今回は「池上ナオ」先生の『いじめのケジメ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『いじめのケジメ』はこんな漫画(あらすじ)
17年前、高校教師をしていた天野穿の元に1冊の黒い手帳が届けられました。
手帳に綴られていた内容は天野が担任していたクラスで行われていたイジメの顛末です。
天野はイジメがあったことを気付いていなかったため、イジメの被害に遭っていた地賀創という生徒を探すことにしました。
しかし地賀創は行方不明となっていたため八方塞がりになってしまいます。
そんな中、イジメに加担していた当時のクラスメイトが次々と殺害されてしまいました。
イジメに気付かなかった教師、悪意を持って同級生をイジメた高校生、そして復讐を成し遂げようとする犯人の運命を描いていく『いじめのケジメ』！
今回は社会問題となっているイジメをテーマにしたサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
想像を絶する展開が連続する物語をハラハラドキドキしながらお楽しみください。
『いじめのケジメ』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
現在の日本ではイジメの認知件数が年間54万件以上報告されています。
17年前、ある高校でも凄惨なイジメが行われていました。
イジメの被害者は地賀創という男子で、彼はクラスメイトたちからダーツの的にされています。
このクラスではイジメに加担するものと傍観するものに生徒が二分されていました。
しかしこのクラスを担任している天野はイジメに気がついていません。
地賀創は天野にイジメの事実を訴えかけるのですが、報復を恐れたため真実を伝えることができませんでした。
17年後、天野の元に1冊の黒い手帳が届けられます。
手帳には地賀創がイジメを訴える内容が記されていました。
担任していたクラスの実情を知ることになったのが、差出人不明で送られてきた黒い手帳の存在だったのです。
ここから天野は地賀創を救えなかったことを激しく後悔することになりました。
天野は地賀の両親に土下座で謝罪をした後で職を捨て地賀の行方を追うことにします。
イジメに気づけなかったことを謝りたい一心で天野は地賀創の捜索を開始しました。
すると半年後、天野の元に大きな手掛かりが舞い込みます。
それは教え子が全身に火傷を負って殺されたという訃報でした。
この訃報を知った天野は教え子が運悪く亡くなったと思い込みます。
しかし事件の詳細を知っていくうちにただの訃報ではないことに気がつきました。
黒い手帳に書かれていたイジメの手口と、教え子が殺害された手口が酷似していたのです。
共通点に気が付いた天野はすぐに黒い手帳を持って警察へ向かいました。
天野の熱意が伝わり警察も行方不明になっている地賀創を重要参考人として捜索してくれることを約束してくれます。
またしても担任をしていたクラスの生徒が死んでしまいました。
この事件を知った天野は強い後悔の念に襲われます。
17年前、担任をしていた天野は地賀創に対して行われたイジメに全く気付くことができませんでした。
そのためもしも連続して起こっている殺人事件がイジメを原因としているなら絶対に止めなければなりません。
天野が続いて捜索することにしたのは由人葵という女子生徒でした。
ですが由人葵がイジメに加担していたかは現時点で分かっていません。
それでも手掛かりが他にないため天野は由人葵の捜索を開始することにします。
もしも本当に一連の事件がイジメのけじめだとすれば何としても負の連鎖を止めなければいけません。
果たして天野は17年前の後悔を払拭することができるのでしょうか！？
17年後にイジメの実態が明らかになったことで様々な人の運命が一変する様子にスリルを感じました。
本当に殺人事件がイジメを原因としているのかも気になる所ですね。
後悔を背負った元教師が殺人事件の犯人に迫っていく『いじめのケジメ』！
イジメがどれだけ悪いことなのかを教えてくれるサスペンス漫画になっています。
犯人を予想しながら続きをご覧ください。
後編
殺人事件の被害者にある法則を見つけた天野は、由人葵が暮らしている町にやって来ました。
テントの中で由人葵の手掛かりを探していると、外からイジメられている小学生の声が聞こえてきます。
天野が外を見てみると3人が1人の女の子をイジメていました。
女の子は母親が作ってくれたキーホルダーを返して欲しいと訴えています。
しかしイジメっ子たちはキーホルダーを分解して捨てようとしていました。
仕方なく仲裁に入ろうとするのですが、天野よりも先に女の子の母親が助けに入ります。
母親は娘を助けに来たのですが、小学生を相手に暴力を振るい出しました。
その様子を近所の人が動画で撮影し始めたので天野が止めに入ります。
イジメられていた女の子の母親は天野が探していた由人葵でした。
ですが由人は天野のことを覚えていません。
また彼女は学生時代とは様子が別人のように変化していました。
現在の由人葵は他人を寄せ付けないような鋭い目つきをしています。
驚きながら天野は由人を落ち着かせると自分のことを思い出してくれました。
殺人事件の被害者は出席番号の順番を逆戻りするように殺されていたのです。
由人は次が自分の番であるかもしれないことを理解していました。
しかし彼女は天野とこれ以上話す気はありません。
止める天野を無視するように由人は娘を連れて帰ってしまいました。
このままでは問題が解決しないため天野は途方に暮れてしまいます。
一方、天野とは対照的に帰宅した由人は卒業アルバムを眺めながら強張った表情を浮かべていました。
翌朝、もう一度天野が由人の家を訪ねます。
由人の家へ行くと娘がドアの外で座っていました。
家の中に入らない理由を聞いてみると娘は母親がいなくなったと泣き出します。
泣き出した娘のポケットには天野に宛てた由人からの手紙が入っていました。
由人は娘を残して姿を消してしまったのです。
天野には由人が何を考えているのか分かりません。
一方その頃、地賀をイジメていた主犯格の盛角進という青年に犯人の魔の手が迫っていました。
盛角は高校時代、出席番号の順番が由人の1つ前だった人物です。
犯人はこのまま盛角を殺害してしまうのでしょうか！？
そして姿を消した由人は事件とどのような関りを持っているのでしょうか！？
事件の真相と犯人の目的は実際に漫画を読んでお確かめください。
『いじめのケジメ』を読んだ感想
過去に起こったイジメの内容や、同級生たちがそれぞれどのようにイジメと関係したのかが少しずつ明らかになっていく点が面白いですね。
その中でもイジメに加担したいたのか不明で、さらに突然失踪した由人の存在が気になりました。
事件の全貌に関わる伏線が幾重にも張り巡らされた『いじめのケジメ』！
謎解きが好きな人にはたまらない物語になっています。
犯人の予想をしながらイジメという社会問題と向き合ってみてください。
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