『ヤミホタル』のネタバレ！裏社会を描く漫画の魅力とは？

今回は「飯星シンヤ」先生の『ヤミホタル』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『ヤミホタル』はこんな漫画(あらすじ)

東京池袋のホストクラブで働いている王史は、お客のツケを回収できず困り果てています。

回収の見込みが立たない王史に対してオーナーがローン会社から借金することを勧めてきました。

借金ができなければ太客で風俗嬢をしているエミリにお金を使わせるよう指示された王史。

しかしエミリと交際している王史は彼女にお金を催促することができません。

いったい彼はどのようにしてお金を工面するのでしょうか！？

大都会の闇にはびこる人間模様を描いていく『ヤミホタル』！

今回は裏社会の真実に迫る物語についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

腐りきった世界で生きている人々の実態に触れてみてください。

『ヤミホタル』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

東京池袋の夜景は煌びやかなのですが、その裏側には深く真っ暗な大都会の闇が広がっています。

そんな大都会のホストクラブに勤めている王史はこの日、来店した女性客を待たせていました。

彼が接客できない理由はお酒に弱い体質のせいで、トイレからなかなか出ることができません。

この状況を見かねたオーナーが王史を呼び出しました。

数時間後、店のナンバー2ホストの誠二が王史をBARに誘います。

「で・・・なんだって？」

「えっ」

「店長だよ、さっき店で話してたろ？どうせまた売り掛けのことだろ！？」

誠二の言う通り王史は溜まっている飲食代のツケをどうにかしろと説教されていました。

「誠ちゃんはスゲェよなぁ・・・週4日わずか2～3時間の出勤でナンバー2をキープできてるなんて・・・」

短時間の勤務でナンバー2を維持している誠二はその気になればナンバー1になれる才能の持ち主です。

しかし誠二はナンバー1になろうという気がありません。

「タイム・イズ・マネー、あくまで俺は能率的に仕事をこなしてるまでだよ、ホストなんざ・・・俺にとっちゃ副業みてぇなもんだしな・・・」

「副業・・・？」

副業について誠二がこれ以上語ることはありませんでした。

「そういや王史・・・最近あの娘店に来ねぇなぁ？あのヘルス嬢の・・・えーと・・・名前なんだっけ？」

「エミリ・・・」

「あぁーっ！そうそう、性感ホテトル生チュー倶楽部のエミリちゃん！王史お前マメに営メしてんの？」

エミリは王史にとって唯一の指名客です。

そのため営業メールしているかどうか誠二は気にしていました。

「もう・・・客じゃあないよ・・・」

「あれ！？逃げられちゃった？」

「そうじゃなくて・・・その・・・付き合ってんだ・・・彼女と」

エミリは大人気のヘルス嬢です。

そんな人気のエミリと王史はホストクラブに秘密で交際していました。

「付き合ってんの！？ってか色恋とかじゃなくて？お前エミリちゃんにマジ惚れしたかぁ！？」

「や・・・やっぱマズイよね？客とそういうのって、店とかにバレたら・・・」

誠二は交際していることを問題だとは思っていません。

ただ1つだけ気になっていることがありました。

「別にいいんじゃね！？恋愛は自由だし、ただお前・・・未収はどーすんの？」

現在、王史には未収になっている売り掛け金が185万円あります。

この金額を回収できるかについてオーナーから呼び出されていました。

オーナーはもっとエミリを店に呼んで金を使わせろと命令してきます。

しかし王史は交際しているエミリにお金を使わせたくありません。

そんな王史に対してオーナーはローン会社から借金してでも売り掛け金を収めるよう脅しをかけてきました。

果たして王史はこの窮地をどのように切り抜けるのでしょうか！？

売り掛け金の未収を責められる王史の姿からリアルなホストクラブ事情が垣間見えますね。

気の弱い王史を気にかける誠二のミステリアスな表情も印象に残りました。

お金や女性関係などホストクラブの裏側に迫っていく『ヤミホタル』！

ここから物語は苦悩していく王史を描いていきます。

彼とは対照的に明るいエミリにも注目しながら続きをご覧ください。

後編

売り掛け金を店に収めるため、借金するかエミリにお金を使わせるか迫られている王史。

「どうした王史？」

「ダメだっ、やっぱ俺にはできねぇよ・・・売り掛けのために彼女を煽って大金使わせるなんて・・・」

人が良い王史はどうしてもエミリを利用することができません。

しかし誠二にはその姿が滑稽に見えていました。

「アホか、今さら何言ってんだ、お前がやってんのは最初からそういう商売なんだよ」

厳しい言葉かもしれませんが、誠二の言葉はホストにとっての現実なのです。

どうしても王史が決断できずにいると、エミリからメールが送られてきました。

仕事が終わったエミルはこれから王史の家を訪れるようです。

翌日、王史の部屋に泊まったエミルが出勤時間を迎えました。

「王ちゃん、いつまで寝てんのぉ、もう夕方だよぉー、ごはんできてるよぉー、冷めちゃうからぁ早く起きて食べちゃってぇ」

エミルはこの日、新規のお客から予約が入ったためこれから出勤しなくてはいけません。

そのため王史のことを起こすとすぐにメイクを始めます。

「エミリ・・・俺さぁ・・・」

「なぁに？」

「俺・・・店辞めるかも・・・」

どうしても売り掛け金を回収できない王史は店を辞めることを決意しました。

自分の中では重大決心をしたつもりなのですがエミリは素っ気ない態度を取ってきます。

「へぇーそぉなんだぁー」

「え？それだけ？やけにあっさりし過ぎじゃね？」

決してエミリは王史に関心がない訳ではありません。

「えー？そうかなぁ、だって王ちゃんが決めたことでしょぉ？」

楽観的なエミリは王史の考えを尊重しているのです。

そんな彼女を見ているうちに王史はある疑問が浮かんできました。

「なぁエミリ、なんでエミリは俺のことを指名してくれたの？俺なんかよりイケてるホストはいくらでもいたのにさぁ・・・」

冴えない自分を指名してくれた理由が理解できません。

「えぇー？なんでって・・・私にとってはあの店で王ちゃんがダントツでイケてたもん、ってかどぉしたのぉ急にぃー」

ここで王史がエミリのことを押し倒します。

「じゃ・・・俺のどんなとこがイケてる？」

「んーとぉ、優しいところ」

エミリは優しくてホストっぽくないところが好きだと答えました。

「ってかそれってホスト失格ってことじゃん！」

王史はエミリの答えに納得することができません。

それでもエミリは王史のことを大事だと考えています。

「んもぉー王ちゃん！私はぁホストが好きなんじゃなくってぇ王ちゃんのことが好きなのぉ」

エミリは王史のことが好きなためホストを辞めても関係ないと思っていました。

ただ彼が側にいてくれればそれでいいのです。

「俺は・・・やだ！エミリにはもう風俗なんてあがってほしいんだっ！」

「王ちゃん・・・風俗も立派なお仕事だって・・・」

王史は風俗嬢という仕事に理解を示してきました。

それでも大切なエミリにこれ以上の負担を掛けたくないのです。

「そうだけど・・・そうだけど・・・さぁ・・・」

「あっ、もうこんな時間だぁ、遅刻しちゃうーっ、私なら平気だよぉ、お金のためだって割り切ってるから大丈夫！心配しないで」

結局この日は話し合いがまとまることはありませんでした。

しかし売り掛け金が未収になっている王史にはあまり時間が残されていません。

エミリには負担を掛けたくないのですが指名客を獲得することができない王史。

果たしてホストクラブは王史にどのような方法でお金を稼がせるのでしょうか！？

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『ヤミホタル』を読んだ感想

王史は優しいのですが頼りないところが欠点かもしれませんね。

そんな彼の事を大切に想いながら尽くしているエミリが健気だと思いました。

ホストには向いていない主人公が裏社会の中で翻弄される様子を描いた『ヤミホタル』！

複雑に交錯する人間模様が見所となっています。

普段あまり体験することのない世界に魅了されてみてください。

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