クマ撃ちの女のネタバレ(漫画)!チアキの狩猟方法とは?

今回は「安島薮太」先生の『クマ撃ちの女』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『クマ撃ちの女』はこんな漫画(あらすじ)

猟師の小坂チアキは日本で最強と恐れられているエゾヒグマを狙っています。

エゾヒグマの狩猟は命懸けで行われていて、たやすく捕獲できるものではありません。

伊藤カズキはそんなチアキの狩猟を取材して書籍化することにしました。

北海道を舞台に繰り広げられる狩猟劇を描写した『クマ撃ちの女』

今回は長期間の取材によってクマ撃ちの本質に迫った物語の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

命を懸けて熊と向き合う衝撃的なストーリーを目に焼き付けてください。

 

『クマ撃ちの女』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

クマ撃ちの取材を始めることにした伊藤カズキだったのですが、当日になると小坂チアキに待ち合わせをすっぽかされてしまいました。

後になって分かったのですが待ち合わせの日、チアキは獲物を追いかけるため山中でキャンプをしていたそうです。

伊藤カズキ
「前日に獲物の姿を見た為、急遽予定を変えたのだ、正直腹が立ったがチアキさんに悪気は一切なかった、ただ狩りバカが過ぎただけなのだ」

現在の狩猟でテント泊を行う人はあまりいません。

それでもチアキはいざという時のためにテントを用意していました。

取材の約束をした日がいざという時に重なってしまったのです。

小坂チアキ
「フンだ!緑色で甘いいーい匂い!コクワをたっぷり食べてる!水分が多い、まだ新しい、狙い通りいるいる!」

チアキが発見したのはエゾヒグマの糞でした。

さらに奥へ進んでいくとオスと思われるエゾヒグマの足跡も見つけます。

その奥にはフキが食い荒らされて空き地ができていました。

食った痕跡はまだ新しいのでエゾヒグマは近くにいると思われます。

順調なのですがエゾヒグマの狩猟はここから細心の注意を払わなければなりません。

エゾヒグマは人間に対して好戦的ではなく、むしろ人間を恐がり避ける傾向があります。

そのためエゾヒグマ猟は他の狩猟と同様、獲物に気付かれず近づくことが重要なポイントになっていました。

ただし他の狩猟と大きな違いがあります。

それはいきなりエゾヒグマと遭遇すると、興奮状態になってしまい襲われてしまうかもしれません。

強大な力のエゾヒグマに襲われれば人間は殺されてしまいます。

小坂チアキ
「きたきたきたきた!10メートルない・・・コクワを見つけてあっちに行ったんだ、食べるのに夢中で全く私に気付いてません!」

理想的な状況の中、チアキがライフルを構えました。

音が鳴ってしまうと気付かれるので銃弾は一発しか装填できません。

装填してからボルトを戻して狙いを定め撃つという3つのアクションをこなすことがエゾヒグマ猟において重要な動きになります。

チアキは自信があるのですが、ここで撃ち損じた時のことを想像してしまいました。

発砲できないでいるとエゾヒグマの動きに変化が表れます。

小坂チアキ
「な・・・なんだ急に・・・?匂い・・・風向きが・・・ヤバイぞ絶対こっち向く!でも隠れたら音が鳴るしどのみち匂いで・・・」

このままでは気付かれてしまうためチアキは石を投げました。

すると運良く鳥が飛び立ってくれました。

その隙にフキの群生に身を隠します。

さらに自分の匂いを消すためエゾヒグマの糞を身体に塗りつけました。

エゾヒグマの気配が消えた後も用心深くこの場所から動きません。

ピンチを脱したチアキは山を下りることにします。

小坂チアキ
「どっちかなー!?撃てばよかったかなぁー?いや死んでたなぁー・・・いや撃てばよか・・・」

車を走らせながら後悔していると伊藤カズキから電話がかかってきました。

ここでチアキはようやく待ち合わせしていたことを思い出します。

急いで待ち合わせ場所に向かうと店から伊藤カズキが出てきました。

しかし面識がないのでチアキは伊藤カズキということが分かりません。

伊藤カズキ
「あ・・・あの・・・小坂チアキさんですか?」
小坂チアキ
「すいまっせんでしたぁ・・・!」

思わずチアキは土下座してしまいました。

これが伊藤カズキとチアキの出会いとなったのです。

 

 

ただライフルを撃っている訳ではない猟師の難しさを見事に表現していますね。

常に死と隣り合わせの緊張感にもヒリヒリできました。

命懸けの狩りと真正面から向き合っていく『クマ撃ちの女』

猟師の雑学が学べる興味深い作品に仕上がっています。

マイペースなチアキが真剣に狩りと向き合う姿をお楽しみください。

後編

土下座して謝ったチアキは話をする為、伊藤カズキを自宅に招きました。

小坂チアキ
「約束忘れてたわけじゃないんですよ、えー・・・伊藤さん、ただ・・・クマを目の前に逃げるわけにいかないっていうかぁ・・・」
伊藤カズキ
「いえ!無理を言ったのはこちらですのでお会いして頂けただけでありがたいです」

許してもらえたチアキは狩猟してきたメンタ(メスのエゾシカ)の肝臓を食べ始めます。

とても美味しいので伊藤カズキにも勧めてみました。

しかし伊藤カズキは食べようとしません。

小坂チアキ
「あ、駄目だぁ、確率は低いけどE型肝炎になる可能性あるからお客さんにはあげちゃ駄目だぁー、ちゃちゃっと食べて作業にするんでお話はその時に聞きますぅ」

チアキの言う作業とはメンタの解体です。

まずビニールシートの上にメンタを吊るしました。

伊藤カズキ
「・・・すごい迫力ですねぇ」
小坂チアキ
「メンタでも100㎏近くになったりしますから、放血と内臓処理は山でしたから大分マシでしたけどぉ運ぶの大変でしたぁ」

伊藤カズキが感じた迫力はチアキが言っているようなことではありません。

内臓を処理されたメンタの身体に迫力を感じているのです。

伊藤カズキ
「・・・ん?この番号はなんですか」
小坂チアキ
「スプレーでそれ書いて写真に撮って持ってくと自治体から補助金が出るんですぅ、本当は肉もお金になるんですけどぉ、指定の処理場に持っていかないとダメで面倒くさくなっちゃって、だから家で美味しく食べる事にしました!」
伊藤カズキ
「な・・・なるほど」

笑顔で質問に答えながらチアキがメンタの皮を剥き始めました。

初めて見る伊藤カズキは気分が悪くなってきます。

小坂チアキ
「ところでなんで私なんです?」
伊藤カズキ
「チアキさんと同じ猟友会の祖父が褒めてました、昨年一頭のヒグマを仕留めた狩りガールが凄いと、若い女性でしかも単独でクマ撃ちなんて聞いた事ないと」

伊藤カズキは出版社で編集を担当していました。

現在は退職してライターをしています。

そこで何か面白い題材を探していた伊藤カズキはチアキに注目しました。

若い女性がクマ撃ちをしているレアケースを密着取材して本にしたいと思っているのです。

小坂チアキ
「まずひとつぅ、私はそんなに若くない31歳ですぅ」
伊藤カズキ
「え!?年上!?」
小坂チアキ
「そしてえふたっつ目はぁ!そんなに腕もないんです、今日も一頭ひどいミスで逃しました、去年のもマグレみたいなモンです、最後みっつぅ、私には余裕がありません」

エゾヒグマ猟が行える期間は1年に二ヶ月ほどしかありません。

すでに一ヶ月が過ぎている中でチアキはまだ一頭も撃てていないのです。

そのため余裕がないのですがとりあえず解体作業を手伝ってもらうことにしました。

生々しい死体に圧倒されていた伊藤カズキは嫌々ですが解体作業を手伝い始めます。

伊藤カズキ
「僕が断れば彼女も断る、そう考え嫌悪感を押し殺し耐えた、僕はこの企画に賭けていたのだ」

この企画をスタートしなければライターとして成功することはできません。

バイトで調理経験がある伊藤カズキは解体の役に立てました。

小坂チアキ
「やってみますか、同行取材!」
伊藤カズキ
「え・・・よろしいんですか?」
小坂チアキ
「ただ条件が、山では私の言う事は絶対聞く事、狩りを成功させあなたの身を守る、この両方の為です、そしてもう一つ獲物を運ぶのを手伝う事、これから細かく部位を取りますから」

チアキは伊藤カズキのことを狩りの有用な道具として扱うことにしたのです。

最初はチアキのことを身勝手だと感じました。

しかし伊藤カズキは彼女の提案を受け入れることにします。

伊藤カズキ
「なぜならソレだけじゃ無い気もしたからだった」

密着取材はどのような結果になるのでしょうか!?

『クマ撃ちの女』に関する他の記事はこちらです↓↓↓

クマ撃ちの女のネタバレ(漫画)!第3話の見所は?

2022.08.11

 

『クマ撃ちの女』を読んだ感想

明るく振る舞っているのに余裕がないチアキの姿が印象的でした。

エゾヒグマとの対峙はいかに困難なのかが伝わってきますね。

密着取材によって裏側まで狩猟の全てが丸分かりできる『クマ撃ちの女』

ハンターの感情も丁寧に表現した物語になっていますよ。

獲物を狩ることの難しさを学んでみてください。

 

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