『十字架のろくにん』のネタバレ(漫画)！復讐劇の結末は？

今回は「中武士竜」先生の『十字架のろくにん』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『十字架のろくにん』はこんな漫画(あらすじ)

小学6年生の漆間俊(うるましゅん)は同級生5人から実験と称した壮絶なイジメの被害に遭っていました。

人間とは思えない鬼畜の所業によって、俊はどんどん追い詰められていきます。

地獄のような日々を過ごす俊にとって唯一の救いは優しい両親と大好きな弟の存在でした。

しかし5人の化物たちによって家族を奪い去られてしまいます。

化物たちへ復讐することを誓った俊は、特殊部隊に所属していた祖父の指導によって生まれ変わりました。

そして4年後、因縁を晴らすため俊が化物たちの前に姿を現します。

悪を裁くため鬼と化した少年の復讐劇を描写した『十字架のろくにん』！

今回は善と悪の対立をテーマにしたサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

復讐を誰にも渡さないと誓う主人公の壮絶な執念に驚愕してください。

『十字架のろくにん』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

混濁している世の中で漆間俊は2つの事実を理解するようになっていました。

それは自分が善で、イジメの加害者たちが悪であるということです。

ある日の放課後、小学6年生の俊が同級生5人にイジメられていました。

加害者はリーダーで悪意の塊と呼べる至極京、柔道を習っている久我大地、イケメンの右代悠牙、エアガンを愛用している千光寺克美、パシリをしている円比呂の5人です。

「も・・・もういいでしょ？今日の実験は・・・」

「いや、まだだよ」

至極が他の4人に散々暴行された俊の首を絞めてきました。

俊の苦しむ様子を眺めている4人は大喜びしています。

久我と同じ道場に通っている至極は特殊な締め技をどんどん強めていきました。

「ホントに・・・死・・・」

俊が5人にイジメられるようになったのは1年前からです。

突然始まったイジメの理由は分かりません。

「ホントに殺しちゃうとこだった、じゃあね、実験体A」

実験と称するこの日のイジメがようやく終わりました。

至極たちが俊を実験体と呼ぶ理由も分かっていません。

ボロボロになった俊はお漏らししたことを両親に隠すため川へ入ることにしました。

そこで捨てられていた子猫を見つけます。

家に帰ると俊が子猫のことを弟の翔に教えました。

「川で遊んだ！それで・・・子猫を見つけたんだ！」

そして翔を連れてすぐに川へ戻ります。

6歳の翔は子猫の姿に大喜びしてくれました。

「うわーめちゃくちゃにかわいいねー！でもウチじゃ飼えないよねー」

「ここで飼おうよ！二人だけの秘密！」

秘密という言葉に翔はドキドキしてきます。

しかしここで兄の異変に気付きました。

「お兄ちゃん首・・・どうしたの？」

「ああ！これは学校でプロレスごっこをしたんだ！首絞め攻撃をされてさ・・・でも最後は僕が勝ったんだよ！」

俊はどんなに辛い状況でも翔に本当のことは言いません。

それは自分の心を正気に保たせてくれる弟の笑顔を壊さないためなのです。

翌日、俊がお菓子を持って川にやって来たのですが、周囲を探しても子猫の姿が見当たりません。

その代わりに至極たちが現れました。

「実験体Aちょっとついて来なよ」

山に連れて行かれた俊は、至極からこの山に子猫を捨てたと聞かされます。

この山には狐や猪が出るため、すぐに探さないと子猫が食べられてしまうかもしれません。

俊は子猫を助けるため慌てて山の中に入っていきました。

その姿を5人が嬉しそうに眺めています。

「ねぇ、京ちゃんはどうして漆間をいじめてるのかな？」

4人の中でも特に至極を崇拝している比呂がイジメの理由を質問してきました。

比呂はイジメを楽しんでいるのですが理由を聞いたことはありません。

すると至極は人間ができたら最もすごいことを聞き返します。

4人は金メダルを獲得することなど様々な答えを出しました。

「ちがう、人を殺すこと」

「人殺し・・・？」

「ただの人殺しじゃないよ、人殺しは誰かのためだったり自分のため、愛のため、何かしらの理由がある、何もなくて人を殺す人はいない」

至極は理由もなく人を殺す最初の人間になろうとしていたのです。

目的を果たすためまずは弱そうな人を間接的に殺すことを決めました。

そのため実験体Aがどこまで追い詰められると自殺するか試しているのです。

今回の実験は子猫の死体を俊に見せるというものでした。

「う・・・あんなのひどすぎる・・・名前もまだつけてないのに、どうして・・・あんなことが出来るんだよぉ・・・」

子猫の無残な姿を見た俊は正気を保てなくなりそうです。

すぐに両親や弟に会いたくなるのですが山の中で道に迷ってしまいました。

困っていると何かが近づいてくる物音が聞こえてきます。

「俊か、おぅこれは猟銃や、ちょっと猪をな、迷ったんか？」

「うん・・・」

「そーか、ここは危ない、家まで送るわ」

祖父は自宅まで俊のことを送ってくれました。

しかし祖父に送ってもらったことで母親からきつく叱られてしまいます。

俊たちは孤独な祖父の体調を気遣って近くに住み始めました。

ですが俊と翔は祖父に近づいてはいけません。

その理由が俊の運命を大きく変化させていくのです。

理由なく人を殺すための実験だという至極の考え方に恐ろしさを感じました。

狂った思考を理解しながらイジメに加担する4人も鬼畜のような最低の人間ですね。

自己中心的な考えの5人に人生を狂わされていく少年の半生を綴った『十字架のろくにん』！

ここからイジメが凶悪な犯罪へエスカレートしていきます。

復讐を誓った漆間俊の鬼気迫る表情を見逃さないでください。

後編

祖父に送ってもらった俊が部屋の中に閉じこもっていると、心配した翔が様子を見に来てくれました。

「お兄ちゃんどうしたの？」

「いやなんでもないよ」

涙が出てしまうため翔の顔を見ることができません。

そんな兄の身体を小さな弟が抱き締めます。

「お兄ちゃんよくがんばりました、ぼくのためにたくさんかくしてがんばってるでしょ？もう・・・だいじょうぶだよ？」

この日、俊はイジメられていることを家族に打ち明けました。

しかし心にもない謝罪は必要ないので、至極たちの名前は打ち明けません。

イジメの被害を知った両親はすぐに動いてくれ、俊は別の学校へ転校することになりました。

転校までの1ヵ月間、学校を休むことも認められます。

これで地獄から救われると誰もが信じていました。

ですが数日後、最悪の悲劇が漆間一家を襲うことになったのです。

この日、母親と翔が父親を車で迎えに行っている間、俊は買い物に出かけることにしました。

すると買い物に行ったスーパーで久我と右代、そして千光寺が俊に電話を手渡してきます。

電話の相手は至極でした。

「実験の途中で逃げ出すのは許さないよ、いつも実験体Aの親が通る峠道、いつ事故ってもおかしくないよね」

意味深な言葉を伝えると電話が切れてしまいます。

この時、至極は比呂と崖の上から峠道を見下ろしていました。

「ケヒャ！漆間んちの車来たね！どうするの？」

「こうする」

至極が比呂を崖から突き落とすと、俊の母親が運転する車に轢かれそうになります。

慌ててハンドルを切った車は峠道から転落しました。

後部座席に乗っていた翔は軽症で済んだのですが、至極から激しい暴行を加えられました。

それだけでなく至極は車に火を点けてしまいます。

至極は実験のため両親の命を奪い、弟には一生残る後遺症を負わせました。

「お父さん・・・お母さん・・・翔・・・僕・・・僕もう・・・死のうか・・・」

自殺が頭の中をよぎった俊に伯父夫婦が面倒を見ると言ってくれます。

しかし俊は祖父の元で暮らすことにしました。

理由は祖父の家に猟銃があるためです。

祖父の家に向かった俊はすぐに猟銃を保管している蔵へ向かいました。

猟銃は北山部隊と書かれた写真と一緒に保管されています。

「何しとる？俊・・・それ・・・どうするつもりや！？返せ」

「いやだ！これで・・・お父さんお母さんを殺して弟をあんな姿にした奴らを殺してやる」

「殺された！？ホンマか！？ケーサツには・・・」

「言わない、この復讐は誰にも渡さない」

衝撃的な事実を知った祖父は驚くのですが、すぐに冷静な表情に戻りました。

そして包丁ではなく猟銃を選んだ理由を聞いてきます。

俊が猟銃を選んだのは、今の自分の力では勝てないと判断したためでした。

「そーか、でもこんなん使うたら全員殺る前にケーサツ捕まるわ、それに今の俊やったら殺した罪悪感に一生苛まれるわ、たとえ相手が家族の仇でもな、それじゃつまらん」

ここで祖父が北山部隊について語り始めます。

北山部隊は第二次世界大戦中に日本の秘密部隊として発足しました。

祖父は北山部隊で人間の殺し方を叩き込まれたそうです。

そして確実に復讐できるよう俊を鍛えると言ってくれました。

「おじいちゃんの言葉にウソはない、確信できた、アイツの目とそっくりだったから」

祖父は何度も見てきた至極と同じ目をしていたのです。

4年後、自分が何者か分からず漂っていた少年の姿は混濁した世界には存在していません。

祖父との4年間という日々が少年を不屈のものへ成り上がらせたのです。

成り上がった少年は祖父と同じ目つきに変貌していました。

果たして少年の復讐劇はどのように幕を開けるのでしょうか！？

地獄から這い上がった俊の復讐劇は実際に漫画を読んでお確かめください。

『十字架のろくにん』はこんな人にオススメ

シリアスでスリリングなサスペンス漫画を読みたい人にオススメの作品です。

陰湿で凄惨なイジメのシーンは目を覆いたくなりますが、復讐へのプロローグになるので全てのシーンを目に焼き付けてほしいですね。

狂気を以て狂気を制す姿が印象的な『十字架のろくにん』！

衝撃的な展開が連続する見所満載の物語になっています。

インパクト抜群の人気作品を見逃さないでください。

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