今回は「加藤元浩」先生の『Q.E.D.iff-証明終了-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『Q.E.D.iff-証明終了-』はこんな漫画(あらすじ)
マサチューセッツ工科大学を15歳で卒業した超天才児の燈馬想(とうまそう)は日本の高校に再入学しました。
天才的な頭脳と豊富な知識を有しているのですが、燈馬には人間の感情を理解する能力がありません。
そんな燈馬がクラスメイトの水原可奈(みずはらかな)と難事件の解決に挑むこととなりました。
男勝りの行動力で事件の真相に立ち向かう可奈と、論理的な思考で謎を解明しようとする燈馬が導き出す犯人の正体とは！？
緻密なトリックと犯行に及ぶまでの奥深い人間ドラマを表現した『Q.E.D.iff-証明終了-』！
今回は大人気サスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
燈馬と可奈よりも先に事件の真相を見破ってみてください。
『Q.E.D.iff-証明終了-』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
人間には出会ってから一生を共に過ごす相手もいれば、相性が悪く関係性を良好に保てない相手もいます。
両者には性格の違いや育ってきた環境の違いなど様々な条件があるのかもしれません。
その中でどうしても相手を受け入れられない人は、殺人という方法で自分が存在する世界から相手を追放してしまうのでしょう。
高校3年生になった水原可奈は身近で殺人事件が起こったことを知らないまま、所属する剣道部に新入生を勧誘するため汗を流していました。
今は部活動に夢中なのですが来年に進路を決めなければなりません。
現実と向き合いながら勧誘を行っていると、屋上に自分とは環境が異なる男子生徒の姿を見かけます。
可奈の目に留まったのは超天才児の燈馬想でした。
燈馬は普通の高校生活を体験してみたかったらしく、現在は可奈のクラスメイトとして高校に通っています。
受験の心配がない燈馬を羨ましく思っていると、近くで勧誘を行っていた軽音部でコピーしたチラシが消えたという騒動が起こりました。
心配した可奈が仲裁に入ろうとしていると、屋上にいたはずの燈馬が姿を現します。
燈馬はチラシが置いてあったはずの机に注目しました。
テーブルクロスは見栄えを良くしようと思い先程掛けられたものです。
ここで燈馬はテーブルクロスを掛ける前の行動について問いかけました。
実はテーブルクロスを掛ける前に机の上を片付けていたため、段ボールにチラシを収納していただけだったのです。
こうして可奈は改めて燈馬の天才的な頭脳を認識することになりました。
その後、燈馬と可奈が協力しながら解決へ導く事件が発生します。
2人が事件に関わるきっかけになったのは、可奈が所属している剣道部の道場建て替え工事が中止になったことでした。
後輩たちの為にも建て替えを希望する可奈は出資してくれる予定だったOBの三砂という彫刻家に直談判することにします。
しかしアトリエに行ってみると三砂は何者かに殺害されていました。
容疑者はマネージャーの押鳥麻理子、一番弟子の土鳩蒼吉、二番弟子の真鴨藍、そしてヌードモデルの百舌鳥優花の4人です。
現場は三砂のアトリエで、10万ドル以上する作品を保管するため密室状態になっていました。
外部からは受付にあるボタンを押さなければ入ることができません。
誰もいないアトリエの中で三砂は絞殺されていました。
事件当日は午後1時にアトリエの玄関が開けられ、2時からニューヨークで開かれる個展のミーティングをしていたそうです。
3時になると個展の目玉として期待していた彫刻のモデルに選んだ百舌が現れました。
ここから三砂は百舌の彫刻を制作し始めたのですが、なかなかポーズが決まらなかったそうです。
4時頃、押鳥がお茶を出しに行ったところアトリエに百舌の姿はありませんでした。
押鳥の次にアトリエに入ったのは土鳩です。
土鳩は自分の作品を見てもらいたかったのですが三砂に追い返されてしまいました。
追い返された土鳩は5時に再びアトリエを訪ねたそうです。
そこで三砂の死体を発見しました。
マネージャーと2人の弟子が建物の中を捜索したのですが人の姿はありません。
等身大の彫刻を入れるための木箱にも人は隠れていませんでした。
果たして犯人は何処から侵入して三砂を絞殺したというのでしょうか！？
天才的な推理力を有しながら人間力が乏しい主人公が印象的ですね。
対照的に活発な行動力で事件と向き合うヒロインも魅力的なキャラだと思いました。
お互いの足りない所を補いながら事件を解決していく高校生を描いた『Q.E.D.iff-証明終了-』！
ここから本格的な事件捜査が始まっていきます。
燈馬と可奈が導き出す事件の真相にご注目ください。
後編
事件の詳細を確認した可奈は一番弟子の土鳩が殺人犯だと考えていました。
現場が密室であった以上、アトリエに入った土鳩しか三砂を殺害することはできません。
しかし話を聞いていた燈馬に否定されてしまいます。
燈馬は土鳩を犯人として立証するためのiff(同値)が足りていないと指摘しました。
もしかしたら他の人間が必要な条件を備えているかもしれません。
警察も誰が犯人と同値と言えるか見極めようとしていました。
可奈は燈馬に助けを求めるのですが、この時点で燈馬の協力は得られません。
仕方なく可奈は1人ずつ関係者から話を聞いてみることにしました。
まず押鳥から話を伺うと、三砂が女性関係にだらしなく恨みを買っていた人物が大勢いると分かります。
三砂は女性に甘かったため、一番弟子と二番弟子の扱いにも差を付けていました。
甘やかされていた真鴨に比べ、土鳩は厳しく指導されていたそうです。
話を聞いているうちに可奈はますます土鳩への疑いを深めていきました。
続いて話を聞いたのはモデルを務めていた百舌です。
百舌はアトリエで働いていた訳ではないので人間関係については詳しくありません。
対照的に二番弟子の真鴨は土鳩が犯人だと確信していました。
真鴨はニューヨークの個展に連れて行ってもらうことが決定していて、逆に土鳩は留守番を命じられていたそうです。
最後に話を聞いた土鳩は三砂のアトリエからの独立を考えていました。
事件前に三砂の元を訪れたのは意見を聞きたかったそうなのです。
関係者から話を聞き終えた可奈は、現場写真を持って燈馬に協力を仰ぐことにしました。
可奈はこの事件が複雑だと考えているのですが、燈馬は複雑ではないと思っています。
一見すると複雑に見えるだけで燈馬の頭の中では事件の概要が整理されていました。
すでに殺人事件の犯人と犯行方法を解明した燈馬は関係者を現場へ集めることにします。
いったい燈馬はどのように事件の真相を証明していくのでしょうか！？
『Q.E.D.iff-証明終了-』はこんな人にオススメ
本格的な謎解きを楽しみたい人が満足できる作品に仕上がっています。
類稀な推理力で謎を解明する主人公の姿を読んでいくうちにスカッとできる物語ですよ。
動機や犯行手段がしっかりと考え抜かれている『Q.E.D.iff-証明終了-』！
漫画とは思えない謎解きの伏線が上手に張り巡らされています。
1話ごとに満足できるミステリーをじっくりとお楽しみください。
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