左手のための二重奏のネタバレ(漫画)!あらすじと感想も!

今回は「松岡健太」先生の『左手のための二重奏』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『左手のための二重奏』はこんな漫画(あらすじ)

暴力事件を起こしてばかりいる中学生の的場周介(マトバシュウスケ)は、将来に希望を見出すことができません。

高校生をボコボコにしたため謹慎中だったシュウが久しぶりに学校へ行くと、同じ中学校に通っている弓月灯(ユヅキアカリ)のピアノ演奏会が開かれます。

ひょんなことから灯と行動することになったシュウは、純粋で真っ直ぐな灯によって価値観が少しずつ変わっていきました。

しかし日本で最も注目されている天才ピアニストの灯は交通事故で亡くなってしまいます。

灯の死を自分の責任だと感じるシュウは、後を追うため屋上から飛び降りることにしました。

すると事故で負傷した左手から灯の声が聞こえてきます。

再び出会えた灯に導かれながらピアニストの道を歩き始めた主人公を描いていく『左手のための二重奏』

今回は爽快感と感動を味わえるSFファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

素人の右手と天才の左手を持つ最強コンビの活躍を目に焼き付けてください。

 

『左手のための二重奏』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

高校生をボコボコにしたため謹慎中のシュウが家にいると、チンピラのような男性たちがドアを蹴り始めました。

男性たちはシュウの父親に女性を寝取られたため報復しようとしています。

しかし喧嘩が不得意な父親は部屋から出てきません。

ここで騒音に我慢できなくなったシュウが男性たちの前に姿を現しました。

的場周介
「大人達の事情は知らねぇけど女に手出してんじゃねぇよ・・・」

寝取られた女性に手を出した男性たちを一瞬でボコボコにします。

その姿はとても中学生とは思えません。

息子が男性たちを追い返したことで父親は大喜びしています。

的場周介
「勘違いすんな、テメエもだ・・・」

男性だけでなく父親にも制裁を加えました。

このようにシュウの日常は暴力と隣り合わせになっています。

ようやく謹慎が解除になったシュウが学校へ行くと、先生に体育館へ連れて行かれました。

体育館では多くのピアノコンクールで優勝を総なめしている超有名人の弓月灯の演奏会が行われようとしています。

中学生でありながら天才ピアニストと称される灯は、天使の左手と呼ばれていました。

的場周介
「知るか、んなもん、なんで体育館で弾くんだよ」

シュウは超有名人であろうがピアノには興味がありません。

それでも先生は大きなコンクールを明日に控えている灯のピアノをシュウに効かせたいと思っていました。

するとここで灯がショパンの”アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ボロネーズを弾き始めます。

多くの学生が灯のピアノ演奏に魅了されました。

しかしシュウの胸に響くものは何もありません。

感動できなかったシュウは電車で家に帰ることにします。

電車内でポケットの中を見ると先生が勝手に入れた進路調査票が入っていました。

的場周介
「俺がどうなろうが勝手だろ!俺の人生なんてもう・・・終わってんだよ・・・そういやあの女演奏中笑ってやがった、何がそんな楽しい・・・」

考え事をしていると終点まで来てしまいます。

さらにここまで乗ってきた電車が終電でした。

何もかも上手くいかないことに苛立っていると、同じ電車に乗っていた灯が声をかけてきます。

弓月灯
「あのぉ・・・どこですかね?ここ・・・すみません、私寝過ごしちゃって」
的場周介
「・・・てめぇのせいだ、ピアノ女め」
弓月灯
「なんですかっ!?いきなり」

運命を共にすることになる2人が会話をしたのはこれが初めての事でした。

そんな未来が待っているとは知る由も無いシュウは、帰るため近くに置いてあった自転車を盗むことにします。

ですが正義感の強い灯に止められてしまいました。

帰る努力をしないのに正義感を振りかざす灯にシュウは苛立ってきます。

的場周介
「名前・・・弓月つったか?お嬢様は明日あれがあるんだろ?お前の方がこんな所いたらマズいだろ、あんなポスターまであんのに、寝過ごしましたなんてオチ付けられたらそりゃもう・・・」
弓月灯
「うわぁー!早く帰らねばです・・・」

早く帰るためシュウは自転車の盗難を見過ごすよう求めました。

すると灯が近所の人に事情を説明して自転車を借りてきます。

ただし1台しか借りれなかったのでシュウが灯を後ろにのせて走ることになりました。

的場周介
「親呼ぶとか他に方法あったろ!?なんでこんなんで・・・」
弓月灯
「お父さんは仕事で海外に・・・あっでも家政婦さんに来てもらえば良かったのかも」

こうして交わることのなかったシュウと灯の運命が交錯することになったのです。

 

 

親に見放されているシュウが暴力に頼ってしまう姿が不憫に感じました。

また灯のピアノ演奏に何も感じていないと強がる姿も素直な人間性を表していますね。

天才ピアニストと不良少年の交錯する運命を描写した『左手のための二重奏』

ここから灯に悲劇が襲いかかってしまいます。

シュウと灯が悲しい運命を乗り越えようとする姿に感動してください。

後編

自転車の後ろに乗せてもらっている灯がお礼にシュウのことを明日のコンクールに招待すると言ってくれました。

的場周介
「・・・なんで俺の名前を」
弓月灯
「有名人ですよ、学校でよく先生に怒られてます、今日の演奏会来てくれたのも知ってます」

灯は名前だけでなくシュウが演奏を聞いてくれていたことも知っています。

しかしシュウはピアノ演奏には興味がありません。

的場周介
「演奏会のせいで呼び出されたんだからな!勝手なことしやがって」

シュウにとって灯のピアノ演奏会が開かれたことは迷惑なだけです。

それでも灯は喜ぶ人のためならばどこでも演奏したいと考えていました。

弓月灯
「皆が喜ぶ顔、シュウくんだけ浮かない顔なのはさみしいです、もう一度聴いてくれたら」
的場周介
「ピアノはいつから?」

灯は物心ついたころからピアノを弾いています。

ピアノを選択したのは父親がピアニストのためでした。

シュウは灯が親の敷いたレールを歩いていることが面白くありません。

自分も面倒くさい親を持っているのですが、灯とは状況が正反対です。

灯は親に期待されているのですが、シュウは父親にほったらかしにされていました。

父親からシュウは自由に好きなことだけしてれば良いと言われています。

責任感が欠如している父親に憤慨するシュウなのですが、灯は自分とシュウが同じ環境で生活していると思っていました。

弓月灯
「私もシュウくんと一緒ですよ、好きなことしろって言われてるだけ、好きだからピアノを弾くんです」

灯の素直な気持ちを聞いて動揺したシュウは自転車を転倒させてしまいました。

幸いシュウの身体がクッションとなり、灯に怪我はありません。

その代わりシュウは腕を怪我してしまいました。

的場周介
「なんともねぇよ、こんなの、デケェ図体と頑丈なことぐらいしか取り柄なんてないし、俺にもそんな好きなものがあったら・・・」
弓月灯
「大きなシュウくんはピアノに向いてる手を持っていますね、少しうらやましいです、私が掴めない音もシュウくんなら・・・なんて」

灯がシュウの手に自分の手を合わせます。

2人の手の平はかなりサイズが違っていました。

的場周介
「ピ・・・ピアノなんてやるわけなぇだろっ、不良が・・・っ、しかも今更っ」
弓月灯
「好きになっちゃえばそんなの関係ないですよ、私決めましたっ、私の演奏好きになってもらいますっ、さぁ行きましょ!コンクールが待ってますっ」

再び自転車で走り出したのですが警察官に補導されてしまいます。

シュウは悪い意味で、灯は良い意味で有名人なので簡単には帰してくれません。

警察官は質問する前からシュウが灯を誘い出したと決めつけます。

的場周介
「俺がムリヤリ連れ出した、じゃあなここまでだ、明日頑張れよ」

灯のためシュウは自分を犠牲にして、明日のコンクールへ向かわせようとしました。

しかし灯は納得してくれません。

弓月灯
「そっ、そんなことないです!シュウくんは困ってた私を家まで送ってくれているんです、頑張ってここまで来たんです」

シュウが悪くないことを必死に訴えかけます。

それでも警察は信用してくれません。

困ったシュウは交番から灯のことを無理矢理連れ出しました。

的場周介
「マズいだろうけど怒られんのは演奏聴いてからでも遅くねぇだろ」

灯のピアノ演奏を聴くためシュウは交番を出たのです。

気持ちが伝わった灯は嬉しそうな表情でシュウの後ろに腰を掛けました。

弓月灯
「知ってる場所に着きましたっ」
的場周介
「ギリギリになっちまった」
弓月灯
「とんでもないです、助かりました!本当にありがとう、シュウくん!招待状です・・・今度は私の番ですね!」
的場周介
「なんもわかんねぇけどさ、やるなら勝てよな」

渡された招待状を受け取りながら灯のことを励まします。

今回出場するのは大きなコンクールですが、灯は勝利を目指している訳ではありません。

普段の灯は顔なじみのピアニストたちと演奏できるだけで幸せなのです。

弓月灯
「シュウくんのために勝ちますよ!好きになってもらってピアノ友達になるんですからっ」
的場周介
「俺がやるかは別の話だけどなっ、大体よ俺が行って楽しいもんなのか?今度はちゃんと聴くけどよ」
弓月灯
「大丈夫っ!音楽は皆に平等!私の夢はですねっ、み・・・」

次の瞬間、2人に居眠り運転のトラックが衝突してきました。

この衝突事故で灯は即死、シュウは左半身に大怪我を負ってしまいます。

シュウが入院中に灯の葬儀が行われることになりました。

葬儀中に同級生たちが灯のことをシュウが連れ出したと噂しています。

その噂は灯の父親の耳にも入っていました。

一ヵ月後、退院したシュウが灯の父親宛ての手紙を学校の先生に渡すと屋上へ向かいます。

的場周介
「何も・・・出来なかった、俺は君のために何が出来た」

灯を失った絶望感から飛び降りてしまいました。

しかし動かなくなったはずの左手が勝手に屋上の柵を掴みます。

的場周介
「左手が・・・っ、勝手に・・・動く、なんだコレ・・・左手の感覚は全くねぇのに・・・まるで他人の手のような」

勝手に動いた左手がシュウの命を救いました。

ですがシュウは助かりたいとは考えていません。

抵抗しようとしていると左手が床に文字を書き始めます。

文字は“いきて”と書かれていました。

気味悪がっていると今度は左手がシュウの顔面を殴ります。

弓月灯
「シュウくんのバカァ!何しようとしてたんですかっ、ちょっとでも遅かったら今ごろぉ!」

左手は勝手に動き出しただけでなく言葉を話し始めました。

その声にシュウは聞き覚えがあります。

的場周介
「待てっ、その声・・・そこにいんのは弓月灯なのか?」
弓月灯
「そうです、なんか私シュウくんの手になっちゃいましたけど」
的場周介
「マジかよ・・・そんな」

死んだはずの灯が左手に宿っていました。

しかしすぐには信じることができません。

弓月灯
「シュウくん私に謝ることありませんか?」
的場周介
「何から謝れば、事故ん時とか、そもそも俺が交番から、俺に会わなかったらこんなことにならなかった・・・っ、なのに俺だけ・・・」
弓月灯
「そんなことで怒ってるんじゃないんです!あの事故のこと私は誰にも怒ってないです、ほらっこうして今いるんですから、シュウくん死んじゃったら今度こそ本当に消えちゃいます、不思議な運命ってやつです、二度とこんなことしないで」

左手に宿った灯のために生きていくことを誓いました。

さらにここから左手のためにシュウはピアノを始めることにします。

しかし右手は素人のため簡単にピアノを習得することができません。

そんなシュウは灯の父親に指導をお願いすることにします。

奇跡の左手で灯と繋がったシュウは、亡くなる前に語っていた灯の夢を叶えることができるのでしょうか!?

 

『左手のための二重奏』を読んだ感想

自殺を試みたシュウのことを左手に宿った灯が止めたシーンに感動しました。

ここから2人に待ち受ける過酷な運命にも興味をそそられますね。

不良と天才ピアニストがタッグを組んだ『左手のための二重奏』

灯の存在が確認できたことで前を向き始めたシュウの姿も感動的ですよ。

心を通わせ合いながらピアノを演奏する2人の様子から大きな感動を味わってください。

 

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