死化粧師のネタバレ(漫画)！エンバーマーの仕事内容とは？

今回は「三原ミツカズ」先生の『死化粧師』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『死化粧師』はこんな漫画(あらすじ)

エンバーミングとは遺体に防腐、殺菌、修復などの処置を施してから生前の姿に限りなく戻す技術です。

この技術を持つ者は死化粧師(エンバーマー)と呼ばれていて、土葬が中心のアメリカでは弁護士と同等の地位を確立しました。

しかし火葬を主に行う日本ではまだまだ普及していません。

間宮心十郎は日本では数少ない死化粧師で、彼は亡くなった人間の最後を鮮やかに演出することで遺された者の心を癒していきます。

死と再生をテーマにしながら感動の人間ドラマを紡いでいく『死化粧師』！

今回はエンバーマーを題材にした漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

遺体を美しく修復することで心が救われる人々の姿から感動を味わってみてください。

『死化粧師』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

間宮心十郎が2人の女性と寝ています。

するとここの大家の孫に当たるアズキがやって来ました。

「この必要以上におキレイな顔がルアーだとすると、昨日はブラックバスが2匹かかったというわけね」

部屋を片付けるため女性を追い出します。

女性たちとアズキが揉める声で心十郎が目を覚ましました。

「アズキ・・・」

「あのね心十郎さん、大家は便利屋じゃないんだからね、おじいちゃんも何でこんな人に大事な教会貸すかなあ」

心十郎は教会で暮らしながらエンバーマーとして働いています。

そしていつもアズキが心十郎の生活をサポートするようになっていました。

「お前ってペンギンに似てるなー」

「何それっ、だいたいねー・・・」

「ペンギンって可愛くない？腹へった、何か作って？」

仕方なく料理を作ってあげることにします。

そのまま部屋の片付けを終えると心十郎の仕事部屋が目に留まりました。

アズキは一度も仕事部屋に入ったことがありません。

「ねー、お仕事部屋も掃除しよっか？」

「駄目、ここは聖域だから」

普段の心十郎はアバウトな性格なのですが、仕事に関してはとても真面目なため仕事部屋は見せてくれません。

線引きされた事に少しだけガッカリしたアズキは片付けを済ませるとバレエのレッスンに向かうことにします。

するとその道中、先輩の詩織が車に乗せてくれました。

詩織は次の公演で眠れる森の美女のヒロインであるオーロラ姫を演じることが決まっています。

しかし今のバレエスタジオでは新米組のため周囲からはあまり良く思われていません。

それでも詩織は初めて見たバレエが眠れる森の美女だったことから今回のキャスティングを喜んでいます。

レッスンを終えたアズキと詩織がカフェで話していると富行という男性が現れました。

富行は詩織の婚約者で2人は眠れる森の美女の公演が終わると結婚式を挙げる予定になっています。

「いいなあ、詩織さん、人生の夢イッキに2つも叶えちゃって」

幸せそうな先輩を羨ましいと思うアズキ。

話が終わってカフェを出ると心十郎が待っていました。

「アズキ！腹へったー、アーズーキー」

「心十郎さん、たのむから少し離れて歩いてくれる？」

「なんで？」

「目立つから！」

モデルのような風貌をしている心十郎は女性から注目されてしまいます。

そんなイケメンと歩いていると変な目で見られるためアズキは心十郎と一緒に歩きたくありません。

「さっき一緒にいたの誰」

「見てたの！？詩織せんぱいに手出したら許さないからね」

結婚を控えている先輩の幸せを邪魔してほしくないためくぎを刺します。

ですが心十郎の興味は詩織に向いてはいません。

「じゃなくて男の方」

「ばっ・・・そういうシュミもあるの！？あの人は詩織さんの婚約者！」

「ふーん、あ、そう」

何を考えているのか分からないためアズキは呆れてしまいます。

2人が話をしながら心十郎の家へ帰ると、外壁に“ゾンビやしき”という落書きがされていました。

「あーまたっ、近所のガキどもー！」

アズキは怒るのですが心十郎は全く気にしていません。

「誤解と偏見には慣れてるよ、エンバーミングは土葬中心のアメリカじゃ当たり前に行われてるけれど・・・日本は火葬だし宗教観も違うからなじみにくいんだろう」

心十郎が語るように日本ではエンバーミングが定着していないのです。

その中で心十郎はプロのエンバーマーとして死者と遺された者たちの心を癒していくことになるのでした。

エンバーミングという職業を耳にしたことがある人は少ないかもしれません。

だからこそこの作品を読むことで素晴らしい職業が存在していることを認識できると思いました。

亡くなった人と遺された人の絆を深める素敵な仕事を生業としている主人公の活躍を描いていく『死化粧師』！

読んでいるうちに涙が止まらなくなる感動作です。

遺された者に寄り添う主人公の姿に注目しながら続きをご覧ください。

後編

家に落書きをされた心十郎はエンバーミングが日本に定着していないことを実感しています。

「でも故人の尊厳を守る事と遺族の悲しみを和らげる事、国境を越えてもこの基本姿勢は変わらないんだ」

いつもはふざけている心十郎なのですが仕事の話をしているときは真面目な表情を見せてきます。

アズキはその表情を見ているうちにドキドキが止まらなくなりました。

「そんな顔しないでよ、私だけにしか見せない顔だとカン違いするじゃない」

声には出しませんが他の人に心十郎の真面目な表情を見せたくありません。

そのことに気付いていない心十郎がデリカシーのない発言をしてきます。

「だけど今一番問題なのはハラがへって倒れそうだという事実」

「ありがとう、現実に戻してくれて」

アズキが現実に戻っていた頃、詩織は婚約者の富行と公演で着用する衣装を眺めていました。

幼い頃に両親を亡くした詩織は人一倍努力を重ねてヒロインの座を勝ち取ったため感慨深そうに衣装を抱きしめています。

しかしこの日の夜、詩織に思いもよらぬ悲劇が起きてしまいました。

詩織の運転する車が大型トレーラーと接触事故を起こしてしまい、彼女は帰らぬ人となってしまったのです。

知らせを聞いたアズキが病院に駆けつけると、富行が無残な姿になった詩織の前で悲しみに暮れていました。

事故の衝撃で詩織の遺体はボロボロの状態になっています。

この状況を知ったアズキはすぐに心十郎へ電話をかけることにしました。

「はい間宮・・・アズキ？」

「・・・っく・・・ぅ・・・お願い心十郎さん・・・詩織さんを助けて・・・あげて」

アズキから連絡を受けた心十郎がすぐに病院へ駆けつけます。

そして落ちこむ富行に事情を話し始めました。

「もうすぐ葬儀会社が遺体を引き取りに来るんです、損傷があまりにひどいのでそのまま火葬に・・・よろしければ詩織さんを私にお預けいただけませんか？」

「何しようって言うんです・・・」

「時間を戻すんです、生前の詩織さんの姿に」

「戻るわけない、あの傷だらけの顔が・・・切断された足が！彼女はもう踊れないんだ・・・」

詩織は事故の衝撃で足が切断されてしまっています。

そのため富行は心十郎の言葉を信じることができません。

「いいえ大丈夫です、詩織さんの場合全く修復できない状態ではありません、ご希望の服をお着せする事も可能ですし、ほぼ無菌状態になりますからお別れのキスもできます」

「本当に・・・そんな事ができるのか・・・？」

ここから心十郎が詩織の時を戻し始めます。

まずアズキにガーターベルトを買いに行かせるとエンバーミングを開始しました。

「・・・若きプリマに天国の幸多からん事を・・・」

数時間後、葬儀が始まるとオーロラ姫の衣装を身に纏った詩織が生きている時と変わらない状態で棺の中で眠っています。

そして切断された足はガーターベルトを利用して元の状態に戻っていました。

富行は心十郎に感謝しながら柩の中の婚約者にキスをしていきます。

「富行さんがね、心十郎さんにウェディングドレスをありがとうって、オーロラ姫のチュチュだったのにね・・・」

「アズキ、サムシングブルーって知ってるか？」

「へ？」

サムシングブルーとは花嫁が幸せになるように願いを込めたおまじないです。

しかしアズキはサムシングブルーの意味が分かりません。

「お前にゃ一生縁がないかもなあ」

仕事を終えると元のふざけた態度に戻った心十郎。

それでも彼は亡くなった若きプリマを最高の形で見送ってあげたのです。

果たして次はどのような遺体にエンバーミングを行うのでしょうか！？

『死化粧師』はこんな人にオススメ

漫画を読んで感動したい人にオススメの作品です。

珍しいエンバーマーという職業にスポットを当てていますので、新鮮味を感じられる物語になっていますよ。

亡くなった人の最後を美しく彩っていく『死化粧師』！

自分が亡くなったときにエンバーミングを施してほしいと思わせてくれる作品です。

主人公に救われる遺された者たちの姿から大きな感動を味わってみてください。

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