地図にない場所のネタバレ(漫画)!第4話と第5話の見所は?

今回は「安藤ゆき」先生の『地図にない場所』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『地図にない場所』はこんな漫画(あらすじ)

成績優秀な兄とイケメンの弟に挟まれた土屋悠人(つちやゆうと)は、中学1年生にして人生が終わったと絶望しています。

自分よりも終わった人が見たくなった悠人は隣人の宮本琥珀(みやもとこはく)を訪ねることにしました。

天才バレリーナとして大活躍してきた琥珀は怪我で引退し、家族がいない天涯孤独な状況だったのです。

いざ会ってみると琥珀は想像とは違い、とても明るく前向きな女性でした。

ただしバレエを引退したことで1度目の人生が終わったことは自覚しています。

そんな琥珀と接しているうちに悠人は世界に受け入れられた気分を味わうことができました。

お互いの存在によって悠人と琥珀が新たな人生を切り開いていく『地図にない場所』

今回は切なくて優しい人情噺の第4話からネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

イズコを探し始めた2人の冒険譚が綴られていますよ。

 

『地図にない場所』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第4話

少しずつ距離が縮まってきた2人は下の名前で呼び合うようになっていました。

宮本琥珀
「ねえユート、地図にない場所って知ってる?」
土屋悠人
「はい、イズコのことですよね?」

イズコはこの地区に伝わる都市伝説のようなもので、まだ誰も見つけていない地図にない場所のことです。

悠人も小学3年生の頃に友達とイズコを探したことがありました。

もちろんイズコを見つけたわけではありません。

宮本琥珀
「イズコ知ってるんだー、まだ受け継がれてんだねー、すごーい」
土屋悠人
「え、ていうか、そんな昔からあったんですか、イズコの噂って」

若く見えますが琥珀は30歳です。

中学生の悠人にとっては昔の人だと感じてしまいました。

琥珀が小学生の時にもイズコの噂はあったそうです。

しかしコハクがイズコを探すことはありませんでした。

宮本琥珀
「あたしは放課後はずっとバレエしてたから、クラスの子が話してるのを盗み聞きしてただけ」
土屋悠人
「放課後のつきあい悪いと、クラスメートって疎遠になりますもんね・・・」

引退するまで琥珀はバレエに全てを捧げてきたので、学生時代に友達を遊ぶ時間はなかったのです。

そのためイズコのことは噂だけを耳にした程度でした。

宮本琥珀
「あれって結局誰か見つけたのかなー」
土屋悠人
「見つけたってきいたことないですよ、ただの都市伝説でしょ」

悠人はイズコを見つけた人のことなど聞いたことがありません。

あくまでもイズコは都市伝説なのです。

スマホで検索してもそういう噂があるという情報しか見つかりません。

同級生に聞いてもガセ情報しか出てこないので、3歳上の兄に聞いてみることにします。

兄はイズコを探したこともありましたが、見つからなかったので都市伝説という結論に達していました。

宮本琥珀
「ただの都市伝説なのかなあ、イズコだよ、イズコ」
土屋悠人
「ああ、あ、トマトはくし形に切ってください」

バレエ一筋だった琥珀はくし形の切り方が分かりません。

悠人がスマホでくし形の画像を見せてあげます。

宮本琥珀
「なんでこれがくし形なんだろ、コームと関係ない?こんなに時代を越えて知られてるのに!」
土屋悠人
「くし形が?」
宮本琥珀
「イズコだよ、イズコ!」

文脈が滅茶苦茶なので会話の流れに乗れません。

ただ悠人が幼かった頃にもイズコ探しが流行った時期はありました。

しかし手掛かりが見つからないためブームは1カ月で去ってしまいます。

土屋悠人
「地図を見ながら歩いて確かめて、最初はそれ自体がちょっと楽しかったけど、ところでコハクさん、コンソメの素ってありますか?」

琥珀がキッチンの引き出しから物を適当に出し始めました。

あっという間にキッチンが散らかってしまいましたが、コンソメの素を見つけることができます。

コンソメの素を使って2人はスープを完成させました。

宮本琥珀
「できたね!わーい初料理!これなんていう料理?」
土屋悠人
「スープです、魚が入ってる」

検索した画像とは出来上がりが全く違います。

見た目だけでなく味も薄いのですが琥珀は喜んでくれました。

宮本琥珀
「ありがとうユート!一緒に料理できて楽しかった!」
土屋悠人
「次はもっと計画的に作って、おいしいもの目指しましょう」
宮本琥珀
「え、また一緒に作ってくれるの?うれしい!」

ありがとうや嬉しいという言葉を聞くと、この場所にいてもいいと感じてきます。

悠人は琥珀と一緒に居る時間が心地良くなってきました。

土屋悠人
「あの、なんでコハクさんそんなにイズコのこと気にしてるんですか?」
宮本琥珀
「楽しそうだから」

言われるまで思い出さないようなことを琥珀が思い出したのは、子供の頃の彼女が楽しそうなことを我慢しなければいけなかったためかもしれません。

つまり琥珀はやりたいことも何も経験していないのです。

一旦帰宅した悠人が再び琥珀を訪ねました。

土屋悠人
「2週間後から期末テストが始まるんです、だからテスト勉強とかありまして、だから終わったら一緒に、イズコ探ししませんか?」
宮本琥珀
「へへ、もしかして催促しちゃった?うん!しよ!」

琥珀と悠人のご近所探訪記はどのような展開を迎えるのでしょうか!?

 

 

大人の琥珀と中学生の悠人に年齢差を感じないところが新鮮でした。

まだ少女のような琥珀と、コンプレックスのせいで殻に閉じこもっていた悠人だからこその関係性なのかもしれませんね。

失った青春を取り戻したい琥珀と、居場所を探す悠人の絆を描写した『地図にない場所』

琥珀の前だけ悠人は普通の中学生に戻れるのかもしれません。

飾らない琥珀の純粋さが悠人に良い影響を及ぼしていきますよ。

第5話

悠人の学校で期末テストが始まりました。

土屋悠人
「みんな、なんでそんな早く解けんだよ・・・劣等感で前より周囲が気になってしまう、落ちつけ、早さじゃない、集中!」

集中したいのですが周りの音に気を取られてしまいます。

落ちつくことができず空欄をかなり作ってしまいました。

休み時間になると兄貴は頭がいいのにという話し声が聞こえてきます。

気になってしまいますが悠人のことではありません。

まだまだ兄に対するコンプレックスは解消していないようです。

帰宅すると母親にテストの結果がやっぱりダメだったのか聞かれました。

土屋悠人
「やっぱり・・・」

やっぱりという言葉で無意識に悠人を傷付けた母親は無理しなくてもいいと言ってくれます。

進級さえできれば構わないと気を遣われました。

土屋悠人
「ムリしないと進級もどうなるかじゃん」

悠人を兄と同じ学校に入れたのは母親です。

それなのに今さら兄と悠人は違うと言ってきました。

会話したくない悠人は部屋で勉強することにします。

土屋悠人
「よし、明日の教科やろ、落ちこぼれだからって投げ出すわけにはいかない」

まだ始まったばかりなので諦めるわけにはいきません。

投げ出さなかったこともあり、3日間のテストをとりあえず切り抜けることができました。

疲れ切った悠人はすぐ帰ることにします。

土屋悠人
「帰ってまたお母さんに何か言われたらやだな・・・コハクさんに期末終わったの報告しに行こうかな」

琥珀の家に寄ってみることにしました。

しかし残念ながら琥珀は留守です。

土屋悠人
「不思議だ、あんな散らかった部屋にこんなに行きたくなるなんて、てか、さらにひどくなってないか心配・・・」

ガッカリしながら帰宅しました。

夕食が終わると父親が部屋にやって来ます。

父親は頑張りすぎている悠人を心配していました。

頑張りすぎるぐらいなら兄と同じ高校を選ばなくても構わないと言ってくれます。

どのように頑張るかは悠人が選ぶべきなので、ゆっくり考える時間をくれました。

土屋悠人
「めっちゃ心配されてんなぁ、そらそーか、なんか・・・疲れた・・・一回全部忘れたい・・・」

早く明日になってほしいと願います。

明日になれば琥珀との楽しい時間が全てを忘れさせてくれるかもしれません。

宮本琥珀
「あ、ユート、いらっしゃい!」
土屋悠人
「てかコハクさん!部屋どうしたんですか!?片付いてる・・・」
宮本琥珀
「ふふふー、人に手伝ってもらって一緒に片付けたの」

相続でお世話になった税理士さんが手伝ってくれたそうです。

散らかっていた部屋は2日で片付きました。

片付いている状態をキープできている事にも感心します。

土屋悠人
「成長しましたね!」
宮本琥珀
「え?ありがとう、ユートはテスト終わったんだね、お疲れさま!」

琥珀が頭を撫でてくれました。

それだけなのに悠人の気分が明るくなります。

土屋悠人
「その植木鉢どうしたんですか?」
宮本琥珀
「リタイアしたあとといえばガーデニングでしょ?」
土屋悠人
「そうなんですか?」

琥珀の気まぐれかもしれませんが植木鉢を見ていると落ち着いてきました。

ただ落ち着いた気分を琥珀が吹き飛ばします。

宮本琥珀
「植木鉢買った花屋さんに地図にない場所のこときいてみたんだけどさー、やっぱり子どもの時に一回流行ったんだってー」
土屋悠人
「え?花屋さんに?きいたんですか?」
宮本琥珀
「うん、スーパーの人にも宅配便の人にもきいた」

人との距離感が近い琥珀に驚かされました。

悠人は琥珀が人よりも好奇心旺盛な気がしてきます。

土屋悠人
「それで、どうでした?」
宮本琥珀
「みんな子どもの時に流行ったって」
土屋悠人
「そんなにいろんな歳の人が知ってるんですね、イズコのこと」
宮本琥珀
「ね、びっくり」

これだけ有名なら本当に見つかるかもしれません。

人生が終わった2人の冒険は幕を開けたばかりなのです。

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『地図にない場所』はこんな人にオススメ

人間の感情を丁寧に表現したヒューマンドラマを探している人にオススメの作品です。

同じような境遇を真逆の捉え方で向き合う琥珀と悠人が、己の生き方にどのような結論を出すのか気になって仕方なくなりました。

長い人生について考えるきっかけを与えてくれる『地図にない場所』

純粋に人生を楽しめなくなった大人に読んでもらいたい漫画になっています。

ポジティブな琥珀の姿から元気を貰ってみて下さい。

 

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