ワンナイト・モーニングのネタバレ!奥山ケニチ漫画の魅力は?

今回は「奥山ケニチ」先生の『ワンナイト・モーニング』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

ワンナイト・モーニング』はこんな漫画(あらすじ)

タマゴサンドやおそば、ハニートーストなど人それぞれ大好きな朝ごはんがあると思います。

自分の好きな朝ごはんを好きな人と食べられたら、いつもよりも格段に味が良くなるかもしれません。

この物語は様々な男女の少し切ないラブストーリーと、幸せで美味しい朝ごはんの様子を描いていきます。

素直になれない同級生同士の男女や、セフレだったはずなのにお互いを求めあう男女の恋模様とそれぞれの朝ごはんを表現していく『ワンナイト・モーニング』

今回は恋愛漫画とグルメ漫画が融合した作品の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

新感覚のオムニバスグルメラブストーリーの世界観を存分にご堪能ください。

 

ワンナイト・モーニング』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

家で漫画を読んでいる宮川の元に岩本カナからメッセージが送られてきました。

カナ
「夜桜で花見しよーぜ」
宮川
「花見?」

突然のメッセージに宮川は困惑してしまいます。

しかし高校の頃から仲が良く、大学生になった今も交流があるため断ることはしません。

OKするとすぐにカナが家にやって来ました。

カナ
「わりと駅チカじゃん」
宮川
「なんでウチなんだよ」
カナ
「前にベランダから桜見えるって自慢してたから見に来てやったぞ」
宮川
「急だな」

文句を言いながらカナを家の中に招いていきます。

家に入るとカナが遠慮のない言葉を口にしました。

カナ
「おー、むさくて大学生らしい部屋だ」
宮川
「むさいは余計だっ」

昔から2人はお互いの気持ちを素直にぶつけ合える仲の良さを保っています。

カナは早速お目当てだった桜を見るため窓を開けました。

しかし桜がどこにも見当たりません。

カナ
「ではさっそく桜を拝見・・・どれ?」
宮川
「見えんじゃん!」

宮川が指を差した方向に桜はあるのですが、遠いためかなり小さく見えます。

がっかりしたカナは部屋で食事をすることにしました。

カナ
「あー、花見したかった、はぁーあ」
宮川
「う、うるせーな、今から行くか?」
カナ
「いい、外寒い」

愚痴をこぼしながら買ってきたサンドウィッチを食べ始めます。

その姿を眺めながら宮川は高校生の頃を思い返しました。

宮川
「岩本ってホントサンドウィッチ好きな」
カナ
「花見っぽいじゃん、てか宮川も昔から好きだろ」

2人が初めて会話をするきっかけになったのがサンドウィッチだったのです。

高校生の頃、宮川が購買へタマゴサンドを買いに行くと、最後の1つを取られてしまいました。

そのことを宮川が友人に愚痴ります。

宮川
「知らねー男にとられた」
カナ
「おい、あたしは女だ、バーカ」

現在のカナは女性らしい茶髪のロングなのですが、当時は宮川よりも短いヘアースタイルをしていました。

その後、2人は購買のサンドウィッチを買うため競争するようになっていきます。

宮川
「初めて会った岩本は俺より男らしかった」

結果はいつもカナが勝っていたのですが、ここから2人はどんどん仲良くなっていきました。

しかし恋仲に進展している訳ではありません。

当時のことを思い出しながらカナの顔を見ていると視線に気づかれてしまいます。

カナ
「ん?何見てんだよ、やんのか?おっ?」
宮川
「じょ、上等だ、つーかやたらと女子力高い格好してんな」

実はこの日、カナは先輩から誘われデートに行っていました。

男勝りなカナを知っている宮川はデートしてきたことに驚いてしまいます。

カナ
「髪伸ばしたら急にモテ始めてさ、うらやましいでしょ!」
宮川
「フーン、良かったじゃん」

食事を終えると眠くなったカナがベッドで寝てしまいました。

終電が無くなりそうなため仕方なく泊めることにします。

宮川は気を遣ってカナにそのままベッドを使わせることにしました。

しかし床に敷いた布団が冷たいためなかなか眠ることができません。

カナ
「寒いならこっち来れば?」
宮川
「え?いや・・・」
カナ
「ハハッ、何意識してんだスケベ」

2人はベッドで背中を合わせながら眠ることにします。

ですが宮川はカナのことを女性として意識し始めているので眠ることができません。

対照的に寝息を立てるカナが寝返りを打ちました。

こちらを向いたカナの寝巻が乱れているため肌が見えてしまいます。

ドキドキしている宮川はそのままカナの唇に自分の唇を重ねようとするのですが、途中でやめることにしました。

宮川
「何してんだ俺は・・・」

翌朝、早めに起きた宮川はサンドウィッチを作りカナを花見へ誘います。

大喜びするカナを連れて朝の公園でサンドウィッチを食べ始めました。

カナ
「卵がゴロゴロでうまっ!・・・宮川ありがとね」

花見の途中でカナが大学の先輩に誘われてしまうトラブルが起きたのですが、カナの手を握った宮川が先輩の誘いを断るため場所を変えます。

そのまま手を繋ぎながら宮川が素直な気持ちを告白しました。

宮川
「俺さ高校の頃、あんなに毎日タマゴサンド食べるつもりなかったんだぜ」
カナ
「は?何それ?だっていつも・・・」

顔を赤くしている宮川を見たカナは何を言いたいのかすぐに気づきます。

同じように照れるカナが宮川の背中を叩きました。

宮川
「ぐぇ!なにすんだよ!」
カナ
「べっつにー、あー眠っ」
宮川
「いやお前めっちゃ寝てたじゃん、お、起きてたの?」
カナ
「いくぞ根性なし!」

少しだけ素直になれた2人はここから交際をスタートさせることにします。

親友から恋人へ発展した2人の仲は順調に進んでいくのでしょうか!?

 

 

1話目は大学生の清々しい恋愛模様を描いていますね。

仲が良すぎるからこそ素直になれない2人の様子がチャーミングだと感じました。

グルメと恋愛を融合させた物語をオムニバス形式でお届けする『ワンナイト・モーニング』

2話目は社会人の男女がセフレから恋人へ進展していく様子を描いていきます。

ガラッと異なる雰囲気を引き続きお楽しみください。

後編

堀田と三津目は恋愛感情を抱かず、お互いの性欲を解消し合う仲になっています。

いわゆるセフレの2人はこの日も朝までセックスを楽しんでからホテルを出ました。

三津目
「すっかりあたたかくなりましたね」

週末にお互いが性欲を解消したくなったら連絡を取り、朝になるとそばを食べてから帰るというのが習慣になっています。

この日もいつも通り帰り道にそば屋へ寄ることにしました。

2人は同じ月見そばを注文することにします。

仕事も終わり休日を過ごすための体にそばが染み渡っていくことを感じながら食べ始めました。

堀田
「俺と三津目さんって似てるよね」
三津目
「何がですか?」
堀田
「いや食い方、先に麺を食べるとことか、すぐ卵潰しちゃうとこ」
三津目
「あぁ欲に弱いんじゃないですか?」

三津目の鋭い指摘に堀田は納得することができます。

数日後、2人はホテルで会う約束をしました。

いつものようにセックスを楽しむのですが、この日の三津目はいつもと様子が違います。

堀田
「今日なんとなくいつもより激しくなかった?」
三津目
「あの一つお伝えすることがあって、私地元に帰ることになりまして」
堀田
「え!?そうなの!?」

三津目は実家の長野県に帰ることが決まっていました。

いつもと様子が違ったのはこれが最後のセックスだと思っていたからかもしれません。

三津目
「なのでこういった事もこれで最後になります」
堀田
「あーそっかぁ」

最後だと確認し合った2人はホテルを出ることにしました。

そしてこれまでの関係をきちんと清算することにします。

三津目
「というわけで今までお世話になりました」
堀田
「いえいえこちらこそ」

お互い深々と頭を下げてから別れることになりました。

しかし帰り道、堀田はそばを食べ忘れたことに気が付きます。

いつものルーティンを守れなかったことが気がかりな堀田は、最後にそばだけ食べに行こうと誘うことにしました。

最初は会うことに抵抗していた三津目も堀田の気持ちを理解してくれます。

三津目
「そばだけですよ」

こうして2人は最後のそばを食べることになりました。

堀田は食事をしながら三津目が実家に帰ることになった経緯を聞くことにします。

堀田
「長野にはいつ?」
三津目
「明後日の新幹線で」
堀田
「へー・・・なんでまた?」
三津目
「父の仕事を手伝うんです、あとお見合いしてくれって泣きつかれて」

三津目は実家でお見合いをすることになっていました。

28歳になっている三津目は親を安心させるためお見合いをすることにしたそうです。

堀田
「そっか・・・ちなみにどんな人がタイプなの?」
三津目
「んー・・・私みたいな人じゃなければ」

結局この日もそば屋を出ると2人はホテルへ行ってしまいました。

2日後、三津目のことが気になる堀田は様子を見るため東京駅へ向かうことにします。

すると新幹線のホームで友人に見送られる三津目を発見しました。

しかし物陰から見るだけで声をかけることはできません。

堀田
「おっと・・・あぶねぇ・・・って何がしたいんだ、俺は」

三津目と目が合いそうになった堀田は逃げるように構内のそば屋へ向かいます。

そこでいつものように月見そばの食券を買おうとすると三津目が声をかけてきました。

三津目
「ここで何してるんですか?」
堀田
「乗ったんじゃなかったの?」
三津目
「私が乗るのは次のです・・・というか泣いてます?」
堀田
「え?うわっ、ホントだ、やばっ!」

知らず知らずのうちに堀田は涙を流してしまっています。

泣いているところを見られたのは恥ずかしいのですが、ここで堀田は自分の気持ちにようやく気が付くことができました。

三津目
「どうしたんですか?」
堀田
「いや・・・その・・・なんというか俺、三津目さんのことが好きみたいです」
三津目
「なんですか・・・それ、私帰るんですけど」
堀田
「お、俺じゃダメかな!?結婚!」

最初は愛情など抱かずに性欲だけを解消するために三津目と関係を持ち始めたのですが、いつの間にか堀田は彼女のことが好きになっていたのです。

急にプロポーズされた三津目も自分の気持ちに気付いたのかもしれません。

三津目
「じょ、冗談よしてくだ・・・うーん、でも堀田さんと私似てるからなー」
堀田
「そ、そこはさ!ポジティブに捉えていこうよ!」

こうして堀田と三津目の新たな物語が始まっていくことになったのです。

似た者同士の恋模様はハッピーエンドを迎えることができるのでしょうか!?

 

ワンナイト・モーニングを読んだ感想

1話目とは違って割り切った関係の男女が自分の気持ちに気付く様子を描いた大人の恋愛ストーリーになっていますね。

特に別れを悟った堀田が涙を流したシーンにグッときました。

食事という普段の行動も好きな人と一緒なら幸福感がアップすることを表現した『ワンナイト・モーニング』

イケメンや美少女の恋愛ではなく一般人の恋模様を描いているからこそ共感できる内容になっています。

登場人物たちに感情移入しながら身近な物語を満喫してみてください。

 

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