今回は「原作 作者不詳 漫画 篠原九」先生の『復讐飼育~少女ペット2nd~』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『復讐飼育~少女ペット2nd~』はこんな漫画(あらすじ)
『少女ペット』とは人間そっくりの少女を自分に家で自由に飼育することができるリアル育成ゲームです。
ユーザー数が10万人を突破したこのゲームは進化を遂げ、最新版は学習能力が向上していました。
『復讐飼育~少女ペット2nd~』はこの最新ゲームを巡って交錯する2人の男性を描いていきます。
1人は会社社長の佐稜恒生といい、亡き恋人である沙雪とそっくりな少女ペットを飼い始めました。
もう1人は沙雪の弟である蒼太で、彼は恒生が姉を死に追いやったと信じていて、少女ペットを使い復讐する計画を企てていたのです。
人間型三次元ペットがこの2人にもたらす悲劇的な運命の行方とは!?
今回は大人気漫画の続編となるこちらの作品の魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。
ハラハラドキドキする展開を手に汗握りながら拝読していってください。
『復讐飼育~少女ペット2nd~』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
一流大学を卒業し現在は会社の経営者となっている佐稜恒生。
彼は他人にも自分にも厳しいため、数年前に恋人の沙雪を事故で亡くした時も仕事を優先したほどの完璧主義者です。
ある日、部下から完璧超人と形容される恒生の元に一件の業務提携依頼が入りました。
先方の担当者が大学時代の同級生だったこともあり話を聞いてみることにします。
すると業務提携の内容は少女ペットについてでした。
少女ペットは理想の女性を具現化できるため、若者の間で大流行している三次元育成ゲームです。
恒生はこのゲームには興味が無いのですが、完璧な女性を手に入れられるという点に秘かな関心を抱いていました。
大学時代の友人が恒生に持ちかけてきた業務提携は、新たに立ち上げることになった少女ペットの公式SNSについてです。
この新規SNSを恒生が経営するベンチャー企業のSNSに併設してほしいというのが、今回の業務提携依頼の内容でした。
しかし完璧主義者の恒生はすぐにOKを出すことはしません。
あくまでも慎重な判断が必要だと思っていたのです。
そんな彼に先方が最新の少女ペットをお試しで使ってみてほしいと提案してきました。
この提案を快諾したことが恒生と少女ペットの出会いとなったのです。
早速自宅に戻り少女ペットの登録ページを閲覧する恒生。
亡き恋人の顔と名前を思い浮かべながら少女ペットを作成していきます。
恒生は少女ペットの名前を沙雪にしようとも思ったのですが、考え直しスノウと設定することにしました。
するとここで恒生の頭の中に沙雪の言葉が蘇ります。
こうして亡き恋人の言葉を思い出しながら少女ペットの作成手続きを終える恒生だったのでした。
数日後、彼のマンションに棺の中に入れられた少女ペットが送られてきます。
恒生が中を開けてみると、沙雪に瓜二つの少女ペットが入っていました。
まるで生き写しのような姿に驚愕する恒生。
ゆっくりと目を開けた少女ペットが恒生の命令に従います。
命令通りに行動する従順なスノウ。
しかしこれは恒生が求めている行動ではありませんでした。
机に置いてあったアイスピックを握りスノウの左手に突き刺します。
痛みで泣き叫ぶスノウに対しても、恒生が表情を崩すことはありません。
こうしてスノウは沙雪の身代わりとなって、恒生の歪んだ愛情を全身で受け止めていくことになったのです。
少女ペットは恒生の理想を叶える存在になってくれるのでしょうか!?
前作同様、登場人物の歪んだ感情が見所の作品となっていますね。
少女ペットには何も落ち度がなく、それを飼育する人間サイドに問題があることを丁寧に表現していると感じました。
リアルに作成されたペットを自分の欲望の捌け口にしていく姿もインパクトが抜群ですね。
誰もが持っている性癖などの欲求について深く掘り下げていく『復讐飼育~少女ペット2nd~』!
ここからもう1人の主人公とも言える沙雪の弟が登場して、物語はより奥深いものへ進展していきます。
異常性のある登場人物の姿を目に焼き付けていってください。
後編
恒生がスノウの調教を開始した頃、沙雪の弟である蒼太の元にも少女ペットが届いていました。
しかし蒼太は恒生のような目的で少女ペットを注文した訳ではありません。
そうした事情もあり真剣な表情で棺を開けていく蒼太。
蒼太が作成したのは黒髪の少女ペットでした。
少女ペットは目を開けるとすぐ蒼太に抱きついてきます。
ですが蒼太がすぐに引き離しました。
事故で亡くなったはずの沙雪ですが、蒼太は恒生に姉を殺されたと考えていたのです。
そのためチロと名付けた少女ペットを利用して、彼に復讐することを企てていました。
こうして蒼太はチロを殺人鬼になるよう調教していくことになったのです。
しかしその道のりは容易なものではありません。
彼の計画は元々少女ペットが持ち合わせている特性とはかけ離れていたのです。
まず平仮名から覚えていくチロの成長スピードが、蒼太にはじれったくて仕方ありません。
さらに蒼太が少女ペットを育てていくには、もう一つ想定外の誤算がありました。
その誤算は少女ペットを飼育する上で必要になる食糧費だったのです。
蒼太は少女ペットに専用の錠剤を与えていれば済むと思っていたのですが、それだけでは空腹感を満たすことができません。
お腹が空いたと騒ぎ立てるチロには別の食料が必要になっていたのです。
家族にはチロを飼育している目的を明かせないため、彼女の食費は自分で稼ぐしかありません。
こうして手間がかかりながらチロを調教していく蒼太。
しかし少しずつ言葉を覚えていく様子を見ているうちに、心が和んでいく感じがしていました。
チロを猟犬にするという当初の目的を思い出します。
姉の沙雪は忙しい恒生を支えるため、彼の家で同棲することにしました。
蒼太は少し寂しい気持ちもあったのですが、姉の幸せを願い彼女の新たな旅立ちを見送ったのです。
ですがその1年後、沙雪は帰らぬ人となってしまいました。
姉の無念を晴らすため復讐を誓った蒼太だったのです。
一方その頃、蒼太が復讐の炎を胸の中で燃やしているとは知らない恒生は、順調にスノウを調教していました。
経済的に余裕のある恒生は蒼太とは違い、何不自由なくスノウを飼育することができています。
しかし相変わらず歪んだ欲情と性癖によるサディスティックな調教も、一般的な教養と並行して行っていました。
自分好みの姿にするまで彼の容赦ない飼育は続いていくのです。
そんな恒生の仕打ちから、沙雪がどのような生活を送っていたのかが徐々に浮かび上がってきました。
やはり彼は蒼太が考えている通り、沙雪を亡き者にしたのでしょうか!?
その真実と蒼太の復讐の行方からますます目が離せなくなる中、順調に育ってきたスノウに異変が起きていきます。
ネタバレはここまでになりますので、幾重にも張り巡らされた多くの謎は実際に漫画を読んでお確かめください。
前作の『少女ペット』に関する記事はこちらです↓↓↓
『復讐飼育~少女ペット2nd~』を読んだ感想
前作の『少女ペット』が面白かったので、続編も読んでみることにしました。
もしかすると前作よりも登場人物の狂気性が増したかもしれません。
その上で読み手側を良い意味で裏切る展開も忘れない辺りはさすがだと思いました。
スリリングで意表を突く物語が魅力的な『復讐飼育~少女ペット2nd~』!
『少女ペット』を読んだことがある人も、そうでない人も楽しめる傑作サスペンス漫画です。
人間の奥底に眠る歪んだ欲望に恐怖を感じながら、この作品の魅力を満喫してみてください。
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