今回は「漫画 栗美あい 原作 雪村花菜」先生の『紅霞後宮物語～小玉伝～』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『紅霞後宮物語～小玉伝～』はこんな漫画(あらすじ)
女性でありながら武官として活躍する関小玉(かんしょうぎょく)は大宸国の将軍という地位まで上り詰めることができました。
ここから先も剣を手に取ってどこまでも駆け抜けていくことを誓う小玉。
しかし副官として自分を支えてくれた周文林(しゅうぶんりん)が突然大宸国の皇帝となり、小玉を自分の妃である皇后の座に据えてしまいました。
訳も分からず小玉は戦場から後宮に入ることになったのですが、そこは思いもしなかった女の戦場だったのです。
軍人から皇后に成り上がったヒロインのシンデレラストーリーを綴っていく『紅霞後宮物語～小玉伝～』！
今回は大国の内部争いをテーマにした漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
規格外のヒロインが後宮で大暴れする様子をじっくりとお楽しみください。
『紅霞後宮物語～小玉伝～』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
健光2年、大宸国将軍である小玉が戦に向かう準備を整えています。
小玉は戦に向かう前、いつも自分の髪を切ることが慣例となっていました。
この日も髪を切り落としていると、副官の文林が小玉の元を訪れます。
2人がテントを出ると部下たちが戦況を分析していました。
今回の敵は朝廷に不満を抱える義賊たちで、元地方軍の武官が首領を務める軍勢は3500人ほどです。
ただし義賊といっても軍勢の8割はただのごろつきと予想されるため、小玉たちは夜明け前までには戦を終わらせようとしていました。
戦の準備が整うと小玉が兵士たちのモチベーションを上げるため演説を始めます。
小玉の言葉で軍勢が活気づきます。
こうして小玉たちの戦いがスタートしました。
16歳の頃に初陣を迎えた小玉はがむしゃらに戦い続けて、今では将軍の地位まで上り詰めています。
そしていつでも片腕と呼べる副官の文林が隣で小玉を支えてくれていました。
武官として活躍する小玉は土埃と汗、そして血で汚れる人生こそが自分の生きる道だと確信しています。
この想いを抱える小玉は今回の戦でも勝利を収めることができました。
34歳になった小玉は訳も分からず皇后になっていたのです。
小玉が皇后になったきっかけは4年前、先代の皇帝が崩御したためでした。
4年前、皇帝が崩御したことによって新たに文林が皇帝の座に即位します。
小玉はずっと一緒に戦ってきた文林が皇族の血筋であることを知りませんでした。
その後、3年間顔を合せなかった文林から急に呼び出された小玉。
久々の再会を果たしたのですが、小玉は会うなり文林の顔に水を浴びせました。
小玉は出世など望んでいません。
しかし文林はどうしても彼女のことを出世させたいと考えていました。
大宸国には皇后が兵を率いた前例があり、文林は小玉に皇帝直属の親衛隊を指揮させようと思っていたのです。
皇帝になってからの3年間で文林の身に何があったのかは分かりません。
以前は上官と副官という立場だったため、2人は最もお互いを知り尽くした仲でした。
ですが現在は皇帝と武官という立場上、文林が何を考えているのか理解できません。
果たして小玉は文林の希望通り皇后の座を受け入れるのでしょうか！？
農民の出身でありながら戦場で活躍し、将軍にまで上り詰めた小玉のカッコ良さが際立っていますね。
男勝りな小玉を必死に支える文林も素敵なキャラクターだと思いました。
信頼し合っていた小玉と文林が戦いの場を後宮へと移していく『紅霞後宮物語～小玉伝～』！
物語はここから女の熾烈な戦いを描写していきます。
後宮で始まる権力争いを引き続きご覧ください。
後編
3年という月日が経過したため、小玉は皇帝になった文林が何を考えているのか分かりません。
しかし懇願されたため感傷に浸った小玉は皇后になることを決意します。
1年後、小玉は皇后になったことを後悔していました。
髪を整えてくれる侍女に愚痴をこぼしています。
大宸国では妃嬪階級が20種類に分類されていて、小玉が後宮に入ったときは13番目の階級でした。
類まれな才能を誇る小玉は1年間でトップに当たる皇后まで上り詰めたのです。
侍女は小玉の才覚を讃えてくれるのですが、自分では皇后という地位が相応しいとは思えません。
少しだけ皇后という地位にうんざりしていると本日の予定を伝えられます。
皇后は後宮の管理に加えて外交や人事まで幅広い仕事を行わなければなりません。
この日はまず妃嬪たちが皇后になったお祝いの挨拶をしてくれることになっていました。
面倒だと思うのですが妃嬪たちを出迎えなければなりません。
仕方なくお目通りの許可を与えます。
すると後宮に3人の妃嬪がやって来ました。
まず小玉に挨拶をしたのは第2皇子の母親で、階級が皇后の1つ下に当たる高貴妃です。
続いて皇后の2つ下に当たる司馬淑妃が挨拶をしました。
司馬淑妃は第1皇子の母親であるため、本来は次期皇后になると噂されていた人物です。
そのため司馬淑妃は小玉が皇后になったことが面白くないと感じていました。
対照的に高貴妃はいつも笑っているため心が読めません。
続いて階級は下から数えたほうが早いのですが、美貌で人気を集める李才人が挨拶をしてきます。
3人それぞれが思惑を抱えていて、後宮を取り仕切る小玉は彼女たちを掌握しなければいけません。
小玉は軍を率いていた時とは異なる采配を振るうことになったのです。
一方その頃、皇帝として忙しい日々を送っている文林は小玉の様子を気にしていました。
部下から小玉が滞りなく生活をしていることを聞いた文林はホッとしているようです。
しかし小玉が暮らしている紅霞宮では異変が起こっていました。
何者かが深夜に忍び込んで小玉が眠る寝台の脇に豚の頭部を置いていったのです。
この事件によって後宮で働く者たちは大騒ぎするのですが、小玉はまったく気にしていません。
軍人として戦場を駆け回ってきた小玉にはこの程度の嫌がらせは通用しないのです。
肝が据わっている小玉は嫌がらせで置かれた豚の頭を煮込んで食べてしまいました。
そんな小玉はここからいろいろな意味で歴史に名を遺す皇后となっていきます。
様々な思惑が渦巻く後宮を小玉はどのように仕切っていくのでしょうか！？
激化する女たちの権力争いは実際に漫画を読んでお確かめください。
『紅霞後宮物語～小玉伝～』を読んだ感想
農民出身のヒロインが一気に皇后まで駆け上がる姿はまさにシンデレラストーリーだと思いました。
後宮で繰り広げられる権力争いを武官らしく堂々とした態度で臨んでいく姿も素敵ですね。
妃嬪階級を巡る女性の争いを描いていく『紅霞後宮物語～小玉伝～』！
現代ではありえない壮絶なバトルを目に焼き付けてください。
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