猟師にとっては常識なのでチアキに呆れられてしまいました。
思ったよりも軽装のチアキは山の中をどんどん進んでいきます。
伊藤カズキには4Lの水や食料、双眼鏡やアマチュア無線機などを持たせました。
最初はワクワクしていた伊藤カズキなのですが、長い道のりと荷物の重さであっという間に疲れてしまいます。
対照的に慣れているチアキは全く疲れていません。
とにかく踏ん張るしかない伊藤カズキだったのですが、いつの間にかチアキの姿を見失ってしまいました。
気配を感じた伊藤カズキが禁止されていた大声を上げてしまいます。
すると戻ってきたチアキに頭を叩かれてしまいました。
怯えさせた気配の正体は小リスだったのです。
こんなことで同行取材は上手くいくのでしょうか!?
安全を優先しながらクマを見つけることに執念を燃やすチアキの姿が印象的ですね。
対照的に伊藤カズキはクマ撃ちをナメすぎている気がしました。
誰もいない森の中で神経を研ぎ澄ませながら獲物を追う『クマ撃ちの女』!
第4話からいよいよ獲物が2人の前に姿を現します。
緊張と緩和の演出が巧みな第4話も見逃さないでください。
第4話
チアキの後ろを歩いている伊藤カズキは、映画などで見たことがある銃を思い浮かべていました。
本物のライフルをこれまで見たことがありません。
そのため自然とライフルに目が行ってしまいます。
目線の角度からお尻を見ていると勘違いされました。
もちろん伊藤カズキは真面目に取材するつもりなので下心のようなものはありません。
チアキが足を進めると開けた草原にエゾシカの群れがいました。
しかしチアキはガッカリした表情を浮かべています。
発砲を見れることにワクワクしてきました。
エゾシカの群れまでは300メートルほどの距離があります。
ここで銃は好きでもライフルには詳しくない伊藤カズキにチアキが説明を始めました。
チアキのライフルは珍しいものなのだそうです。
このライフルは珍しい口径なので銃弾はチアキが手作りしていました。
北海道は毒性の強い鉛弾は禁止されているので、銅の弾頭を使用しています。
この場所にいれば気づかれないのにチアキが影の外へ出てしまいました。
恐らく気付いているはずなのにシカは逃げようとしません。
シカは距離が遠いので攻撃されるとは思っていないのです。
そのためチアキがリラックスしながらゆっくりと準備を始めました。
まずは伊藤カズキが持っている棒を借りてから木に背中を固定します。
棒をスタンド代わりにした理由は縦軸をブラさないようにするためでした。
そしてここでようやくライフルに銃弾を装填します。
法律では撃つ直前まで銃弾を装填してはいけません。
口で発砲音を言っただけで本当に撃つことはありませんでした。
チアキが大笑いしたのでシカが逃げていきます。
発砲を見られると思っていた伊藤カズキはガッカリしてしまいました。
その後、2人は食事休憩をとることにします。
エゾシカの群れは余裕綽々で食事していました。
そのことからこの辺にエゾヒグマがいないことは明らかだったのです。
チアキは自分も含め気分転換をする為、発砲するフリをしてしまいました。
事情を理解した伊藤カズキはチアキの行動を理解してくれます。
和解した2人は高カロリーのカップ焼きそばを食べて狩猟に備える始めました。
同行取材初日で2人はエゾヒグマに遭遇できるのでしょうか!?
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『クマ撃ちの女』はこんな人にオススメ
色々な職業の裏側に興味津々な人は必ず楽しめる作品に仕上がっています。
一般人があまり関わる事のない猟師の仕事は驚くべき情報が盛り沢山です。
読めば読むほど続きが気になってくる『クマ撃ちの女』!
獲物と対峙する緊張感が味わえる物語です。
日常生活では緊張感のないチアキが、山の中で見せる精悍な姿にご注目ください。
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