『後宮香妃物語』のネタバレ(漫画)!あらすじと感想も!

今回は「漫画 橘ミズキ 原作 伊藤たつき」先生の『後宮香妃物語』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『後宮香妃物語』はこんな漫画(あらすじ)

神瑞国では薬と同じように香が珍重されています。

香を調合して様々な効能を発揮させる役割を任された者は香士と呼ばれ、優秀な香士は宮廷の香道省に集められていました。

かつて香道省のトップだった香士が父親の凛莉は絶対嗅覚を持っています。

この能力を使って父親の汚名を晴らしたい凛莉は目的を隠しながら宮廷へ入ることにしました。

後宮に入った凛莉は目的を果たすことができるのでしょうか!?

大人気小説をコミック化した『後宮香妃物語』

今回は空想の世界を舞台にしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

絶対嗅覚を武器にしながら目的のために邁進するヒロインの努力を目に焼き付けてください。

 

『後宮香妃物語』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

眠っている凛莉が不思議な夢を見ています。

凛莉
「いい香りだけどこれじゃないわ、なんども挑戦してるのに上手くできない・・・あの香りはもっとせつない・・・」

夢の中で凛莉は父親が嗅がせてくれた香の調合にチャレンジしていました。

しかし何度チャレンジしても上手くいきません。

困り果てていると見覚えのない男性が現れます。

甘くて品の良い香りだと褒めてくれる男性から優しくて悲しんでいる香りが漂ってきました。

しかし香りで気持ちが分かることを男性は信じてくれません。

凛莉
「うそじゃないわ、わたしの特技は絶対嗅覚なのよ」

自分に絶対嗅覚があることを伝えると男性が名前を聞いてきました。

凛莉が名前を教えようとすると男性を狙った刺客が現れます。

男性を助けるため凛莉は刺客に香水を浴びせました。

凛莉
「助けてーっ・・・ああまたあの夢を見たのね」

子供の頃からくり返し見ている謎の夢はここで終了します。

この状況に慣れてしまった凛莉は夢のことを忘れて母親の手伝いをすることにしました。

凛莉
「母さま!食事の片づけはわたしがするわ!また熱がでたら大変」

病弱な母親を気遣います。

この後に仕事を控えているのですが香の調合が大好きな凛莉は全く気にしていません。

優しい娘のことを母親は父親とそっくりだと褒めてくれます。

凛莉が暮らしている神瑞国では薬と同様に香が珍重されていました。

その中で香を調合して様々な効能を発揮させる優秀な香士は宮廷の香道省に集められるほどの待遇を与えられています。

以前まで凛莉の父親は香道省のトップを務めていました。

凛莉
「香の種類は大きくわけて二つある、一つは香木と呼ばれる心地よい芳香を放つ木材だ、そしてもう一つは練り香、香木や薬草などを粉末にして混ぜ合わせ加熱し香りをだす」

他にもいくつか種類があるのですが基本的に香は二種類に分けられています。

凛莉は香木の香りを嗅いだだけで原料を当てられる能力を父親から褒められてきました。

しかし父親は秘宝香という伝説の香の調合に失敗してしまい失脚することになります。

秘宝香はどんな敵でも撃退できる強大な力を持つものとして神瑞国に語り継がれていました。

凛莉
「何百年も誰も成功しなかった秘宝香を作るという偉業を成し遂げた父は香士の頂点、正香士を名乗れるはずだった、でも父さまは皇帝陛下に秘宝香を披露しようとして失敗した」

調合に失敗した父親は嘘つき呼ばわりされてしまいます。

この無念を晴らそうとしたのですが父親は事故で亡くなってしまいました。

凛莉は今でも父親が秘宝香を完成させたと信じています。

凛莉
「父さまの作った秘宝香の香りを覚えているもの、わたしはいつかその香りを再現して絶対に父さまが秘宝香を作り上げていたって証明してみせる」

意気込む凛莉なのですが秘宝香の再現には問題が山積していました。

まず秘宝香に使う香料は特別なものばかりで香道省に入らないと入手できません。

そして香道省に入るためには香士にならないといけないのです。

ですが神瑞国では女性が香士になることを認めていません。

凛莉
「そもそも女性には香士になる為の試験が受けられないのよね・・・」

このままでは父親の無念が晴らせないためため息が出てしまいます。

しかし凛莉は秘宝香の調合を諦めた訳ではありません。

いったいどんな方法で秘宝香を完成させて父親の無念を晴らすのでしょうか!?

 

 

香が珍重されている大国で暮らしているヒロインが、父親の死によって心に傷を抱えている姿が印象的でした。

それでも明るく生きようとする様子から凛莉の魅力が伝わってきますね。

父親の無念を晴らすため苦難の道を選んだヒロインを描いていく『後宮香妃物語』

ここから凛莉が絶対嗅覚を使って目覚ましい活躍を見せ始めます。

大好きな香と寄り添いながら目的を果たそうとするヒロインの強い信念に注目しながら続きをご覧ください。

後編

母親の手伝いを終えた凛莉が町の医療所へ向かいます。

この医療所では凛莉の香が医療に役立てられていました。

香を手渡すと医師から小遣い稼ぎのため医療行為の手伝いをお願いされます。

凛莉たちが暮らしている下町には生活が苦しい人達が多く暮らしていました。

生活に苦しむ町民たちは正規の香士が作った香は値段が高いため購入することができません。

そのため凛莉のような香士もどきから必要な香を安い値段で購入することが慣例となっていました。

さらにこの日は皇帝のご子息が医療所を視察しに来るため、患者を待たせているところを見られる訳にはいきません。

皇帝のご子息に認められると多額の寄付金を貰えるかもしれないのです。

事情を知った凛莉は医療所のため手伝いを買って出ることにしました。

凛莉
「なるほど、じゃあ今日は気合を入れないと、わたしにできる事はお手伝いします」

医師に代わって患者たちから状態を聞き始めます。

診察を始めると患者の一人から嫌な香りが漂ってきました。

その患者は胸を手で押さえながら倒れてしまいます。

凛莉はすぐに患者の元へ駆け寄って匂いを嗅ぎ始めました。

凛莉
「この人肺が悪いのね、呼吸がしにくくて苦しんでいる時の香りがする」

すぐに気道の通りを良くする香の準備を始めます。

的確な凛莉の処置によって患者は自力で呼吸ができるようになりました。

患者の容体が落ち着いたことに安定していると、香道省からやって来た香士が声をかけてきます。

木蓮
「凛莉?久しぶりだね、最近忙しくて会いにいけなかったけど元気だった?」
凛莉
「ええ、あの私に話しかけたりして大丈夫ですか?お仕事できてるんでしょう」

声をかけてきたのは香道省の長を務めている木蓮という男性で、彼は凛莉に香の手ほどきをしてくれました。

凛莉の父親に面倒を見てもらっていた木蓮は貴族でありながら身分を気にせず家族同然の付き合いをしてくれています。

木蓮
「大丈夫だよ、急病でこられなくなった薬道省の薬師の代役なだけだし、それより今のは凛莉の特技を使ったんだろう、流石だ」

このような場面でも木蓮は気さくに話しかけてくれました。

すると2人の前に皇太子が現れます。

皇太子
「さきほどは見事だったな、瞬時に病状を見抜いて処置する医師の補佐として病状にあった的確な香を焚いた、それにしても肺の病気の発作で倒れたとどうしてわかったんだ?知っていたのか?」

病気を香りで見分けたとは口が裂けても言えません。

そのため肺の病気を知っていたことにします。

丁寧な態度で質問に答えると皇太子が礼儀を褒めてくれました。

木蓮
「彼女は元々貴族の生まれなのです、女性ですが香の調合も上手でもし国家試験をうけれるならいい香士になれるのにもったいないと思っているのです」
皇太子
「なるほど、確かに素晴らしい腕前だった、女性が香士となるのはさすがに無理だがこれからも精進するといい」

改めて香道省に入って秘宝香の研究がしたいという夢を皇太子の言葉で打ち砕かれてしまいます。

落ち込みながら自宅へ戻ると、大事な用事があるという木蓮が訪ねてきました。

木蓮によると蘭天木が手に入ったそうです。

蘭天木は秘宝香の主原料なのですが20年に一度しか花を咲かせません。

そんな貴重な蘭天木がある程度まとまった量を確保できたそうなのです。

しかし大量に確保できた訳ではないため宮廷内で揉め事が怒っていました。

木蓮
「香木の量が限られているからそれを使って調合に挑戦する香士を優秀な者だけに限定して一月後に調香会を開く事になった」

つまり調香会までに秘宝香を完成させなければなりません。

また皇太子が翌年に皇帝へ即位することもあり秘宝香の完成が急がされているそうです。

凛莉
「わたしも・・・わたしもその秘宝香の調合に挑戦させてください!父さまは秘宝香を完成させていました、わたしはその香りを覚えています、それを証明したいんです」
木蓮
「凛莉ならそういうと思ってたよ、そこで問題です、宮廷には基本は男しか仕えられない、だから仕える官人は男ばかりだ、しかし女性ばかりが集まっている場所が一つだけある、どこだかわかるかい?」
凛莉
「もしかして後宮ですか?皇帝陛下の后妃様とか側室とかが住んでいるという」

凛莉の答えは正解でした。

まだ独身の皇太子は皇帝に即位する時、必ず妻を娶る決まりになっています。

そして翌年の即位に当たって新たな後宮が作られることが決定しました。

後宮が作られることになり后妃候補の姫たちが続々と集まっているそうです。

しかし后妃候補として認められるには条件がありました。

木蓮
「一つは身分だ、宮廷でも高位の方の娘や妹などが認められる、そしてもう一つの条件は秀でた才能を持っている事、たとえば香士になれるほどの知識と技術を持っているとか、ね?」

木蓮は秀でた才能を利用して凛莉を後宮に入れようと考えたのです。

果たして凛莉は后妃候補として認められ、秘宝香を完成させることができるのでしょうか!?

 

『後宮香妃物語』はこんな人にオススメ

秘宝香を巡って交錯する人間模様と、異国の文化を感じられる物語になっています。

そのためヒューマンドラマが好きな人と、読み応えのある歴史時代劇を探している人にオススメしたいですね。

偉大な父親の汚名を晴らそうとするヒロインの奮闘を描いた『後宮香妃物語』

様々な思惑が駆け巡る後宮内で凛莉が躍動する姿をお楽しみください。

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