今回は「石川優吾」先生の『湖底のひまわり』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『湖底のひまわり』はこんな漫画(あらすじ)
猛暑の影響によって東京では35日連続で雨が一滴も降っていません。
観測史上最長記録となった猛暑によって、東京の水がめとして利用されている群馬県青旗ダムが干上がってしまいました。
この渇水で27年前にダムの底に沈んだ青旗村が姿を現します。
出版社で働いている戸草拓郎は青旗村の出身だったことから、ダム建設の直前に起きた小学生行方不明事件を取材することになりました。
当時のことをあまり覚えていない拓郎だったのですが、青旗村でとんでもない事態に巻き込まれてしまいます。
27年前の失踪事件が少しずつ解明されていく『湖底のひまわり』
今回はノスタルジックなファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
予想外な展開が連続する物語をお楽しみください。
『湖底のひまわり』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
テレビで東京が35日連続で雨が一滴も降っていないことを報道しています。
この渇水は気象庁の観測が始まって以来、最長記録を更新してしまいました。
戸草拓郎は猛暑の中、冷やし中華の取材をしていますが水不足のため提供しているお店が見つかりません。
愚痴をこぼしますが今日中にあと三軒の取材を命じられています。
項垂れながら歩いていると電器店から渇水関連のニュースが聞こえてきました。
異常な渇水によって東京の水がめである群馬県青旗ダムが干上がってしまい、27年前ダムに沈んだ青旗村が姿を現したそうです。
ダムの近辺は工事前に整地されていたので堆砂がむき出しになっていました。
しかし上流には普通に家が建っています。
家屋を撤去しなかったことには哀しい事情がありました。
出版社に戻った拓郎が編集長と一緒にニュースを見ています。
テレビの画面には拓郎が暮らしていた駐在所が映されました。
青旗村の家屋が撤去されなかった哀しい事情は、廃村式の日に小学生3人が行方不明になったためです。
捜索が長引いたため最後まで残っていた家屋を取り壊せませんでした。
クラスメートだと知った編集長が戸草に取材の指示を出します。
取材のテーマは帰省した戸草が27年前、ダムの底に沈んだ友達を捜すというものに決まりました。
すぐに戸草は故郷の群馬県青旗村へ向かいます。
青旗村は戸草が物心ついた頃にはすでに首都圏の電力保持及び治水を目的とした国主導のダム建設計画が進んでいました。
三人の捜索は一カ月に渡って警察や消防、村をあげて行われましたが手掛かりは見つかりません。
その結果、平成の神隠しと呼ばれるようになりました。
村に到着するとダムは通行止めにされています。
くれぐれも村には下りないことを約束すると取材の許可が出ました。
また行方不明になった子供の遺体を見つけないようくぎを刺されます。
橋の上を歩いていくと沈んだ村が見えてきました。
故郷のことを思い出せない戸草は行き止まりのバリケードを乗り越えてダムの底へ進んでいきます。
とても廃村のようには見えません。
驚いていると遊んでいる子供の声が聞こえてきます。
ダムに沈んだはずの青旗村に何が起こっているのでしょうか！？
異常気象によって沈んだ村がダムの底から姿を現したセンセーショナルなニュースから物語が幕を開けましたね。
青旗村が戸草の故郷だったこともタイムリーですね。
謎めいた神隠しの真相に迫っていく『湖底のひまわり』
取材で訪れた戸草に不可思議な運命が待ち受けています。
少しずつ過去と現在が繋がっていきますよ。
後編
写真を撮影しながら村を歩いていると実家が見つかりました。
中に入ってみると戸草の部屋も残っています。
窓から外を眺めていると、、子供が戸草の名前を呼んできました。
子供を追いかけようとしたのですが階段で足を滑らせてしまいます。
階段から転落した戸草の頭に過去の記憶が蘇ってきました。
平成7年8月30日、青旗村では翌日に廃村式が行われる予定になっています。
戸草は友達3人と家出の計画を立てていました。
岩ちゃんがミキちゃんと孫ちゃんに家出する準備ができたか確認します。
2人はしっかりと家出の準備を済ませていました。
ですが決行を目前にしたところで、戸草はお金を盗んだことが父親にバレてしまいます。
罰として戸草は外出を禁止されました。
翌日、廃村式を前に5年生の3人が家出したことが発覚します。
転落して頭を強打したことで大切なことを思い出しました。
しかしどうして記憶が曖昧なのかは分かりません。
再び村の中を歩き始めると学校からチャイムが聞こえてきます。
チャイムに誘われた戸草が歩いていくと目の前にひまわり畑が広がりました。
ダムの底に沈んでいたはずの青旗村に、どうしてひまわり畑が残っているのか状況を理解することができません。
それでもひまわり畑の中を進んでいくことにします。
ひまわり畑を抜けると校庭で小学生たちが遊んでいました。
その中には戸草が仲良くしていた3人が居ます。
休むはずだった戸草のことをミキちゃんが気にかけてくれました。
他にも岩ちゃんと孫ちゃんが戸草に声を掛けてきます。
急いできた道を引き返すことにしました。
ですが先ほどまであったはずのひまわり畑が見当たりません。
ひまわり畑ではなく27年前ダムに沈んだ青旗村の光景が目の前に広がっています。
岩ちゃんが追いかけてきたので戸草は思わず逃げ出してしまいました。
逃げ回りながら村の様子を観察します。
村の中では普通に人が歩いていて、お土産店も営業していました。
商店街の中を走っていると、建物のガラスに映った姿が戸草を驚愕させます。
スーツは着ていますが身体のサイズが小学生に変わっていました。
過去にタイムスリップした戸草は行方不明になった3人の友達を救えるのでしょうか！？
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『湖底のひまわり』を読んだ感想
作品のタイトルとストーリーがリンクしているので読みやすかったです。
タイムスリップをテーマにした物語は数多くありますが、廃村や神隠しという設定は斬新ですね。
ノスタルジックな世界観で読者を魅了する『湖底のひまわり』
1995年当時の雰囲気も丁寧に描写されています。
現代とは異なる時代背景も楽しんでみてください。
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