今回は「桜田雛」先生の『金魚の糞』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『金魚の糞』はこんな漫画(あらすじ)
幼い頃の菊吉（きくよし）は、自分のせいで母親を亡くしてしまいます。
身寄りのない自分を預かってくれた親戚の浅川家で、菊吉は金魚という女の子と出会いました。
自分のことを温かく受け入れてくれる金魚に対して、不幸を背負った菊吉はなかなか心を開くことができません。
浅川家の近所に住む吉岡悟郎が見守る中、ギクシャクした関係の菊吉と金魚。
しかし時間が流れていくうちに、菊吉は金魚のことを愛しい存在だと感じ始めていきます。
彼らの友情と愛情を美しく描いていく『金魚の糞』！
今回はこちらの恋愛漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
儚くて切ない男女の三角関係をごゆっくりとお楽しみください。
『金魚の糞』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
自分の身代わりとなって車に轢かれてしまった母親を、菊吉が葬儀場で見送っています。
この春から中学生になる菊吉なのですが、たった一人の身内を失ってしまい途方に暮れていました。
そんな彼に親戚のおじさんが施設を紹介すると言ってくれます。
するとそこに菊吉と同年代の少女が現れました。
少女の名前は浅川金魚といい、亡くなった母親の妹の娘です。
施設よりも血の繋がる家族の元で菊吉を育てたいと思い、叔母家族は彼を引き取ると決めていました。
叔母が親戚に事情を説明していると、金魚が菊吉の手を引っ張ってきます。
しかし菊吉は金魚の手を振り払ってしまいました。
その場でしゃがみ込み大粒の涙をこぼす菊吉。
彼は母親の突然の訃報をまだ受け入れられていなかったのです。
しばらく時間が経ってから、菊吉は浅川家に向かうことにしました。
その後、菊吉は部屋に案内されるとジーっと指輪を見つめています。
実はこの指輪は菊吉が母親のために手作りしたものでした。
形見になってしまった指輪を見つめながら母親のことを思い出していると、部屋の外から金魚の声が聞こえてきます。
菊吉がリビングに向かうと、叔母さんがご馳走を用意してくれていました。
さらにご馳走だけでなく、中学生になる菊吉と金魚のため新学期セットも用意されてあります。
まだ心を開いていない菊吉は、すぐに部屋へ戻ってしまいました。
首からぶら下げた指輪を握りしめ、母親を思い出し涙を流す菊吉。
こうして彼の新生活は悲しみを背負ったままスタートしていきました。
数日間が経っても菊吉は浅川家に馴染めず、なかなかリビングに顔を出そうとしません。
しかしそれでも金魚は彼との距離を縮めようとしてくれます。
鋭い目つきで睨みつけられ、一瞬だけ怯んでしまう金魚。
それでも微笑みながら菊吉に言葉をかけていきます。
叔父からのプレゼントを受け取ると、菊吉は床に投げつけてしまいました。
その衝撃でグシャッと壊れたような音が響き渡ります。
金魚と関わりたくないため、菊吉は無理難題を吹っ掛けます。
ですがここで金魚が意外な対応を見せ始めました。
なんと彼の言うことに従い服を脱ごうとしていくのです。
さすがに菊吉が彼女の行動を止めに入りました。
金魚が手を伸ばすと、菊吉の首からぶら下がる形見の指輪に触れてしまいます。
全く心を開こうとしない菊吉と、彼のことを心配している金魚。
二人の距離が縮まることはあるのでしょうか！？
深い悲しみを背負った菊吉の頑ななまでに金魚を避ける態度が印象に残りました。
そんな彼に対して精一杯の優しさを見せていく金魚は、とても健気な女の子ですね。
運命的な出会いを果たした彼らから目が離せなくなる『金魚の糞』！
ここから吉岡悟郎が登場することによって、さらに人間関係が複雑になっていきます。
三人それぞれの心理状況に感情移入しながら続きをご覧ください。
後編
菊吉が金魚に対して怒鳴っていると、玄関のチャイムが鳴りました。
家に入ってきた男の子は隣に住んでいる吉岡悟郎です。
彼が自分たちと同級生だと説明する金魚。
悟郎の言葉で菊吉はさらにヒートアップしていきます。
しかし悟郎は彼とは対照的に冷静さを保っていました。
悟郎が出した条件は、金魚にしっかりと謝罪するということでした。
当然ですが菊吉がこの条件を受け入れるはずはありません。
止めに入った金魚を菊吉が突き飛ばしてしまいます。
この行動によって呆れ返る悟郎は、金魚を連れて家を出て行きました。
菊吉も罪悪感から家に居られなくなり、近所のコンビニへ向かいます。
そんなこととは知らない金魚は、菊吉が心配になり家へ戻ることにしました。
すると帰り道の途中で、複数の男性と喧嘩をしている菊吉を目撃します。
男性たちは金魚と悟郎の存在に気がつくと、すぐにどこかへ立ち去って行きました。
ますますふさぎ込む菊吉だったのですが、急に金魚が彼に抱きつきました。
そっと菊吉の手を握る金魚。
ですがその優しさが菊吉を苦しめていたのです。
ようやく金魚に本心を打ち明け、彼女の胸の中で涙を流す菊吉。
彼にとって金魚と叔母の存在は、亡き母親を思い出させるものだったのです。
しかし金魚たちの優しさで、菊吉は少しずつ家族になろうとしていきました。
そして十数年が経った頃、雪が降る岬に菊吉が一人で立っています。
彼はここで金魚のことを思い返しながら涙を流していました。
果たして菊吉が金魚に対して犯してしまった最低なこととはどのようなものなのでしょうか！？
ネタバレはここまでになりますので、この続きは実際に漫画を読んでお確かめください。
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『金魚の糞』はこんな人にオススメ
ラブストーリーを読んで感動したい人にオススメの作品です。
複雑に絡み合う人間関係と優しさが詰まった物語になっていますよ。
恋愛漫画が好きな人だけでなく、ヒューマンドラマが好きな人にも読んでもらいたい『金魚の糞』！
美しい絵と読み応え抜群なストーリーが魅力的なこちらの漫画。
是非じっくりと時間をかけて読んでみてください。
気がつくと物語の世界観に引き込まれているはずですよ。
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