今回は「原作 村野真朱 作画 依田温 監修 杉村啓」先生の『琥珀の夢で酔いましょう』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『琥珀の夢で酔いましょう』はこんな漫画(あらすじ)
剣崎七菜は優秀なのですが派遣社員という立場のせいで正社員たちから仕事の出来を認めてもらえません。
ストレスが溜まってしまった七菜は仕事帰りに居酒屋へ立ち寄ることにします。
七菜が見つけた隠れ家的な居酒屋“白熊”は美味しいクラフトビールを出すお店でした。
ここで出会った能天気な店主とクールな写真家に七菜は運命を変えられることになります。
クラフトビールが繋いだ3人の青春群像劇を描いた『琥珀の夢で酔いましょう』!
今回はクラフトビールにスポットを当てたグルメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
漫画を読んだ後は琥珀色のクラフトビールを味わってみてください。
『琥珀の夢で酔いましょう』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
航空会社のプレゼン会議で剣崎七菜が発案した企画をお披露目しています。
クラフトビールを注ぐ導入からおとぎの国にいる妖精を登場させた演出に七菜は満足感を抱いていました。
完成度の高さからイギリス旅行のCMは七菜のアイディアが採用されます。
ホッとする七菜だったのですが正社員たちはこの決定に納得していません。
男性社員は自分の企画を蹴落とした派遣社員の七菜に苛立っています。
また女性社員たちはお茶汲みなどの雑務を担当せずにスタンドプレーを行う七菜を毛嫌いしていました。
この状況に辟易した七菜は仕事が終わるとお酒を飲みに行くことにします。
出身地ではない京都でお店探しに困り果ててしまいました。
その中で路地裏に店を構える白熊という創作料理を出す居酒屋を発見します。
隠れた名店を見つけたかもしれないと期待する七菜は、白熊でお酒を飲むことにしました。
ワクワクしながら店に入るとイケメンの店主が出迎えてくれます。
お店のカウンターにはサングラスをかけた男性が座っていました。
男性がこちらを睨んでいるような気がしたためテーブル席を選ぶことにします。
しかしテーブル席には食材が山積みされていました。
どうやらこのお店はいつもこのような状態を保っているようです。
仕方なくカウンターに座るとおしぼりを渡してきた店主が、仕事終わりなのか、近くの会社に勤めているのかなど次々と質問を投げかけてきました。
矢継ぎ早に質問を投げかけられた七菜は少し戸惑ってしまいます。
あまりプライベートな質問はされたくありません。
そのことに気付かない店主はサングラスの男性にも質問をぶつけていきます。
男性は東京から来たのか質問するともう少し西から来たと答えました。
店主が沖縄か尋ねるともう少し東だと答えます。
アメリカですかと尋ねるとそうかもしれないと流暢な英語で返答しました。
英語が上手なためアメリカから来たのかと思ったのですが、男性は京都の出身だということを明かします。
1年ぶりに帰国した男性はお洒落な看板に惹かれてこの店を訪れていました。
七菜は男性の存在を鬱陶しいと思ってしまいます。
しかし店主はそんなことを全く気にしていません。
二人もという言葉に七菜は引っかかってしまいます。
またすきま風を感じるため不安が大きくなっていきました。
せっかく訪れた居酒屋のメニューはクラフトビールしかありません。
この居酒屋は七菜を満足させることができるのでしょうか!?
仕事で疲れた時にお酒を飲みたくなる人は少なくないと思います。
そんな現代人の悩みをリアルに表現した作品だと思いました。
ステイホームが当たり前になった現在だからこそ読んでほしい『琥珀の夢で酔いましょう』!
クラフトビールを家で楽しみたくなる作品になっています。
この作品を読んで晩酌の参考にしてみてください。
後編
メニューがクラフトビールのみだということを知った七菜はお店選びを間違ったと思ってしまいます。
さらに店内が寒いこともお店選びに失敗したと思わせていました。
ついつい店主とお客の悪口を思い浮かべます。
すると2人がこちらをジーッと見つめてきました。
頭の中で思い浮かべていたつもりが口に出てしまっていたのです。
そのせいで店内に気まずい雰囲気が漂ってしまいました。
本音をこぼした七菜は続いて愚痴をこぼし始めます。
まだ乾杯もしていないので店内が無言になってしまいました。
無言の時間を打ち破ったのは京都弁の男性客です。
男性客は分かった気になっている時点でダメだと指摘しました。
どんどん興奮してしまう七菜のことを店主がなだめます。
なだめられているうちに自然と涙が出てきました。
泣いたことで自分が限界を迎えていたことを知った七菜に店主が前菜を勧めてきます。
前菜は京都風の出汁が食材に甘みと旨味をプラスしていました。
続いて店主がクラフトビールを準備します。
店主はお勧めするクラフトビールのアルコール度数が高めなので先に前菜を出してくれました。
七菜はお酒が嫌いなわけではありません。
ただ飲みやすさを重視しているビールをプライベートで飲みたくないと考えているのです。
店主はペルジャンIPAというスタイルのクラフトビールを出してくれました。
普段はビールを飲まない七菜でも飲んでみるとすぐに味の違いに気がつきます。
2人が感じたフルーツのような香りはアロマホップでした。
クラフトビールは麦芽とホップ、そして水から醸造されます。
それぞれの種類や配合、発酵や熟成を工夫することによって個性的な味を楽しめるのがクラフトビールなのです。
七菜は飲んでいるうちに一意専心というクラフトビールが冷えていなくても香りや味わいが出てくることにも気づきました。
この出来栄えこそが醸造所のレベルが分かるものなのです。
一途に心を注いで醸造されたクラフトビールは色、香り、飲み口から後味に渡るまで丹念に作り込まれていました。
そんな一意専心に店主は聖護院大根の田楽を合わせてほしいと言ってきます。
店主の出してくれた繊細な料理に大満足した七菜は、いつの間にかこの時間を楽しむようになっていました。
そして自分のやりたかった仕事が一意専心のように一瞬でも人を喜ばせるものだったことに気がつかされます。
大事なことを思い出した七菜は店主にこのお店の勿体ない所をダメ出しすることにしました。
入り口を分かりやすくしたり、店の前に料理の写真を飾った方がいいことを伝えます。
するとプロカメラマンの男性客がクラフトビールと料理をセットにした写真を撮影してくれました。
アドバイスを聞きながら写真を見た店主は2人に思い切った提案をします。
果たして七菜たちの手によってこの店はどのように生まれ変わるのでしょうか!?
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『琥珀の夢で酔いましょう』を読んだ感想
コロナ渦の日本では高級なものを自宅で楽しむ人が増えているそうです。
その中でも自宅で美味しいお酒を楽しみたいという人は是非この作品を読んでほしいですね。
ビールに対する概念を変えてくれる『琥珀の夢で酔いましょう』!
お酒が好きな人はもちろんのこと、ビール初心者にもオススメしたい漫画です。
作品からビールの知識を学んで自分好みのクラフトビールを探してみてください。
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