ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-のネタバレ(漫画)!

今回は「浅山わかび」先生の『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』はこんな漫画(あらすじ)

特別な記憶力を誇る高校生の当麻健匠は公園で発生したカラスの変死事件を、同級生で法獣医学者を目指している茨戸爽介と共に解決しました。

この事件から当麻も獣医師を志すようになります。

そんなある日、茨戸の姉で獣医師の雷火(らいか)が勤務する大学にタヌキの死体が運ばれていました。

タヌキの死因を探っているうちに当麻と茨戸は意外な問題に遭遇してしまいます。

高校生の2人が直面した問題とは・・・!?

動物の命と向き合う感動作に仕上がっている『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』

今回は当麻と茨戸の距離が縮まる第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

研究材料として運び込まれたタヌキの死と向き合う2人から大切なことを学んでみてください。

 

『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

当麻には痛みを伴う過去の記憶があります。

小学生の時、柔道少年団に入っていた当麻は1週間の合宿に出かけました。

その間に飼っていた愛犬が死んでしまいます。

当麻が母親に死んだ理由を尋ねると、寿命だったと説明されました。

しかし具体的ではないので納得することができません。

当麻健匠
「母さんは答えてくれなかった、俺はただただ考えていた、妹はそんな俺を変に思ったらしい、まったく泣いてなかったから」

当時のことを思い出すと今でも棘を刺されたような痛みを感じます。

高校生になった現在の当麻は、茨戸と出会ったことで獣医師を目指すようになっていました。

茨戸爽介
「なぁ・・・」
当麻健匠
「何?茨戸」
茨戸爽介
「・・・いや」

元々、茨戸は人付き合いが得意なタイプではありません。

この日も当麻には茨戸が殻に閉じこもっているように感じます。

当麻健匠
「なんだよ、教えてよ、このポケットに入ってるのあげるから」
茨戸爽介
「ゴミじゃん」

ポケットから出したのはゴミだったのでガッカリされてしまいました。

それでもしつこく尋ねると、研究センターにタヌキが運ばれてくることを教えてくれます。

獣医師を目指している当麻は、茨戸の姉が働いている研究センターに連れて行ってもらうことにしました。

当麻健匠
「茨戸ってさ、将来は獣医師になるって決めてんだよな?姉さんの仕事手伝ってさ、勉強に時間を当てなくていいのか?」
茨戸爽介
「勉強はいつでもできるけど、現場での経験はそのタイミングでしかできない、貴重だろ」
当麻健匠
「だよな」

真面目な茨戸に感心しながら美森大学に到着しました。

すると茨戸の姉で獣医師の雷火が出迎えてくれます。

茨戸雷火
「当麻くん、よく来た!」
当麻健匠
「茨戸に誘われて」
茨戸雷火
「うんうん!茨戸じゃあ爽ちゃんと私がごっちゃね、私のことは・・・」
当麻健匠
「雷火さんですね」

記憶力が優れている当麻は雷火の名前をしっかりと覚えていました。

覚えていたことを雷火は喜んでくれます。

そんな雷火が今回研究するのは亡くなったタヌキで、じゃがいも農家の鈴木さんが敷地内で発見しました。

鈴木さんは研究材料として雷火にタヌキを提供してくれたのです。

茨戸雷火
「この個体、まだ若そうだね」
当麻健匠
「・・・なんで死んだんだろう・・・」

準備を整えると解剖が始まりました。

解剖は雷火が手際よく進めていきます。

茨戸爽介
「内臓破裂してる」

タヌキは肝臓と胃の周辺が破裂していました。

当麻はタヌキ同士が戦ったと思うのですがそうではありません。

タヌキの死体には外傷がなく内蔵だけが破裂しています。

そのことから大きな衝撃を内部に受けて亡くなったことが分かりました。

解剖が終わると雷火は内臓の保存を茨戸に指示します。

当麻健匠
「待ってください・・・内臓破裂になった原因は?」
茨戸爽介
「たぶん交通事故、死因は内臓破裂による失血死」
当麻健匠
「たぶんねぇ・・・」
茨戸爽介
「外傷がなく内蔵だけやられてる交通事故のケースはいっぱいある、人間だった場合、青タンになるからわかりやすいけど動物は体毛があるしクッションになる」

当麻は死因を特定したいのですが、今回はカラスの変死事件みたいに依頼を受けた訳ではありません。

タヌキの死体は研究材料として提供してもらっただけなのです。

そのため事件性はありませんでした。

当麻健匠
「でも交通事故じゃないかもしれないんだろ?」

当麻はここからタヌキの死因を独自に調べることにします。

どうして当麻は死因にこだわるのでしょうか!?

 

 

動物の死因を解明する職業にスポットを当てた斬新な物語に面白さを感じました。

普通の人なら見過ごしてしまうところに、物事の本質が隠されているのかもしれませんね。

獣医師を目指す高校生の成長をテーマにした『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』!

タヌキの死因が人間の生活と意外なところで関係していることを学べる第2話になっています。

当麻が動物の死因にこだわる理由にもご注目ください。

後編

現地に行って死因を調査することにした当麻は、研究センターで出会った農家の鈴木さんについてネット検索してみました。

すると住所が分かったのですぐに現地へ向かいます。

鈴木さんと会えたのですが、タヌキの死体を発見した孫娘たちはショックを受けているので話を聞く事はできません。

孫娘たちは鈴木さんたちに内緒でタヌキに餌を上げていたそうです。

しかしタヌキは林の奥にある溜め池で亡くなっているところを発見されました。

当麻が溜め池を見に行くと近くから自動車の走行音が聞こえてきます。

この状況なら茨戸が言っていた通り交通事故が死因なのかもしれません。

当麻健匠
「お孫さん達、タヌキが事故に遭ったって知ったら悲しむよな・・・」

鈴木さんの孫娘たちはタヌキをペットのように可愛がっていたそうです。

そのことを思い返していると、愛犬が死んだ時も泣いていなかったのでペットを失った人の気持ちが分からないと妹に言われた言葉が思い出されました。

茨戸爽介
「よう、鈴木さんに聞いた」
当麻健匠
「二輪の免許持ってんのか!カッケェ!」
茨戸爽介
「うん、だから自慢も兼ねて」

ここから当麻はバイクで駆けつけてくれた茨戸と調査を進めていきます。

しかし交通事故に遭ったことを否定するような証拠は見つけられません。

亡くなったタヌキは生まれてから半年ほどが経過していました。

タヌキは子供が成長するまで家族が見守るので、ちょうど子別れの時期だったと推察されます。

子供は親の行動権を出るため遠方へ移動するので、普段は避けている道路を横断したのかもしれません。

考えれば考えるほど交通事故の可能性が拭えなくなってきました。

当麻健匠
「お孫さん達も溜め池から引き上げたけど手遅れだったらしい・・・」
茨戸爽介
「子供がタヌキを引き上げたって?その時溜め池の中に入ったのか?」

レプトスピラという微生物を保有したタヌキと一緒の溜め池に入った子供たちは、もしかしたら感染症を患っているかもしれません。

タヌキから感染するレプトスピラ症は4類感染症に指定されています。

危険を感じた当麻と茨戸はすぐに鈴木さんの元へ向かいました。

レプトスピラ症は発症から2週間ほど潜伏期間があり、その後は高温の発熱と頭痛を発症します。

ただし早期に適切な治療を行えば死亡率は高くありません。

それでも汚染している水や土に素足で入ったことによる感染は現在も報告されていました。

レプトスピラは経皮感染するので皮膚をすり抜けてしまうのです。

大至急向かったことで鈴木さんの孫娘たちが命の危険に瀕することはありませんでした。

当麻健匠
「茨戸ってさペット飼ってる」
茨戸爽介
「何?何を聞きたい?」
当麻健匠
「いや・・・ペットが死んだらどう思う?」
茨戸爽介
「・・・悲しい・・・って思って死因を調べる」

事態が落ち着いたので2人は食事をすることにします。

そこで聞いた質問に茨戸はもしもペットが死んだら徹底的に死因を調べると答えました。

当麻健匠
「それって悲しんでるの?」
茨戸爽介
「悲しんでるよ、悲しみ方なんて人それぞれだろ、辛い顔して泣いている人だけが悲しんでいるってわけでもない、俺は調べる、当麻は・・・心で泣いてずっと考えてそう」

茨戸は命の終わりを悲しいという気持ちだけで終わらせたくないと考えています。

もしかしたら普通の人には理解してもらえないかもしれませんが、死を引きずって考え続ける人間が報われる時があることを信じていました。

ただし今は断言することができません。

当麻健匠
「そこは言い切って欲しかったなあ」

愛犬が亡くなった時に当麻が泣かなかったのは悲しくなかった訳ではないのです。

ただ純粋に亡くなった理由を知りたかっただけでした。

その気持ちを理解してもらえて少し救われた気持ちになった当麻だったのです。

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ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-のネタバレ(漫画)!

2022.07.24

 

『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』はこんな人にオススメ

斬新なサスペンス漫画を読みたい人にオススメの作品です。

登場人物たちの心を震わせてくれるセリフの数々は必見モノになっていますよ。

人それぞれ価値観が違うことを肯定してくれる『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』

普段は見過ごしてしまう野生動物の命に向き合うことを教えてくれる素敵な物語です。

動物が好きな人はこの漫画を読んでみてください。

 

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