今回は「漫画 大谷紀子 原作 池井戸潤」先生の『空飛ぶタイヤ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『空飛ぶタイヤ』はこんな漫画
赤松運送という小さな会社を経営している42歳の赤松徳郎。
ある日、従業員が運転するトレーラーが脱輪事故を起こしてしまいます。
脱輪したタイヤは歩道にいた主婦を直撃し、死亡事故となってしまいました。
この事故が整備不良と判断され責任を追及される赤松運送。
しかしこの結論に納得できない赤松は、真実を追求するため孤独な戦いに挑み始めます。
実際に起きた脱輪事故を基にした社会派ドラマの『空飛ぶタイヤ』！
今回はこの注目作の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
ドラマと映画にもなった衝撃作を是非この機会にチェックしておいてください。
『空飛ぶタイヤ』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
ホープ自動車というメーカーのビューティフルドリーマーというトレーラーを使用している赤松運送。
赤松徳郎が事務作業をしていると、赤松運送に1本の電話がかかってきました。
電話に出たのは専務の宮代直吉です。
従業員の安友が起こしたのは人身事故でした。
赤松は詳細を知るため、すぐに警察署に向かいます。
警察からはトレーラーから外れたタイヤが歩いていた主婦に激突し、女性の死亡が確認されたことを伝えられました。
ショックを受けながら、赤松は安友にも事情を聴くことにします。
安友は40㎞ほどのスピードでトレーラーを走行していました。
トレーラーを運転する安友はその途中、ゆるいカーブの手前でブレーキをかけるとガクンという大きな衝撃が起きたそうなのです。
その衝撃音が鳴った次の瞬間、左のタイヤが空を飛んだと証言する安友。
有り得ない事態に警察も事故の原因を特定するのに時間がかかっていました。
そんな中、赤松は亡くなった主婦の葬儀に出席することにします。
丁寧に謝罪するのですが、妻を亡くした男性から帰ってくれと言われてしまいました。
謝意を伝え仕方なく葬儀場を後にする赤松。
しかし事故の原因が赤松運送にあったと特定されたわけではありません。
そのため赤松と運転していた安友は逮捕されることはありませんでした。
赤松はこの間に事故の原因を独自に調査することにします。
ですが過積載など運転手の過失は見当たりませんでした。
すぐに整備士の門田駿一から事情を聴くことにします。
23歳の門田はチャラチャラした風貌のため、いつも赤松から注意を受けていました。
赤松はいつの日か門田が態度を改めてくれると思い、彼を雇い続けていました。
しかしもしも彼の仕事に落ち度があったとしたら見逃すわけにはいきません。
そのため強い口調で門田を詰問していきます。
すると門田が急に暴れ始めました。
他の従業員が止めようとするのですが言うことを聞いてくれません。
こうして会社を飛び出していった門田。
ですがこれで問題が解決した訳ではありません。
果たして赤松運送が起こしてしまった事故は、一体何が原因なのでしょうか！？
某自動車メーカーがリコールによって引き起こされた横浜母子3人死傷事故。
物語を読んでいくとこの事故を基にしたことがよく分かりますね。
当時の日本を震撼させた悲劇を題材にしている『空飛ぶタイヤ』！
ここからいよいよ赤松が事故の真相を究明しようとしていきます。
人情味あふれるストーリーにも注目しながら続きをお楽しみください。
後編
事故が起きて以来、赤松運送には連日のように陸運局の監査が入っていました。
その監査は徹底的な検査を行っていたのですが、結果は赤松運送に不備はないと判断されます。
赤松はこの結果にホッと胸をなで下ろしていました。
すると宮代が赤松に重大な報告を伝えに来ます。
宮代が持ってきたのは、事故車両の整備記録でした。
中を見てみると、そこには法律で定められたものよりも厳しく点検した内容が記載されています。
自分の勘違いだと分かった赤松はすぐに門田の元へ向かいました。
すると門田の家には彼女がいて、詳しい話を聞いてみることにします。
彼女から門田が赤松運送に愛着を持っていたことを聞いた赤松。
従業員を守らなければならないことを痛感し、彼女から門田の居場所を教えてもらいます。
素直に自分の誤りを認め、門田に戻ってきて欲しいという思いを伝えました。
しかし門田はすぐに戻ろうとはしません。
必死に戻って来て欲しい想いを伝えます。
その熱い想いが伝わり門田は翌日から会社に戻って来てくれました。
こうして赤松運送の社員は一丸となることができたのですが、新たな問題が巻き起こっていきます。
大口の取引先に呼び出された赤松。
まだ警察の調査結果は出ていないのですが、取引を中止したいと言われてしまったのです。
しかし世間的には赤松運送の整備不良が原因だと噂されていました。
そのため赤松が懇願しても、取引先の決断が変わることは無かったのです。
赤松の頭の中には、倒産の二文字がよぎっていました。
その後、赤松は資金繰りのため銀行に融資を申し込むことにします。
必死に融資を頼み込む赤松だったのですが、銀行も事故を理由に融資を承諾してくれませんでした。
仕方なく一旦は引き下がることにした赤松。
そんな中、ホープ自動車から事故の分析結果が公表されました。
結果は赤松運送の整備不良を断定するものだったのです。
しかし赤松の主張を警察が受け入れることはありませんでした。
こうして従業員数90人、年商7億円の赤松運送は創業以来の窮地に立たされることになったのです。
果たして赤松は事故の真相を究明することができるのでしょうか！？
この物語はここから大企業の不正を暴いていくことになります。
その衝撃的な顛末はネタバレする訳にはいきませんので、続きは実際に漫画を読んでお確かめください。
『空飛ぶタイヤ』はドラマにもなりました！
実際の事件に基づきながら、脱輪事故の真相に迫っていく『空飛ぶタイヤ』！
この物語は2009年3月29日から4月26日まで、毎週日曜日22時～23時にWOWOWのドラマW枠で連続放送されました。
キャストは赤松徳郎役を仲村トオルさん、宮代直吉役に大杉漣さん、そして門田駿一役は柄本佑さんとなっています。
TOKIOの長瀬智也さん主演で映画化も決定したこの作品。
今後も注目されることが間違いない物語の魅力をじっくりと味わってみてください。
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