今回は「原作 末永裕樹 作画 馬上鷹将」先生の『あかね噺』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『あかね噺』はこんな漫画(あらすじ)
桜咲朱音(おうさきあかね)は幼い頃、父親の志ん太が喋る落語に魅了されました。
落語家は前座・二ツ目・真打という三種類の階級に分類されています。
真打を目指していた志ん太は真打への昇進試験へ挑戦することにしました。
しかし朱音と妻の真幸を支えなければいけないというプレッシャーに押し潰されそうになります。
そんな時に志ん太を救ったのが朱音と真幸の存在でした。
愛する家族のおかげで息を吹き返した志ん太は真打昇進試験に合格できるのでしょうか!?
落語界の魅力を丁寧に表現していく『あかね噺』!
今回は人情噺が魅力的な漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
斬新な視点で落語界を表現した素敵な作品をじっくりとお楽しみください。
『あかね噺』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
ガラガラの客席の前で朱音の父親・阿良川志ん太が落語を披露しています。
たまに笑いは起こりますが盛り上がっている訳ではありません。
その理由を気負い過ぎているためだと注意されます。
二ツ目として活動している志ん太は真打への昇進試験を控えているので固くなっていました。
早く真打にならなければ家族を養っていくことができません。
落ち込んでいると朱音の学校から電話がかかってきます。
その頃、朱音は相談室に呼び出されていました。
理由はクラスメイトの男子を泣かせたためです。
駆けつけた男子の母親は朱音から事情を聞こうとするのですが、興奮していて話を聞いてくれません。
先生が宥めても落ち着いてくれないので、朱音は落語風の話し方で事情を説明します。
事の始まりは5時間目の国語の授業で、尊敬する人をテーマにした作文を発表していた時でした。
作文を読んでいると男子がお前の父親はヒモだとヤジを飛ばしてきます。
男子は母親から朱音の父親がヒモだと聞いていました。
父親をバカにされたことで怒った朱音は、男子が泣くまで責め立てたのです。
それでも母親は泣かせた方が悪いと謝罪を求めてきました。
駆けつけた志ん太が朱音の口を手で塞ぎます。
しかし朱音は納得することができません。
志ん太が丁寧に謝罪したので男子の母親は落ち着いてくれました。
ただ志ん太にも言いたいことが無い訳ではありません。
帰り道の途中で志ん太は落ち込んでいる朱音にアイスを買ってあげます。
しかしなかなか食べようとしません。
落語家は下から前座、二ツ目、真打の三階級んい分かれていて、志ん太は二ツ目です。
ですが今度の試験に合格すれば真打になることができ、出演料が上がればヒモだとバカにされるようなことはありません。
家に帰った志ん太は食事の準備を済ませると、落語の稽古を始めました。
娘と妻を守っていくためには必ず真打に昇進しなければいけません。
気合を入れて稽古をする中、その様子を襖の隙間から朱音が見つめています。
朱音はここから志ん太の噺を見るのが大好きなのです。
覗いている朱音の目には意地悪な人や怒りっぽい人、呑気な人の姿が見えていました。
まるで3人が話しているように見えてしまう志ん太の技術に感動します。
この魔法のような話芸で試験に合格し、志ん太は晴れて真打に昇格できるのでしょうか!?
娘と妻のために真打を目指す志ん太の努力に感動しました。
大好きな父親をバカにされ憤慨した朱音の姿にも家族愛が感じられますね。
落語の世界を鮮やかに表現していく『あかね噺』!
様々な人間ドラマが絡み合う読み応え抜群の物語です。
昇格試験で見せる志ん太の技術にご注目ください。
後編
いよいよ志ん太の昇格試験当日を迎えました。
朱音は母親の真幸と会場を訪れています。
はしゃいでいると志ん太が弟子入りした阿良川志ぐま師匠が姿を見せました。
阿良川流の真打昇進試験は出演者の噺をお客と師匠が審査します。
審査結果を集計し技量を認められた者だけが真打に昇進できる仕組みとなっていました。
しかも今年の審査委員長は志ぐま師匠の兄弟子で、当代一の呼び声高い阿良川一生です。
失敗すれば自分のせいで朱音が再び同級生からバカにされるかもしれません。
さらに経済的に真幸に負担を掛けてしまいます。
不安で気持ちが押し潰されそうになっていました。
ですが志ん太には落語しか生きる道がありません。
覚悟を決めると阿良川流真打昇進試験が幕を開けました。
最初の出場者は志ん太です。
志ん太は座った瞬間に寄席とは全く違う重たくて冷たい空気を感じ取りました。
お客も自分を値踏みするような目でこちらを見ています。
枕を喋り始めるのですが思っていたよりも笑いが起こりません。
焦った志ん太は喋るテンポがどんどん速くなっていきます。
テンポが悪くなりますますウケないので、冷静さを失ってきました。
静かな会場から朱音の声が聞こえてきます。
声を聞いた志ん太は真幸から朱音が落語の真似事をしていると聞かされた時のことを思い出しました。
落語は簡単に覚えられるものではありませんが、真幸は朱音にセンスを感じていて、娘に見限られないため早く真打に昇進することを勧めてきます。
朱音が見ている前で恥ずかしい姿を見せる訳にはいきません。
真幸の言葉を思い出すと志ん太の喋りが雰囲気を変えていきます。
雰囲気だけでなく表情も堂々としてきました。
枕を終えた志ん太が芝浜という演目を喋り始めます。
志ん太の雰囲気が変化したことで、審査員たちの注目が集まり出しました。
芝浜は腕は良いのですが酒に溺れてしまい借金生活を送っている魚屋の勝五郎が、芝の浜で財布を拾ったことをきっかけに商人としての矜持を取り戻していく人情噺です。
本来なら芝浜では勝五郎が芝の浜に行く場面が醍醐味なのですが、志ん太はあえてその場面をカットしました。
落語家は演目に自分の色を足して披露するものなので、大筋さえ合っていれば設定とオチを変化させても構いません。
志ん太は見せ場の風景を語るよりも人を語る道を選んだのです。
なかなか昇進できない志ん太なのですが演技力は高く評価されていました。
演技力が高い志ん太は表情や手の動きで登場人物の感情を描写することができ、彼の言葉は説得力があるので観客を噺に引き込んでいきます。
普段は真面目過ぎる性格が邪魔してこの才能を発揮できていません。
しかし大切な場面で演技力を開花させました。
朱音の目には志ん太が演じる女房の造形が母親の真幸と重なります。
この姿こそが朱音と真幸に見せたい自分の姿でした。
志ん太は志ぐま師匠に弟子入りしてから13年落語に打ち込み続けてきたのですが、思ったように芽が出なくてろくな稼ぎもありません。
それでも真幸は志ん太に落語を諦めろと言ったことはありませんでした。
朱音はこんな自分を大好きだと言ってくれています。
全てを注ぎ込んだ芝浜は観客を魅了しました。
果たして真打昇進試験の結果はどうなるのでしょうか!?
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『あかね噺』を読んだ感想
家族のために真打を目指す志ん太と、彼を支える朱音と真幸の愛情に感動しました。
夢を追いかけ続けることの難しさと、家族がサポートする重要性も丁寧に表現されていますね。
落語家として大成するため努力を重ねるヒロインの人生を綴っていく『あかね噺』!
志ん太の真打昇進試験の結果によって朱音の人生が大きく変化していきます。
朱音の運命を変える試験の結果を読み逃さないでください。
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