ふることふひとのネタバレ(漫画)!無料の試し読み情報も!

今回は「風越洞 壱村仁」先生の『ふることふひと』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ふることふひと』はこんな漫画(あらすじ)

倭と称られてきた国が日本という国号を用い始めた頃、神々の子孫は飛鳥浄御原宮で栄華を極めていました。

中臣史はその中で没落氏族となってしまいましたが、父親の藤原鎌足が偉大過ぎるおかげで飛鳥浄御原宮に舞い戻ることができます。

周囲から様々な雑音が聞こえても中臣史は気にせず勉学に励んでいました。

無位無官の官人見習いとして雑用をこなしていると、日本を統べる天皇の大海人大王から呼び出されます。

招請された中臣史に大海人大王から密命が下されました。

歴史の教科書でしか読んだことのない古代の日本を舞台にした『ふることふひと』

今回は歴史が好きな人にはたまらない漫画についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

日本人の殆どが知っている歴史書がテーマになっていますよ。

 

『ふることふひと』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

昔々、天の世を統べる天照大御神が天石屋戸にお籠りになられた時のことです。

天地が闇に覆われてしまい困り果てた八百万の神々は、窮地を脱するため知恵を出し合うことにしました。

ある者は鏡を作り、ある者は玉を作り、ある者は供物を捧げ、ある者は祝詞をあげ、ある者は舞を踊ったそうです。

外はまだ暗いのに神々が賑わっていることを天照大御神は不思議に感じました。

そこで籠っていた戸を少し開けて楽しそうにしている理由を尋ねます。

すると舞を踊っていた神が、貴方様より尊い神が見つかったと答えました。

また別の神が石屋戸の前に鏡を掲げると、覗き込もうとした天照大御神を引っ張り出すことに成功します。

こうして世界に光が戻りました。

おめでたい結末なのですが、鏡に映し出された天照大御神よりも尊い神が何者なのかは古事記にも語られていません。

中臣史
「こ・・・こら!やめなさいカクさん、それはっ食べられないの・・・!」

無位無官の官人見習いとして故郷に戻って来た中臣史が、鹿に帯をかじられてしまっています。

心配してくれた乳母の春女が駆けつけてくれるのですが、中臣史は懐いてくれる鹿をこの地で初めてできた唯一の友だと説明しました。

没落氏族の中臣史はお家再興のため人脈を作らなければなりません。

しかし現在の中臣史には身近で支えてくれる人がいるだけで充分だと考えています。

神代の頃より時は下り、それまで倭と称されてきた国は日本という国号を用い始めました。

天より降った神々の子孫は、飛鳥浄御原宮で栄華を極めています。

中臣史もそのうちの一人なのですが、現在の彼は宮中で最もトレンディな訳あり没落氏族のお坊ちゃんとして注目を集めていました。

女性たちは容姿端麗な史がまだ独り身なので、昔のような地位があれば完璧だと残念がっています。

男性たちは成り上がりが元に戻っただけと馬鹿にしていました。

ここまで史が注目を集めている理由は、父親が教科書に載っている超大物政治家の藤原鎌足だからです。

超大物政治家唯一の後継者はこの日もストレス社会を懸命に生きていました。

中臣史
「宮に出仕してから毎日飽きもせず噂話ばかり、それほどまでに父が偉大だったという事か、私が十二の頃に亡くなってもう随分経つというのにな・・・」

勉強していると先生から雑務を頼まれます。

雑務の内容はメモに記された大量の書簡を調達して欲しいというものでした。

中臣史
「わかりました、行って参ります、もう憶えました」

すぐに記憶した史が書庫へ向かいます。

その様子を他の者たちは栄華を極めた藤原の後継者が雑務をしているのを嘆かわしいと嘲笑っていました。

宮中の広い書庫で頼まれた書簡を探しているうちに、史は幼い頃に先生から学んだものを思い出します。

昔から書を読むのが好きだった史は憶えが良いと褒められました。

中でも一番気に入っていたのは国の成り立ちの話です。

先生からはその内容を一字一句間違えることなく憶えてくださいと言われました。

中臣史
「天地・・・初めて発けし時タカマナノハラに成りし神の名はアメノミナカヌシノカミ、次にタカミムスヒノカミ、次にカムムスヒノカミ、此の三柱の神は並独神と成り坐して身を隠しましき・・・」

今でも史は教わったことを忘れていません。

そのまま大量の書簡を運ぶと重さで手が痺れます。

周囲の者にはその姿も笑われてしまいました。

中臣史
「ふん・・・笑いたければ笑えばいい、雑用だって大舎人の立派な務めだ」

大舎人は無位無官の官人見習いで、現代社会に例えるなら下っ端のペーペーです。

この時代はいかなる有力氏族もまずは大舎人として数年間修業を積み、実績に応じて冠位が定められていました。

つまり能力が無い者はいつまでも出世できない完全実力主義社会だったのです。

中臣史
「春女には悪いが友人など作れる筈もない、私が宮中で向けられる視線に好意的なものなど一つもないのだ」

自分のことを誰も知らないところで生きられたなら楽かもしれません。

史は自分ではない誰かになることを望むようになっていました。

普通では叶わぬ望みですが史は千載一遇のチャンスを掴むことになるのです。

 

 

学生の頃に勉強した藤原鎌足の後継者が主人公なので想像力を膨らませながら読むことができますね。

没落氏族に向けられる悪意や敵意にもリアリティーを感じました。

奈良時代を舞台に日本の歴史が変わる物語を紡いでいく『ふることふひと』

中臣史に与えられた役目は歴史上の偉大な出来事に関わっています。

少しずつ明かされる事実に胸が震えてきますよ。

後編

熟睡できず目を覚ました史は早めに屋敷を出ることにします。

そのおかげで誰の目にも触れずに歩くことができました。

中臣史
「まだ薄暗い静かな朝、まるでこの世に私しかいないかのような・・・そうでもなかった、一体誰だ、こんな早朝から、あれは確か同じ大舎人の・・・」

清々しさを感じていたのですが、大舎人の1人が草むらで何かを探しています。

気になった史が近づくと落ちていた木簡を蹴ってしまいました。

中臣史
「えーと・・・那ぞ理の奴・・・夜の・・・麻が登る・・・?何だこの支離滅裂な文は・・・麻は朝の書き違いか?」
太安萬侶
「おい!勝手に見るな!」

木簡を奪い返すと大舎人が立ち去っていきます。

史は何が何だか良く分かりません。

仕方なく宮中に向かうと大王から呼び出されました。

中臣史
「大王直々の・・・しかもご内密の話・・・?」

驚きながらすぐ内裏に向かいます。

後宮には父が嫁がせた姉と妹がいると聞いていますがほとんど面識はありません。

もしも異母姉妹について聞かれても困ります。

姉妹だけでなく父親のことを聞かれても答えられません。

中臣史
「中臣史、招請に応じ参りました」

許可が出たので大王と接見します。

日本を統べる大海人大王に接見すると、史はついつい見入ってしまいました。

大海人大王
「中臣・・・?藤原を名乗っておらぬのか」
中臣史
「・・・それは父が先皇より賜った氏名、私の功績ではございませぬ故・・・」
大海人大王
「成程、中臣は古来より宮中祭祀を司る一族、神と人の間を取り持つ者・・・という意であるとか、下の名は誰が付けた」
中臣史
「我が師、田邊史大隅の姓から頂いたものです、師は父に仕え記録係の長を務めておりました、私の義父でもございます」

大王は神と通じ史を編む意味の名前を気に入ってくれます。

そして中臣史の名前に相応しい役目を与えたいと言ってきました。

大海人大王
「神代より連なりし邦家の史書、古事記の編纂だ」
中臣史
「・・・ふること・・・ふみ・・・史書の編纂・・・?」

思っていた話と違います。

既にこの国には天皇の系譜を記した史書と、神語を記した史書が存在していて諸氏族がそれらを有していました。

しかし多くが各々の自家に都合よく改纂され偽りの史書に成れ果てています。

ここで歴史を正さなければ真実が滅びてしまうかもしれません。

かつて聖徳太子は同様に憂い、蘇我馬子と共に史書を編纂し完成した書を蘇我の元に納めました。

大海人大王
「汝れの父である藤原鎌足と吾が兄である先皇、この二人の謀により蘇我本家が滅び屋敷が炎上した際、史書もまた焼失してしまった、と伝えられているが実際は鎌足が配下の史部を使って燃え盛る屋敷の中から史書を持ち出したらしい」

史書の内容は史の師である大隅によって誦習され、今は史の頭の中にあることを告げられます。

史は師から国の成り立ちを一字一句憶えて欲しいと言われた時、それがいつの日か必ず史の力になると言われていました。

中臣史
「ですが私の記憶を頼らずとも焼失を免れた史書が現存するのでは・・・」
大海人大王
「最早それも行方知れずだ、恐らく近淡海朝と共に滅したのだろう、故に今一度文字に書き起こさねばならぬ、ただし二つの決め事を守れ」

一つは平安山を終えるまで内密に遂行することです。

もう一つは和文で書き記さなければなりません。

中臣史
「和文・・・?」

大王は皇子たちにも各地の伝承を収集させ史書の編纂を行わせていました。

しかしこれらは外国に向け漢文で記したものなのです。

大海人大王
「中臣史、偽りを削り実を定め正しき古事を後の世に伝えよ」

役目を聞き終えた史はこれが父親の計略だということに気付いていました。

父親は娘たちを後宮に、そして息子には出世の道を用意していたのです。

しかし史の望みは出世ではありません。

中臣史
「心得ました、ならば編纂後も私の名は秘したままにして下さいませ、改変により地位を築いた中臣の子の史書など誰が信用するでしょうか、偽りの名であれば最初の決め事も守れましょう」

史は古事に聡く語部の巫女を輩出している一族の稗田という女性の名前を申し出ます。

女性の名であれば史と疑う者はいません。

大海人大王
「それでは汝れの功績にはならぬぞ」
中臣史
「構いません、それが私の唯一の望みでございます」

史はここで父を断ち切って誰でも無い自分に成ると決めました。

大王も史の申し出を受け入れてくれます。

大海人大王
「若いな、まあ良い、気が変わったらいつでも申せ」

ですが古事記を編纂する役目には大きな問題が残っていました。

二つ目の決め事に関して史は漢文意外に文章を綴る術を持っていません。

日本語で正確に読めるよう口伝を書き記すことは容易ではないのです。

ここで史が早朝に出会った大舎人が持っていた木簡の不可解な文字の羅列を思い出した。

今考えれば夜の麻が登るはやまとという日本語の表音だったのです。

中臣史
「お・・・おります!それが可能な者を一人だけ存じております!その者の力を借りる事が出来るのであれば・・・」
大海人大王
「名は?」
中臣史
「私と同じく大舎人に属します、太安萬侶でございます」

大王に太安萬侶の存在を伝えたので協力を得られるはずですが、史には大きな不安が残されていました。

この国の歴史を書に綴られることは大歓迎です。

しかし偽名を使って女性に成りすますので、太安萬侶に正体を見破られてはいけません。

翌日、古事記の編纂を始めるため史と太安萬侶が顔を合わせることになりました。

太安萬侶
「朝命により参じた太安萬侶である、誰かいるか」
稗田阿禮
「お待ちしておりました、安萬侶様、お初にお目にかかります、語部の稗田、名を阿禮と申します、以後お見知り置きを」

太安萬侶の前に現れたのは女装した史です。

もちろん太安萬侶は稗田阿禮が史であることに気が付いていません。

ここから中臣史こと稗田阿禮と太安萬侶、たった二人の手によって古事記の編纂が始まったのです。

 

『ふることふひと』を読んだ感想

ふることふみと呼ばれることもある古事記が編纂された史実を物語に上手く取り入れていると思いました。

稗田阿礼も太安万侶も歴史上実際している人物なのでストーリーに深みが感じられますね。

日本の歴史が刻まれた古事記を題材にした『ふることふひと』

大王からの密命によって協力することになった稗田阿礼と太安万侶の人間関係もリアルに描かれています。

もしも本当に稗田阿礼が史だったと想像しながら読んでいくと、物語の世界観に引き込まれていきますよ。

 

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